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納得のいく躊躇いの姿
俺の夢は、ここで確信に変わる。俺があの夜見た夢とそっくりだ。
だがコリンは膝の上で握りしめたこぶしを見つめながら、ゆっくりと息を整える。
「ですが、顔が思い出せないんです。」
「思い出せない?」
「はい、確かにいたはずなんです。でもその人が男性なのか女性なのかもわからなくて」
そう言ったコリンは肩を震わせていた。両の掌を強く握りしめ精いっぱい何かを我慢するように。きっと、自身の体験を嘲笑されるのが怖いのだろう。
こうして現に自身の許容量を遥に超えた体験をしてしまっているのだ。この現実を受け入れるためにも否定の言葉や茶化すような言葉を彼女は欲していないのだろう。
「そっか・・・、実は俺も-」
と言いかけたその瞬間
「あの!」
勢いよく立ち上がるコリン。それに驚く俺。
コリンは何か意を決したように俺に真っ直ぐ告げる。どんな言葉が来ようと、どんな劇的な経験の告白を受けようと俺は動じない。腹をくくる。
この現状を打破するためには、コリンが何を伝えたいかを真っ直ぐに受け止めることが必要だ。でなければ俺は-
「お手洗いを貸してください!!」
前言撤回。




