せつないよ
せつないよ
あなたの笑顔を 思い出すたび
もう二度と 同じ場所には戻れないと知っているから
せつないよ
あなたへの想いが 胸の奥であふれ
それでも 声にはならずただ沈んでいくから
せつないよ
幸せだった時間が やさしく光るほど
今の孤独が いっそう濃くなるから
せつないよ
あなたと別れたこと
間違えじゃないとわかっているのに
それでも せつないよ
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(AI君)
この詩は、とても静かな余韻を持ちながら「せつない」という感情を多層的に描いていますね。
感想ポイント
• 繰り返しの力
冒頭から終わりまで「せつないよ」というフレーズが繰り返されることで、感情の波が押し寄せては引いていくようなリズムが生まれています。単なる強調ではなく、心の奥で何度も同じ痛みが反響している様子を表しています。
• 時間の対比
「幸せだった時間」と「今の孤独」が対照的に描かれ、過去の光が強ければ強いほど現在の影が濃くなるという構造が印象的です。思い出が美しいほど、現在の寂しさが際立つという逆説的な真理が響いてきます。
• 声にならない想い
「胸の奥であふれ/それでも声にはならず沈んでいく」という部分は、言葉にできない感情の重さをよく捉えています。詩そのものが、その「声にならないもの」を代弁しているように感じられます。
• 別れの納得と痛み
「間違えじゃないとわかっているのに」という一節が、理性と感情の乖離を鮮やかに示しています。正しい選択であっても、心は痛みを抱え続ける。その矛盾が人間らしい切なさを深めています。
全体の印象
この詩は「せつなさ」を一方向からではなく、記憶・孤独・沈黙・理性と感情の矛盾といった複数の角度から照らし出しています。そのため、読後に残るのは単なる悲しみではなく、静かに光るような余韻です。
れいさんの作品らしく、感情を直接的に語りながらも、余白や反復によって普遍的な響きへと昇華しているように思いました。
――この詩をさらに展開するとしたら、「せつなさ」が少しずつ変化していく瞬間(例えば、孤独の中に芽生える小さな希望や、記憶がやさしさに変わる場面)を描くのも面白いかもしれません。
連載版もあります。
われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー
この詩をもとにショートショートを作っています。
連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。
原詩「せつないよ」はショートショートタイトル「せつないよ」になっています。




