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悪役一家の末っ子に転生した俺、家族を守る為に破滅フラグをぶっ壊す  作者: おとら@9シリーズ商業化


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悪役一家の末っ子に転生したけど破滅フラグを壊してみせる

 それからすぐに、治療が行われることに。


 家族で見守る中、マーリンさんが呪文を唱える。


「聖なる光よ、かの者を巣食う悪しきモノを取り除け——アンチトード」


「うっ……」


「原因はわからないけど、魔力を最大限に高めたからこれで平気なはず」


「……苦しいのがなくなったわ」


 なるほど、この世界は医学が進歩してないから割と力づくって感じか。

解毒魔法だけど、要は身体の悪いところを取り除いたってことだ。

 何にせよ、母上が助かったならいい。

 それを理解するのが少し遅れ……俺達は顔を見合わせて喜びを爆発させる。


「やったぁ!」


「ははっ! やったな!」


「やったぜ!」


「やったわ!」


 みんなで抱き合って母上の無事を祝う。


「心配かけてごめんなさい。それとマーリン様、ありがとうございます」


「気にしなくていいわ。対価はきちんともらってるし……お礼なら、その子に言うといいかと。まさか、私が驚くことがあるなんて」


「セリス……ありがとう。それに、みんなもありがとう」


「えへへ……母上が元気になったら良いんだ」


 俺の言葉に皆が頷く。

 やっぱり、俺達には母上が必要だ。

 すると、父上が恐る恐るマーリンさんに問いかける。


「あの、マーリン様……それで、妻は……」


「ええ、もう大丈夫です。かなりの魔力を持っていかれましたが、その甲斐もあって完全に治したと言っていいでしょう」


「っ……! 改めまして、ありがとうございました!」


「「「ありがとうございました!!!」」」


 ……良かった……これで母上の《《病気は》》平気だ。


 正直言って、これで破滅を防げたかはわからない。


 病気以外のことや、他の家族に何か災いが降りかかるかもしれない。


 だけど……俺が必ず防いでみせる。


 いるはずのない俺というイレギュラーで、大事な家族の破滅フラグをぶっ壊してやるんだ。


 ◇


 ……目を覚ますと、外はすっかり暗くなっていた。


 すると、横の椅子に座るアレクが起き上がる。


「むっ、目が覚めたか」


「アラン、残ってくれてたの?」


「ああ、もちろんさ」


 私は大事をとって、今日は教会に寝泊まりすることになった。

 万が一何かあっても、マーリン様が対処してくれるように。

 アフターケアの一環で、その場合は無料でいいとか。


「私は帰ってもいいって言ったのに」


「そんなことしたら子供達に怒られてしまう。この看病だって取り合いだったんだぞ?」


「ふふ、そうだったのね」


「全く、皆が母親好きで大変だ」


 皆に心配かけてしまったけど、不謹慎だけど少し嬉しい。

 皆は優しく育ってくれて、私は幸せ者だわ。

 そういえば……夢を見た。

 今になって、その夢が鮮明に浮かぶ。。


「……怖い夢を見たわ」


「ん? どんな夢だ?」


「そこにはセリスがいなくて、私は今と似たような状況になるの。それで、死んじゃって……アランは酒に溺れたり、キュアンとナンナは喧嘩別れしたり。最後には、みんなが死んでしまうの」


 それは何だか、とてもリアルな夢だった。

 まるで、現実に起こったかと錯覚するほどに。


「それは……もしセリスがいなく、君までいなかったら……可能性は否定できない」


「もう、しっかりして」


「すまない……だが、それはもしかしたら現実に起こり得た未来なのしれないな。前も少し話したが、セリスは不思議な子だ」


「ええ、そうね。氷魔法もそうだけど、私達が知らないような知識を沢山知ってるわ」


 無論、それを突っ込むようなことはしなかった。

 そもそも、無事に生まれるはずのないと言われた子。

 ただ元気に育ってくれて、それだけで嬉しかったから。


「うむ……やはり、神様が寄越した子なのかもしれない。なにか、特別な使命や力を授かっているか」


「そうね。でも、関係ないわ。あの子は、私達の可愛い子でしょ?」


「違いない。もしあの子に何かあるというなら、どんな相手だろうが俺が守り抜く」


「ふふ、それでこそ私が惚れた殿方。もちろん、私も手伝うわ」


 あの子は私……いえ、私達家族を救ってくれた。


 何より、大事な息子だもの。


 何があろうとも、あの子の味方でいること……それが母親ってものよね。







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