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いとこが好き

 親同士がきょうだい。この関係性に名前があることに感心しますね。人類が歴史的にいかに血縁にこだわってきたかがわかります(スケールでかっ)。

 拙作『aiolos(アイオロス)』でもいとこ同士という設定のキャラクターがいますが、思えばこのいとこという設定は昔からよく好んで使っていました。主にこの萌えが発揮されるのはファンタジーか歴史物においてです。


 ファンタジーにおいて。この場合、異性同士でも同性同士でも構いません。

 今までに描いてきた物語では、とある二人のキャラクターが、共通する非現実的な特徴を持つという設定に説得力を持たせるために、このいとこという関係を用いてきました。共通するのは身体的特徴のみならず、超自然的能力も含みます。拙作『aiolos(アイオロス)』に登場するいとこ同士のキャラクターは、どちらも水色の髪で、どちらも魔法の使い手となっています。きょうだいでもよいのですが、それらはそもそも似ているのが当たり前。いとこ同士の場合には血がすこし離れているので、より大きなスケールで受け継がれる特徴であることが表現できます。

 異性同士の場合、現代の日本人の感覚で言えば恋愛関係になれる限界ラインですね。わたしは「ヒロインと同じ超自然的能力を持った」「ヒロインのことをよく知っていて、一方的にヒロインに想いを寄せている」男性キャラクターというのが好きなので、そういった意味でもいとこという設定は便利です。似た者同士であるので惹かれる反面、近親者という嫌悪感もあります。まるで水面に映る自分を愛してしまったような、倒錯した感情を呼び起こします。


 歴史物において。この場合はどちらかといえば同性同士のほうが好きかもしれません。

 必ずしも年齢的な意味で同年代であるとは限らないのですが、一族のなかでは同じ世代であるという血としての対等さがよいです。きょうだいも同じ条件ですが、こちらは上下関係のほうが先に浮き彫りになってしまい、対等とは認識しづらいです。

 仲がよい場合、身内と友だちの中間であるところが肝となります。きょうだいの上下関係や近すぎるゆえの葛藤を回避しつつ、完全に他人である友だちよりは近く馴れ合いたいという願望を叶えてくれます。歴史物の人間関係はなにかとドロドロしやすいですから、いとこくらいは気楽な関係であってほしいものです。

 また、彼らの存在はきょうだいたちがそれぞれ結婚して広がっていった結果であり、そのいとこたちがそれぞれ結婚すればまたさらに家系図が横に広がっていくわけですから、壮大な一族の血の歴史と広がりを感じさせます。わたしは特に親族との付き合いが少ない家で育ったので、そのような血縁の広がりに憧れがあります。実際にはうんざりするでしょうけどね。

 気楽であってほしいと書いたものの、王族では継承権絡みで複雑なことになりますね。王になれなかったほうは王になったいとこのことを恨んでいるのか、納得してむしろ彼(彼女)に尽くそうとしているのか。そういった関係性を想像するのも楽しいです。

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