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支配下で支配人がダンジョンを支配する  作者: 雪ノ音
異界の空
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2章 エピローグ

 ここは馬鹿らしいくらいに広大な草原の広がるダンジョン。

 知らない人間が見れば、どこかの田舎で見た覚えがあると感じるくらいに、その眼に入ってくる姿はダンジョンとは思えない、のどかな風景。

 ……間違いなく先日までウォペが支配していたダンジョン。


「ここを本当に数日で攻略してしまうとは、これも計画通りと言うところですかな? アビス殿」

「ええ、その為に貴方たちと手を結んだのです。彼もブーストスキルを生かす為の自身の能力に気付きつつあるようです。今後の予定にますます近づく事でしょう」


 異神アビスの顔には笑みも驚きも見られない。

 相対する様に隣に並ぶ存在は隠すことなく満足気な表情を浮かべて瞳を光らせる。


「恐ろしいですな。その瞳が何時かこちらに向けられたらと思うと」

「貴方達は私の言うとおりにしていればいいのです。裏切るようなことがなければ、そんな事態は避けられると保証を致しましょう」

「私を脅しても意味がありませんよ。我が主に伝えるのが私の仕事です。それ以上でもそれ以下でもございませんから」


 その言葉に反応する様に、初めてアビスの意思が籠った瞳が隣へと向けられた。


「我が館の『支配人』を手にかけようとした者の言葉とは思えんな。フォルネウスよ」

「いえいえ、私が手にかけたのは『住人』の方です。しかも、ちょっとばかり魔法が暴発しただけですよ」

「ほう……あのレベルドレインが暴発か。それにしては随分と強力で精密な魔力の形跡があったが?」

「くっくっくっ。アビス殿には敵いませんね。これ以上、悪い方向に向かわないうちに失礼させて頂きます」


 それを最後にフォルネウスは空気に溶けた。

 まるでこのダンジョンの一部の様に。


「彼らに釘を刺しておく必要もあるようですね。計画にズレが生じない様に」


 残されたダンジョンで1人言葉を残して、異神アビスは使徒フォルネウスと同じように姿を消した。

 誰も居なくなったはずのダンジョンで何かが鳴いたように空気を響かせた。

これで2章は終了となります。

ちょっと予定が狂いましたが、3章は次なるダンジョンに突入です。

どんな世界が待ち受けているのか、過度の期待はしないでお待ちください(笑)

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