19.ストリート・キャット
筆者は主にライトノベルが好きだということを今週は語ってきたが、
それ以外にもSF小説やノンフィクション小説を読むこともある。
ライトノベルには著者の創り出した壮大な世界観や胸熱な展開、そしてそれらを盛り上げるかっこいい、かわいいキャラクター達が魅力的な二次元好きにはたまらない作風の物が多く、筆者はいつもそれらをワクワクしながら読み漁っている。
しかしながら、たまには少し落ち着いた作風の作品であったり感動のできるものを読みたくなる時もある。
そして最近、そんな作品を求めて出会ったのが、
著:ジェームズ・ボーエン 訳:服部京子
『ボブという名のストリート・キャット』
である。
この小説は著者自身の体験した実話に基づいたノンフィクション作品だ。
この作品は今夏映画化を果たし間も無く全国映画館で上映される。
映画自体にも非常に興味があるので、その予習として小説を読み始めたのだ。
この作品では"ジェームズ"と、タイトルにもある"ボブ"とい名の野良猫が出会うことから物語が始まる。
特に難しい話も無くありのままの出来事、ボブとの日常が語られ、徐々に変化の訪れる一人と一匹の人生が紡ぐ小さくて大きな友情物語が描かれている。
実話を元にしている分、予定調和のような都合の良い展開がある訳でも無く、読者を飽きさせないために適度にトラブルが発生したりすることも無く、可愛いヒロインが主人公に恋心を抱くことも無く、1日の出来事が淡々と描かれていく。
だがそれが良いのだ!それがリアル!それがノンフィクション!
実話であるからこそ、些細な喜び、悲しみもずしっと心に響いてくる。
「こんな猫いたらいいな」ではなく、「こんな猫いるんだ!」というワクワクがある。
筆者はまだ読み切っていないが、読み終わったらその感動を伝えるべくまたこのエッセイのどこかで触れるかもしれない。その時はまたしばし付き合っておくれ。
皆さんも興味が湧いたなら、一度書店で手にとってみてはいかがだろうか?
それでは今週のテーマは"小説"についてでした。
また次週、よろしくお願いします。
来週は平日1時00分に更新します。




