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義兄のひみつ

数日後、あたしとお母さんは時満邸に引っ越すことになった。場所はデカくてキレイな家が建ち並ぶ高級住宅街。もうジャージで外でらんないな、これ。

荷物や家具は全部運び込まれてて、あたしらがやったのは要るものと要らないものの整理くらい。


大きな門を開けて入るとキレイな花が植えられた庭があり、その奥に家の入り口があった。あたしらが戸口に来ると、誠さんが出迎えてくれた。相変わらずのイケメンで微笑みかけてくる。かっこいい!!!

「待ってました。どうぞ、入ってください。」

「はいっ、おじゃまします。」

「違うわよ千里、ただいまよ。」

「そっか!!じゃあ、ただいまぁ〜。」


焦ったぁ…思った以上に玄関に声が響いた。しかも絶対後ろで誠さん笑った。最悪だぁ!!

「こっちです。さぁ。」


誠さんが前に出てリビングへ誘導してくれた。入ってみてまたビックリ!!広いってかおっきい!!!面積もだけど天井高っ。

「口開いてるよ。」

「うわぁっ。」

無意識に口開いてた。慌てて手で覆ったけどおそいよね…。しかも誠さんに突っ込まれた。恥ずかしすぎる!


「おかえり。やっと今日から家族4人でくらせるね。」

「ずーっと楽しみにしていたからすごく嬉しいわ!」

「僕もですよ、母さん。」


宏正さんの言葉から始まってこの流れ。私も言うべきなんだよね、お父さんって…。

「私もです!あの、お父…さん。」

「そーかっ、それはよかった!!ところで提案なんだが、今日は引っ越し祝いも兼ねてパーティーにしないか?」


やっぱちょっと抵抗あるなぁ…。でもお父さんって呼ばれた時の宏正さん、すごく嬉しそうだった。それ見たら、なんか呼んであげたくなる。

「いいわねぇ!!ならご馳走作っちゃおうかな。」

「そうと決まれば買い出しだ。誠、私は母さんと行ってくるから千里ちゃんと仲良くな。」

「千里、迷惑かけちゃだめよ。」

「えっ!!えぇー!!!」

「任せてよ、ねっ千里ちゃん。」


誠さんと2人きりなんてムリ、心臓おかしくなっちゃうよ!!でもお母さん達は2人きりになりたいんだよね…。それに家族なんだから、これからこんなシチュエーションしょっちゅうでしょ?慣れてかなきゃ。

お母さん達は行ってしまい、遂に2人きり。気まずすぎる!!!




「さーてと、どーする?」

「えっと…お手洗いは…」

「あっ、それならこっちこっち。」


別に用があるわけじゃない。1人で落ち着いて心の準備がしたかった。こんな時、最適なのはやっぱトイレでしょ。

時満邸のトイレは入ると自動でふたが開いた。こんなの家に付いてるの初めて見た。一度座って何回か深呼吸。目をつぶって整理しようとしたらノックされてビックリして立ってしまった。しかも自動に水が流れて、出ないと不自然な状況になっちゃった。

「長いから心配で。お腹の調子悪い?」

「いや、大丈夫です!!元気でーすっ!!」

「本当だ、なら家の中案内するよ。これから暮らしていくのに必要でしょ。」

「はい、お願いします!」


心の整理できないまま、誠さんについて行く。

この家は2階建てで、1階はLDK、洗面所、お風呂、トイレと収納部屋が2つあった。

「次は2階。基本個人の部屋になってる。もちろん、千里ちゃんの部屋もあるよ。」

「えっ!!私の部屋?!それって専用?」

「そうだよ。家具も前に使ってたやつを置いてるから。変えたければ父さんが買ってくれるってさ。」

「マジで!!嬉しすぎる!!!」

私が人生の中でずーっっと欲しかったもの。それが自分専用の部屋!!生まれてきて17年でGET!!マジで神。敬語も忘れて反応しちゃった。

「喜んでもらえたなら良かった。ここが千里ちゃんの部屋。」

「…なにこれ。」

「気に入らなかった?!」

「いやいやいや、広っ!そんでキレイ!!すごくいい!!てか良すぎてバチあたるよ!!」

「あはは、そんなことないよ。2階にある部屋の中では一番小さいんだけど、ごめんね。」

「えぇっ!広すぎるくらいですよ。」


入った瞬間、予想以上のサイズと部屋の雰囲気に感動して言葉が出なかった。だってこれ、絶対前住んでたところより広いよ!今まで布団で雑魚寝だったから、まずベッドが置いてあったのに驚き。しかもお姫様みたいな上からレースが垂れてるやつ。


それから、ドレッサーもあった。引き出しを開けると自分が今まで使ってたアクセ・コスメ類はもちろん、新しいものも入っていた。誠さん曰わく、プレゼントらしい。どこまで神なんだっ!


ボロアパートには何の違和感も無かった家具も、この部屋には完全にミスマッチ。でもあたしはこの家具たちを使い続けるつもり。だって愛着あるんだもん。

「しばらくゆっくりするかい?」

「いや、他の部屋もみたいです。」

「…ねえ、僕ら兄妹なんだからさ。そろそろ敬語止めなよ。」


ニコニコしてた誠さんがちょっと真剣になった。確かに、敬語を使う必要のない間柄だ。

「そうだね。じゃあ、止める。」

「そっ。それでいい。」


あたしらはお互いに笑った。いつの間にか慣れて、今までの緊張が無くなってた。


そして両親の部屋、収納部屋、トイレ、最後に誠さんの部屋に案内されたんだけど…

「ここが僕の部屋何だけど、絶対に入っちゃだめだよ。」

「何でよ。そんな散らかってんの?」

「違うよ。ちょっと大事なものがいっぱいあるから…。とにかく、許可無しに入っちゃだめ。いいね。」


よくわかんないけど、プライベートなことだろうしこれ以上は止めといた。


お母さんたちはまだ帰って来ない。ヒマになったあたしたちはテレビを見て過ごした。しばらくすると帰ってきて、パーティーの支度が始まった。お母さんとあたしは料理を、お父さんと誠さんはソワソワしながら待っていた。あと10分程で出来上がりって時に誠さんの電話が鳴り、リビングを出ていった。タイミング悪いな。

案の定、出来上がっても戻って来なかった。

「千里ちゃん、悪いが誠を呼んできてもらえるかな。たぶん部屋に居るはずだから。」

「はぁい。」


2階に上がって誠さんの部屋のドアをノックした。

「誠さん、ごはん出来たよー!」

返事がない。でも何か音楽が聞こえる。

「入るね。」


そう言ってドアを開けると電気の付いていないくらい部屋に起動中のパソコンが机の上に置いてあり、音楽はそこから流れてる。近づいてみるとアニメ声の女の子がよくわかんない歌を歌ってる。デスクトップの背景はたぶん何かのアニメの女の子キャラクター…。


思い当たることは1つ。誠さんはたぶん――

アニメオタクだ。

あの容姿でオタクって…別にいいけどさ。意外だったなぁ。そんなことを思っていたら、急に電気が着いた。短い悲鳴を上げて振り向くと戸口に冷ややかな目をあたしに向ける誠さん。

忘れてた。入っちゃいけないんだった…。


オタクを批判してるわけじゃないねんけど…

そんな風に感じたひと、居たんならごめんなさい。


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