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同担拒否は、ホントは拒否したくない!  作者: 櫻木サヱ
拒否のルール

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4/13

DMの“はじめまして”

放課後、帰宅してスマホを手に取ると、あかりからDMが届いていた。

 通知音が鳴るたびに、胸の奥がきゅっとなる。


 「昨日は隣で楽しかったです!ボクさんの推し知識、すごくて……またお話したいです」


 ――“ボクさん”って。

 自分の名前をこう呼ばれると、妙に照れてしまう。

 しかも“推し知識、すごい”って……ボクのこと、ちゃんと見てたんだ。


 思わず、画面をじっと見つめる。

 返信する手は震えて、なかなか文字が打てない。

 ボクは深呼吸してから、ようやくタイプした。


 「こちらこそ。楽しかったです。ボク、まだあまり話したことないから……」


 送信ボタンを押すと、すぐにあかりから返事が来た。


 「じゃあ、よかったら今日のラジオ、一緒に聴きませんか?」


 ――一緒に、って……?

 思わず心臓が跳ねた。

 拒否したいのに、同時に“行きたい”って思う。

 ボクのルールは、少しずつ、確実に揺らいでいく。


 


 ボクは窓の外を見た。

 春風がカーテンを揺らす。

 なんでもない日常が、昨日のイベントと、あかりの存在によって色づいて見える。


 「……わかった。聴こう」

 タイプして送信した瞬間、胸の奥がじんわり温かくなった。


 返事がすぐ返ってきた。


 「やった!楽しみ〜」


 その軽やかな文字を見て、ボクは笑った。

 “同担拒否”のはずなのに、あかりと過ごす時間を、心のどこかで楽しみにしている自分がいた。


 


 夜、ラジオを聴きながら二人でコメントを送る。

 同じ番組を同じタイミングで聴いて、同じ感想を言う。

 それだけで、ボクの心は少しずつほどけていく。


 “同担”という壁は、まだそこにある。

 でも、昨日より今日、ボクは気づいていた。


 ――ボクは、この子と話すのが、嫌じゃない。

 むしろ、少し嬉しい。


 胸の奥が、じんわりと温かくなる。

 “同担拒否”のボクが、初めてその気持ちに気づいた瞬間だった。


 


 そして、ボクは心の中で小さく呟いた。


 「……ボク、あかりのこと、もっと知りたいかも」


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