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わざわいたおし  作者: 森羅秋
――勇者信者の王国――
73/279

小さなハプニング⑥(リヒト視点)(追記???視点)

話の入れ方失敗しています。ご了承ください。

 俺は部屋に戻った。ドアの鍵を閉めてから痛みに耐えかねてその場に座りこむ。

 少し読んだだけであの紋に引っ張られてしまった。まだ頭の中がガンガンと鳴り響いている。


 単なる頭痛じゃない。途方もない怒りが体に不調を起こしている。

 怒りを収めるためには、意識を別方向に向ける必要があった。

 それには喧嘩が一番だ。ミロノに水をぶっかけて煽ってみたら、予想通り乗ってくれた。お陰で良いガス抜きになった。


 あれは奇妙な感覚だった。

 ミロノはペンダントの模様を見て気分が悪いと言っていたが、俺はそんなもんでは済まないかった。手を血で染めたくなるほどの、激しい怒りと殺意。植え付けられたような感覚もある……まったく意味が分からない。


「ったく。あいつ何と関わったんだ?」


 紋が書かれた宝石をもつ女性は気になるが、探さない方が良い。

 この状態では近づく方が危険だろうな。感情がコントロールできず、うっかり殺してしまうかもしれない。


 意味が分からない怒りと言えば、思い出すのが凶悪なる魔王だ。

 魔王ミロノは姫への狂喜の愛。

 魔王リヒトは姫への狂気の愛。

 

 性質が似ているが、あえて区別をつけるなら。

 姫を愛でる為の方法が魔王ミロノ。

 姫に仇なす者を屠る方法が魔王リヒトだ。


 そういえば、呪印の裏に紋があったな。

 ミロノがどこかに意識を飛ばしていた時に浮かんでいたあの紋。

 あれが呪印の本来の形である可能性が高い。


「だとしたら、俺たちに刻まれた紋の意味はなんなんだ? 昔は呪印も頻繁に使われていたのかもしれない。調べることが増えたなクソ。頭いてぇ」


 いつまでも座っているわけにはいかない。立ち上がって、ベッドに寝ころぶ。

 力を抜くと、幾分か痛みが緩和した。深いため息が出る。


「忘れろって言っておいたが、本当に忘れてくれるといい……んだが」


 ミロノが毎回あの模様を思い浮かべてしまうと、俺に影響が出る。

 思い出すたびに注意すればいいか。

 俺も用がないときは忘れていないといけない。

 面倒だな。ああ、ほんっとに面倒だ。


 明日は紋に関わる資料と王族、三つの領地の歴史を漁ってから城下町を出よう。

 

 ここにしかない情報がきっとあるはずだ。

 俺は微かな希望を胸に、目を閉じて意識を手放した。























ーーーーーーーーーーーー

追記:???視点

ーーーーーーーーーーーー



「あー。行ってしまった」


 僕こと、ローグリオスディアンは猫を抱きかかえつつ、去っていく少女の背中を見つめた。

 あの少女は爪を立てている猫にそっくりだなと思う。二言くらいで会話が終了してしまったのは残念だ。

 あ、猫がゴロゴロ喉を鳴らし始めた。少しは信頼してくれたかな。


「それにしても、まさかこんな愛くるしい猫を投げてくるなんて、容赦しない人ですねぇ」


 僕が受け止めると確信していたみたいだ。なんだか信用されているみたいで嬉しいな。

 うん、ケモノ臭くて毛がべっとりしているけど、柔らかいから気持ちがいい。


「おい、こいつが」

「なんだと」


 早く帰ろうと思っていたんだけど、スリの集団が戻って来たようだ。

 なぜか、僕を睨んでいる。蹴っただけで何もしていないんだけど。


 助け起こされた擦り傷だらけのスリが、仲間に事情を説明している。

 おっと? 僕を指さしているな。

 取り囲まれたんだけど、もしや難癖でもつける?


 「てめぇ、よくも蹴りやがったな!」


 ああやっぱり、難癖がきた。


「シャアアア!」


 猫がびっくりして威嚇する。爪が痛い。折角落ち着いたのに。

 暴れているからこれ以上は無理だな。


「よしよし。ごめんね。お行き」


 離した途端、猫は一回転して地面に着地すると、凄いスピードで逃げていった。

 安全な生物可愛いなぁ。

 逃げる姿を見送っていたら、スリたちが一斉に怒鳴ってきた。うるさいんだけど。


「なんだこいつ」

「ガキの癖に良い装備しやがって!?」

「こいつの怪我はてめぇの仕業か!」

「どうしてくれんだこの怪我よぉ!」


 装備は僕の自由で、命を無くすよりも擦り傷のほうが大分マシで、治る怪我なので安静にすればいいとおもう。

 そう言っても聞く耳はないいだろうな。


「知りません」


 一応、そう言ってから剣を振った。

 あ、無防備だ。攻撃見えてないみたい。

 鞘に入っているので打撲程度で済むから、ま、首でいっか。


 同時に凪ぐと、スリたちは白目を向いて地面に倒れた。

 足先で小突いて意識がないこと確認してから、剣を腰に携える。


 「全く、無粋な人達」


 やれやれ、長の言う通りだ。

 この町も年々治安が悪くなってるんですね。凶悪なる魔王が現れないからまだいいけど。

 さて、ティムのところに行こっと。

 見物人がいるから、スリたちはこのままでいいよね。




次回は新しい町になります。

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