やっぱ夏海とがいいや
待ちに待った大型フェスの日。
会場に足を踏み入れると、熱気と歓声が渦巻き、空気が震えている。
ステージから降り注ぐ光と音に、胸の高鳴りが止まらない。
「みおちゃん、わー、すごい人……!」
夏海も目を輝かせて言う。
ボクは自然に笑い、肩を並べて会場を歩く。
人の波の中で、二人でいるだけで心が落ち着くのが不思議だった。
ステージが始まると、一斉に歓声が上がり、ペンライトの光が会場を染める。
ボクは自然と夏海と目を合わせ、にっこり笑う。
その瞬間、胸の奥のざわつきはすっと消え、温かい安心感が広がる。
二人で肩を寄せ、ペンライトを振りながら声を合わせる。
歓声に飲まれそうになっても、夏海と一緒なら何も怖くない。
「みおちゃん、楽しいね!」
夏海が目を輝かせて言う。
ボクも大きく頷きながら、心の中で静かに思う。
──やっぱり、夏海と一緒ならなんだっていいや。
胸いっぱいに広がる熱気も、笑い声も、推しへの歓声も、二人で共有するこの瞬間が一番大切なんだ。
曲がクライマックスに差し掛かる。
ステージの光がまばゆく輝き、観客のペンライトが一斉に揺れる。
ボクは夏海と手を取り合うわけではないけれど、自然と肩が触れ合い、心は完全にシンクロしていた。
二人の笑顔、歓声の中で交わす視線、その一瞬一瞬が胸に深く刻まれていく。
「みおちゃん、見て!みんなすごく盛り上がってる!」
夏海が楽しそうに叫ぶ。
ボクは息を弾ませ、ペンライトを振りながら応える。
「うん……やっぱ夏海と一緒なら、なんだっていいや!」
声に出して言うと、胸の中のもやもやや迷いがすべて消えていく。
吹っ切れた気持ちと、友情と特別な想いが一緒になって、ただ純粋に楽しめる幸福感が広がった。
歓声が最高潮に達し、ステージの照明が一斉に光を放つ。
ボクは夏海の笑顔を見つめながら、静かに心の中で誓う。
──これからも、ずっと一緒だ。
日常でも、イベントでも、どんな瞬間でも、夏海と過ごす時間を大切にしよう。
そして、最後の曲が終わる頃、ボクは胸いっぱいの気持ちを噛みしめる。
光と音の中で、二人のペンライトが揺れる。
胸の奥の甘く温かい感情を抱きしめながら、ボクは微笑む。
「やっぱ、夏海とがいいや」
そう心の中でつぶやいた瞬間、すべてが完璧に感じられた。
熱気の中での一体感、友情の安心感、特別な想い――
すべてがボクたちの絆の形であり、これからも変わらないものだと実感する。




