夜空の下で、初めての告白
夜。
街の灯りがまばらに瞬く帰り道。
夏海さんとボクは、まだ手をつないだまま歩いていた。
今日一日、推しイベントでの笑顔、声、笑い声……
すべてが、頭の中でぐるぐる渦巻いている。
胸が痛いくらい、幸せで。
でも、どうしようもなく、ドキドキしている。
⸻
公園の前で、夏海さんがふと立ち止まった。
街灯に照らされた顔は、少し赤くて、でもすごく穏やかで。
「ねぇ、みおちゃん」
耳元でささやく声に、ボクの心臓は一瞬止まった。
「……うん?」
声が小さく震える。
夏海さんは深呼吸をして、少し恥ずかしそうに笑った。
「ずっと、伝えたかったことがあるんだ」
心臓がバクバク鳴る。
胸が締め付けられる。
手のひらに汗が滲むのを感じながら、ボクはただ見つめるしかできない。
⸻
「みおちゃんのこと……」
夏海さんの手がぎゅっとボクの手を握る。
「……好きです」
その一言。
短くて、でも全部を包む言葉。
言葉を聞いた瞬間、
胸の奥の熱が一気に溢れ出す。
涙がこぼれそうになって、でも笑顔になる。
「……ボクも……好きです、夏海さん!」
思わず叫びそうになったけど、声は震えるだけ。
でも、手を握り返すことで、全部伝わる気がした。
⸻
夏海さんが、そっとボクの頬に触れる。
その温もりに、全身がじんわり溶けていく。
「よかった……」
小さく、でも確かに聞こえる声に、ボクは胸いっぱいになった。
「ずっと一緒に、推し活も、ラジオも……全部、一緒に楽しもうね」
夏海さんの笑顔が、夜空よりも輝いて見える。
ボクは頷き、声にならないけど大きな気持ちで答えた。
「うん……ずっと、一緒に」
⸻
そのまま二人、夜空を見上げる。
星が瞬くたびに、心臓も一緒に跳ねるみたいだ。
手をつないだ感触、胸の高鳴り、初めての告白――
すべてが一生忘れられない夜になった。




