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悪役一家の末っ子に転生した俺、家族を守る為に破滅フラグをぶっ壊す  作者: おとら@9シリーズ商業化


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魔獣

その後も順調に森を進んでいく。


そんな中、大きな猪が現れた。


おそらく体長は二メートルくらい、口元には大きな牙もある。


「なにあれ!?」


「あれはブルスカよ。良かった、獲物が見つかったみたい」


「……数が少ないんですか?」


「ううん、そんなことはないわ。むしろ、ブルスカは多い方よ。ただ魔物とかが魔獣を殺してしまうから、生きてる状態で会えるのは運がいいの」


ということはどちらしろ魔物は倒すべき相手ってことだ。

だから、こうして定期的に守りに入って討伐してるのか。


「あれ? 魔獣は倒しても強くならない?」


「ええ、そうよ。でも作物を荒らすし、食糧になるから必要ね」


「それじゃ森に入ってるのは魔物を倒して人々や魔獣を守るためと、魔獣そのものを倒す目的があるってこと?」


「あら! 賢いわ!」


「んぎゅ……」


姉さんが成長期に入ったから、少し柔らかいのが気まずいです。

……そうだ、思い出した。

ゲームでは森も放置して、魔物や魔獣による被害が凄かったんだ。

となると、これは破滅回避にも必要ってことだね。

すると、ブルスカが父上に向かって突進する。


「ブルルッ!」


「ガルムでは情けないところを見せてしまったが——せぁ!」


カウンター気味に、父上が背中にある剣を振り下ろす!

すると、ブルスカの額が割れて地に伏せる。

そして父上が得意げに俺たちの方にやってきた。


「わぁ……ちちうえかっこいい!」


「ははっ! そうだろ!」


「わわっ!?」


破顔した父上に、思い切り頭を撫でられる。

この大きな手は、遠い記憶を思い出させた。

それと同時に、今世の自分が大好きな家族を守る手だ。


「もう、お父様ったら。セリスに良いところ見せれたからって子供みたい」


「まあ、そういうな。ますます、セシルに似てきたか」


「ぐぬぬ……オレもやる!」


「アンタはまだ無理よ。そして、こっちはお父様に似ちゃったわ」


みんな良いな、俺も見てるばかりじゃなくて何かやってみたい。

当然、そんなことは許されるわけがなく、そのまま見てるだけで終わっていく。

そしてこの世界にはアイテムボックスはないので、狩られた魔獣は空いてる手の者が村へと引っ張っていった。

数も減っていき、俺達と少数の兵士のみとなる。


「二頭も取れれば上等だな」


「それじゃ、もう帰るの?」


「ああ、量があっても食べきれなくては意味がない……むっ?」


その時、森の奥から何かが出てくる。

それは豚の顔に、けむくじゃらな体毛に包まれた人型の生き物だった。

その生き物は、興奮したようにこっちをみていた。


「ブヒッ!」


「オークか。セリス、覚えておけ。魔物全般に言えるが、特にオークを見つけたら何があっても逃すなと」


「どうしてですか?」


「簡単な話だ、オークとは……」


その時、隣から恐ろしいオーラを感じたる。

ふと横を見ると、微笑んでいるのに怖い顔に見える姉さんがいた。


「ふふ……オーク、燃やし尽くす……女の敵」


「ね、ねえさん?」


「お前には難しくてわからないだろうが、オークは人類の女性を捕まえて辱めるのが好みなのだ。そして魔物では唯一、逃げることを考えるのだ」


そうか……あの視線は、俺ではなくて姉さんを見ていたのか。

うん、如何にもオークっぽい設定だ。


「ブヒッ!」


「き、きたよ!?」


「ふふふ、安心しなさい。放て火の矢——フレイムアロー!」


「ブモォォ!?」


火の矢が放たれ、オークの顔に直撃する。

顔が燃えて、苦しそうに地面を転がっていた。


「トドメだっ!」


「ブガァ……」


父上が剣を振り下ろし、魔石になる。

その時、視界の端にもう一匹がいるのが見えた。

そして、慌てて森の中に逃げ出そうとする。


「あっ! あそこに一体いるよ!」


「くっ、ここからでは間に合わんか!?」


「森が近すぎて、魔法が撃てないわ!」


父上からは距離があり、姉さんは魔法が撃てない。

一番近いのは、俺と兄さんの二人。


「兄さん! 隙を作るよ!」


「……おう!」


イメージはあの時と同じ。

無我夢中だったけど、今度は意識的に。

そして素早く放つため、姉さんのように。


「——アイスバーン」


「ブヒッ!?」


「よくやった——うらぁ!」


俺の氷に滑り、隙だらけの腹を見せる。


そして、兄さんの槍がその腹を貫くのだった。




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