それぞれの役目
教会を出たら、三人で顔を見合わせる。
考えてることは同じで、これから何をどうするか。
「ホルン、さっきお金がどうとか言ってなかったか?」
「はい……実はこうなることを見越して密かにお金を貯めていたのです。遠出をして、冒険者ギルドに素材を売ったりして」
「お前、休みの日にそんなことまで……すまん、俺が至らない男ばかりに」
「それでも奥様が選んだお方ですから。私は拾われた恩を返しているだけです」
……ふむふむ、何やら過去にあったみたい。
でも、今はそれどころじゃない。
「そうか。それで、治療費は足りるか?」
「いえ、相場からいって厳しいかと。後もう一声あると助かります。今から、残りの物も換金して受け取ってまいります」
「わかった。それじゃ、残りは俺がどうにかしよう。しかし、問題は何か驚くモノか」
「ちちうえ! 僕の氷魔法に任せて!」
「しかし、氷魔法を使えると知れ渡ったら……子供のお前にはわからないかもしれないが、お前に危険が及ぶかもしれない」
父上は言い淀んているが、言いたいことは何となくわかる。
希少性が高い魔法を使えると知ったら、危ない連中に目をつけられるのだろう。
でも、それで家族を救えるならどうでもいい。
「わかってるよ! でも、母上の方が大事!」
「お前に何かあったら、それこそセシルに会わせる顔が……いや、ならば俺達がセリスを守ればいい」
「ええ、私も微力ながらお手伝いします」
「よし、決まりだ。しかし、セリスを一人で行動させるのは……」
その時、兄さんと姉さんが駆けつけてくる。
「街の人に聞いたぜ! 母上は!?」
「どうなってるのか教えて」
「二人とも、良いタイミングだ。セリス、説明できるな?」
「うん! 任せて!」
俺をその場に残し、ホルンと父上が別々に駆け出す。
それを見送り、俺は二人に説明した。
そして、とあるお願いも……父上達には内緒で。
「なに? いや、でも……」
「それでお母様が助けられるのね?」
「多分……アレも用意するけど、インパクトが欲しい」
あの人は何か驚く《《モノ》》と言った。
だから形には拘らなくていいはず。
姉さんと兄さんは顔を見合わせ……頷く。
「オレが守ればいい話か」
「ふふ、鍛錬の成果を見せる時じゃない。キュアン、今回ばかりは協力するわよ?」
「ちっ、仕方ねえな。セリス、ただし手前までだ。それ以上は絶対に行かない……いいな?」
「うん! 二人共ありがとう!」
二人の許可を得て、俺達も急いで行動を開始する。
目的は果樹園にある果実と……森にいる魔物を見つけることだ。




