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悪役一家の末っ子に転生した俺、家族を守る為に破滅フラグをぶっ壊す  作者: おとら@9シリーズ商業化


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初めての魔物

それから数日後、父上が恒例で行なっている狩りの日がやってくる。


うちは固有してる兵士などは少ないので、普通の村人なんかも参加するようだ。


そして俺は事前に聞かされた内容を知り、改めてゲームの世界だと認識するのだった。


「そっか、どうして村人が参加するのかなって思ってたけど……魔物を倒すと、《《強くなるんだ》》」


「そうだぜ。だからオレも、割とすぐにゴブリン退治くらいはさせてもらえたしな」


「流石にセリスみたいな三歳はいないけど、騎士の家系だと五歳くらいから始めたりするらしいわ」


「そうなんですね」


レベルやステータスはないけど、魔物を倒したら強くなる。

それも、オレが見ていたゲームと設定が一緒だ。


「ただし、強くなるのも限界値が存在するわ。誰でも鍛えればゴブリンくらいなら倒せるようになるけど、強い魔物を倒せるような人は少ないのよ。その中でも強くなれる者が戦いを生業にしたり、冒険者になったりするわ」


「生まれ持った才能みたいなことですか?」


「そういうこと、流石はセリスだわ。ちなみに強くなるっていうのは、魔力総量が上がったり身体能力が上がることを指すの」


「あれ? じゃあ、僕も魔物を倒せば強くなれる?」


「ええ。でも貴方の魔法では、まだ魔物を倒せる威力はないもの。いくら、ゴブリンと言えどもね」


今の俺は、ただの氷しか生み出せない。

でも、やり方次第ではいけるかな。

その後、編成を終えた父上と兄さんがやってくる。


「ナンナ、セリスを見てくれてありがとな。キュアン、お前の仕事はわかったな?」


「ああ、オレがセリスを守る」


「良い顔をしおって……やはり、守るべき者の存在は大きいか。ナンナも、よろしく頼む」


「任せて、近づく奴は燃やすわ」


「よ、よろしくお願いします!」


すると、三人が笑顔で頷く。

折角連れてきてもらったから、せめて足手纏いにはならないようにしないと。

そして森を進むこと数分で、そいつらは現れた。


「ギギッ!」


「ギャー!」


「うわっ!?」


その姿に、思わず姉さんの後ろに隠れてしまう。

全身緑色の身体に、落ち窪んだ醜い顔。

身長は兄さんくらいなのに、それよりも大きく見える。

やっぱり、ゲームとは違って怖いや。


「あら、セリスってば。ガルムは平気なのにゴブリンは怖いのね?」


「だ、だって、なんか怖い顔してる。それに、あの時は夢中だったから」


「震えちゃって可愛い。でも、年相応で安心したわ。ほら、キュアンが頑張ってるから見てあげなさい」


俺は恐る恐る、ナンナ姉さんの後ろから覗き込む。

父上が指揮する兵士達が中心となり、次々と魔物を倒していく。

その後ろには、槍を構えてゴブリンと戦う兄さんがいた。


「ウラァ!」


「キギ!?」


「はっ! こんなもんよ!」


槍の突きによって、ゴブリンの喉が貫かれた。

そして、小さな石ころになる……あれが魔石ってことだ。

怖いけど、グロくないのは助かるや。


「あらら、セリスが見てるからって張り切っちゃって」


「う、うるせえし!」


「馬鹿! 前を見なさいよ——ファイアーボール!」


「ギャャ!?」


兄さんに襲いかかろうとしたゴブリンに、火の玉が直撃して魔石となる。

それはとても軌道も丁寧で、ゴブリンだけに当たった。


「ねえさんすごい! しかも無詠唱!?」


「あいつばかりにいい格好はさせないわ。私もあれから鍛錬を重ねて、魔法のコントロールを覚えたのよ。一応、お母様からは合格点をもらったし」


「オレだって父上から合格点もらったし!」


「今ので失点かもしれないわよ?」


「ぐぬぬ……これから挽回だ!」


そう言い、兄さんが槍を構えて特攻する。


姉さんも負けじと最小限の火魔法を使って、ゴブリンを倒していく。


それを見ていると、俺も何かしたいと思うのだった。

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