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男性が女性に夢を託して亡くなる展開が好き

 映画『ターミネーター』や『タイタニック』のように、男性が女性に夢を託して、女性を守って亡くなる展開が好きです(ちなみにこのふたつの映画は同じ監督)。

 夢を生命と言い換えれば、未来に命を繋ぐのは女性であるという、生命の理を感じさせます。こんなことを言うのはアレですが、男性が命がけで戦って女性に未来を残すというのは、受精を想像させます。現に『ターミネーター』では子種も残していますし……。

 また、託される夢は「結婚しよう」など恋愛的なことでもいいですが、従来男性が担ってきた役割であるとなおよいです。フェミニズムを感じます。

 例えば『ターミネーター』では、ヒロインは「機械軍と戦おう」という夢を託されます(実際にその役割を担うのは男性であるヒロインの息子ですが)。「戦い」という、従来男性がやってきたことを女性に託されるんです。『タイタニック』では「自由に生きる」という夢を語りますが、あの時代にはそれは男性だけの特権だったでしょう。結局ともに夢を語った男性は亡くなってしまうので、男性的な夢を女性が一人で叶えなければなりません。『タイタニック』では結局ヒロインは男性の庇護を失い、一人で死の窮地から脱し、一人でアメリカに渡り、一人で自由に生きるという夢を叶えます。

 ヒロインに夢を託して亡くなる男性とヒロインの関係は、父親と娘に似ています。生きる術を教えてくれて、先に亡くなってしまうという男性像は、父親にそっくりです。「大丈夫、きみならできる」「きみはぼくのぶんまで生きるんだ」のようなセリフは、胸にぐっとくるものがありますね。それ、まるで老いた父親が娘に言うセリフじゃないですか。

 男性側が「親」すなわち「大人」なわけですから、「男性的な夢」というのは「大人の夢」と言い換えることもできます。よって男性の死後は、親から自立したばかりの、大人の社会に放り出されたばかりの子どものような心細さと切なさを感じます。しかし、だからこそ明るい未来を予感させて感動的なんです。

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