放課後の約束、ふたりだけの時間
放課後。
教室の窓から差し込む夕陽が、教科書のページにオレンジ色の光を落としていた。
ボクは机の上で手を組みながら、心の中で何度も今日の予定を確認する。
“放課後、夏海さんと約束した時間――楽しむ”
ただそれだけなのに、胸がぎゅうっとなる。
授業中も、ノートよりも夏海さんの笑顔を思い浮かべてしまう。
窓の外に風が揺れるたび、心臓が小さく跳ねる。
そして、放課後のチャイムが鳴る。
⸻
教室のドアを開けた瞬間、廊下に立つ夏海さんを見つけた。
少し照れくさそうに、でも満面の笑顔。
「みおちゃん、待った?」
ボクの心臓は一気に加速する。
「いや、ちょうど今出たところ!」
声が思わず弾んでしまった。
⸻
教室を出て、ふたりで近くの公園へ向かう道。
手をつなぐと、昨日のイベント以上にドキドキする。
触れた瞬間に伝わる温度が、胸をぎゅうっと締め付ける。
「ねぇ、今日のこと……ずっと覚えておきたい」
夏海さんの言葉に、ボクは胸の奥が熱くなる。
「うん……ボクも」
夕陽に染まったふたりの影が、ぴったり重なる。
誰もいない道、手をつなぐだけで心臓が破裂しそうだ。
⸻
ベンチに座ると、夏海さんが小さくため息をつく。
「ねぇ、みおちゃん……実は、ちょっと話したいことがあるんだ」
心臓がドキリ。
なにを話すんだろう。
でも怖くない。
だって、夏海さんが隣にいるんだから。
「……ボクも、聞きたい」
素直に答えると、夏海さんの指先がそっとボクの手に触れた。
その瞬間、胸の奥の熱が溢れ出す。
⸻
夏海さんは小さく笑いながら、目をそらす。
「……これからのこと、ちゃんと決めたいなって思って」
「……これからのこと?」
ボクの声は震える。
だけど、胸がいっぱいで、もう言葉じゃなくても伝わる気がした。
「うん、みおちゃんと一緒に……」
その言葉を聞いた瞬間、ボクは心の中で小さくガッツポーズをした。
“ふたりだけの時間”が、まだまだ続く――
そう思っただけで、胸がぎゅんと跳ねる。




