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仮面劇 MASQUE  作者: 射月アキラ
Scene.2 仮面と仮面
14/26

07

「周りがみんなきれいな色を持っているのが、私には許せないの」


「なにを言っているんだい。君はこんなにも鮮やかなのに──」


「それ、嫌味?」


「私には、君という人間がとても鮮烈で、美しく見えるよ。不覚にも、みとれてしまうほどに」


「惚れっぽいだけなんじゃないの?」


「人間嫌いの私を惚れさせたんだから、レディはもっと自信を持ちたまえ」


 演技っぽい口調のせいで、オクルスの言葉はどうも信用ならない。


 確かに人間好きには見えないのだが。


「鮮やかなんて言葉、まさか自分に向けられるとは思わなかった」


「周りに見る目がなくて、君がまだ気付けていないだけさ。君の色は仮面の下で黒ずんで、元の色が分からなくなってしまっている」


 仮面の下で、オクルスは口角を上げた。


 そして、こちらに手を伸ばす。その動きがあまりに自然すぎて、避けることも払うこともできない。


 冷たい手が私の頬に触れた。


「私は君の仮面を剥がしたい。その下に秘めた君を見せてほしい」

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