経験値
何にも役に立たないかと思ったけど、貢献できて良かった。
すると、父上が慌てて駆けてくる。
しまった……勝手にやって怒ってるかな?
「セリス!」
「ご、ごめんなさい!」
「別に怒っては……いや、勝手に行動するのは良くないことだ」
「はい……」
「ただあの場面では、判断を待っていたら間に合わなかっただろう」
怖くて目を瞑っていると、頭に大きな手が触れる。
ふと目を開けると、そこには微笑む父上がいた。
「良くやった。あれを逃していたら、もしかしたら民が犠牲になっていたかもしれない。それこそ、女性などが捕まったら大変だ」
「そうよセリス、見事だったわ」
「僕、役に立った?」
「ああ、流石は俺と母さんの子だ」
「そして私の弟ね」
「……えへへ」
その言葉が何よりも嬉しい。
前世界では、満足にできなかった親孝行だから。
すると、兄さんが魔石を持って戻ってくる。
「キュアンも、良く反応したな」
「まあ、こっちの弟も褒めておくわ」
「セリスが何をするかわかったからな……セリス、ほれ」
「にいさん?」
「ハイタッチだよ」
「……うん!」
そうして、ハイタッチを交わすのだった。
その帰り道はみんなも疲れていると思ったので、出来るだけ自分で歩くことにする。
そこで俺は、とあることに気づく。
「あれ? ……あんまり疲れない?」
「セリス、大丈夫? 抱っこする?」
「平気! むしろ……疲れてない」
「行きも歩いたし帰りは抱っこかと思ったけど……あっ」
「ねえさん?」
「ちょっと待ってね、お父様を連れてくるわ」
うーん、めちゃくちゃ体が軽いんだよね。
兄さんに預けられ待っていると、先頭にいた父上がやってくる。
「セリス、話は聞いたぞ。おそらくだが……経験値が入ったのかと思う」
「経験値?」
「オークを倒してはいないが、お前の魔法によって転んだだろう? 間接的に倒したと認定されたのかもしれない」
「……倒さなくても経験値が入るの?」
「細かい原理はわからないが、戦闘に参加した者にも入るのは立証されている。無論、貢献度が高い方に経験値が多く入ることも」
なんか、如何にもゲームっぽいや……細かいところがわからないところとか。
昔のレトロゲームは、そういう細かい原理は気にしなかったし。
「それじゃ、あのやり方なら参加しても良い?」
「……我々がいるときには許可しよう」
「わぁーい! やったぁ!」
これで、僕も役に立てるぞ!
多分、魔力も増えたし……何から始めようかなっ。




