ドワーフ
さて、多少の氷魔法が使えるようになったセリス君。
そうなると、まずは最優先事項があります。
今日は久々に母上も調子が良く、父上とお茶をしていた。
「僕、ドワーフさんに会いたいです!」
「古い知り合いだし紹介はしておくべきか……しかし、子供に会わせて良いものか」
そう言い、父上は天を仰ぐ。
なんだろ? 気難しい人なのかな?
そういえばゲームの中にもドワーフいた。
確か頑固者だけど、実は可愛い物が好きで酒好きだったっけ。
「セリスなら、あの人も気にいるんじゃない?」
「ふむ……気難しい奴だが、セリスは年の割にしっかりしているしな」
「そうよ。それに今日は体調も良いし、私も久々に会いたいわ」
「では、三人で出かけるとしようか」
「ははうえも!? やったぁ! お出かけお出かけ!」
「ふふ、そんなに喜んじゃって」
それはそうだ、何せ母上と出かけるのは初めてだったりする。
兄さんと姉さんも誘ったが、今回は僕一人で行きなさいって……気を遣われたかな。
有り難く思い、俺は二人に挟まれながら田圃道を歩いていく。
「フンフフーン」
「ご機嫌だな?」
「うん!」
「ごめんなさいね、私が体調を崩してるばかりに……」
「ううん! 生きてさえいてくれたら良いもん!」
死んだら、もうどうにも出来ない。
後悔ばかりが浮かんできても、それを解決する方法がない。
でも生きてさえいれば、まだどうにか出来るかもしれない。
「セリスの言う通りさ、君が生きているだけで十分だ。無論、元気であるに越したことはないが」
「……ふふ、ありがとう。よーし、お母さんも頑張って生きないと。こんなに可愛い子供達とカッコいい旦那さんを置いていくわけにいかないもの」
「そうそう! 大丈夫、きっと元気になるから!」
もう、後悔はしたくない。
母上の死亡フラグも、家族の破滅フラグもぶっ壊して見せる。
そうして歩き続け、ポツンと建つ平屋にたどり着く。
「モーリス! いるか!?」
「うるさいわい!」
すると、建物から如何にもなドワーフの男性が現れた。
量の多い髪に髭もじゃもじゃ、身長は150センチ程度。
それに対して、逞しい肉体に厳つい顔をしている。
その時——俺の頭に電撃が走った。
「おっ、いたか。だって、お前ってば鍛治に夢中になるとなにも聞こえなくなるし」
「ふんっ、放っておけ。なんじゃ、セシルも一緒じゃったか……うむ、よかったわい」
「ふふ、久しぶりね。ごめんなさい、貴方にも心配かけたわ」
「ふんっ、別に心配などしとらん」
そうだ、モーリス。
それはゲームでみた覚えがある。
彼は……《《反乱軍に力を貸す男だ》》。




