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悪役一家の末っ子に転生した俺、家族を守る為に破滅フラグをぶっ壊す  作者: おとら@9シリーズ商業化


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破滅の足音

 お出かけから数日経ち、今のところ問題はなさそう。


 冷蔵庫の普及も徐々に行き渡ったり、氷の魔石も数が増えてきた。


 ちなみに、今は領主からの贈り物として住民に配っている形だ。


 値段はつけてないけど、俺の氷魔法にドワーフ製というだけでかなりの値段とか。


 裕福ではない人は、とてもじゃないが買えないらしい。


「でも、それだとモーリスさんに負担ばっかりかけちゃうよ? 僕はまだ、魔法を込めるだけで良いし。それに領主一族だけど、モーリスさんは領民でもあるわけだよね」


「むむっ、確かに報酬の話はしてないな。だが、奴は何も言わんし……」


「ちちうえ! 親しき仲にも礼儀ありですよ!」


 前世を生きてたからよくわかる。

 《《言わないからといって、何も思っていないわけじゃないことを》》。

 そういう人は知らず知らずのに不満を溜めたり、ある日突然いなくなったりするんだ。


「貴方、セリスの言う通りだわ。そもそも、モーリスは私達のために領地に来てくれたんだから」


「いや、それはわかってはいる……そうは言ってもなぁ、あいつが欲しがるものなど食い物か酒くらいだ。とりあえず、冷蔵庫で冷やしたエールは気に入っていたが」


 そう、ドワーフさんは酒好き。

 冷えたエールを大層気に入ってくれた。

 俺がもう少し大きくなったら、ラガーとか作ってみても良いかも。


「でも、それはセリスの手柄じゃない。友として領主として、貴方が誠意を見せないとダメだわ。ただ、お礼を言うだけでも良いのよ」


「しかし、それは……照れ臭いのだ」


「まったく、男の人ってこれだから。でもダメ、今すぐに伝えること……いいわね?」


「う、うむ……しかし、仕事が」


「だから、モーリスにお礼を言うのも仕事のうちって言ってるのよ」


 ……ここにも破滅理由がありそう。

 母上が死んだ場合、父上は絶対に礼とかしなさそう。

 やっぱり、母上がいないと家族はダメっぽい。

 前世でも、やっぱり母の存在は大きいって言われてた。


「それじゃ、早速行こう!」


「仕方ない。さて、キュアンとナンナは兵士達と合同訓練中か」


「私は二人がお昼に帰ってくるから、ご飯を作って待ってるわ」


「では、セリスと二人で行くとするか」


「わぁーい! ちちうえとお出かけ!」


「ふふ、いってらっしゃ……うっ」


 俺達が部屋を出て行く直前、突然母上が蹲ってしまう。


「ははうえ!?」


「セシル!?」


「だ、大丈夫よ、少し……ゴホッゴホッ!」


 母上の口から血が流れる。

 どう見ても、いつもの具合が悪い感じじゃない。

 すると、ホルンが慌ててリビングに入ってくる。


「奥様!?」


「ホルン! セシルを今すぐに教会へ!」


「……ええ、お任せください」


「俺もすぐに向かう!」


 ホルンが母上を優しく抱き抱え、そのまま玄関へ行く。


「ち、ちちうえ……」


「大丈夫だ、教会に行けば司祭様が多少だが回復魔法を使える。俺もお金を持って教会に行く。お前はここで……」


「僕も行きます!」


「……置いて行く方が心配か。分かった、ついてこい」


 自分に何が出来るかはわからない。


 でも、ここでじっとしてなんかいられない。


 用意ができたら俺は父上と共に馬に乗り、教会へと急ぐのだった。






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