111/143
質素な部屋が好き
二次元に出てくる、机とベッドしかないような質素な部屋が好きです。山小屋などの自然のなかの質素な家も好きですが、それは部屋は質素とはいえ自然が豊かなので、また別ジャンルですね。この場合は寮や修道院など……閉鎖的で禁欲的でウンザリしそうな場所のことです。現実で暮らすのは勘弁ですね。
特に、自分の小説で描くのが好きです。いかにその部屋が質素でつまらないかを描くのにわくわくします。
家具が生きることに直結しているものしかなく、それ以外の要素が排除されているので、ある種の高揚感を覚えるのと共に、禁欲的であることがかえって色っぽいです。ここで食べて、ここで寝て……と、生活者の息づかいを直接感じるからでしょう。
本などの最低限の娯楽がひとつだけあるのもよいです。本当に最低限。まるで、牢屋に入るときにただひとつだけ持ち込んでいいと許可されたもののようです。大事に大事に読んでいそうですね。限られた空間でどんなふうに楽しく過ごすか想像するのもわくわくします。




