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Hな谷川さんの日常3

Hな谷川さんはピュアな変態さん。彼が町を歩くとラッキーHが付いてくる。仕事先で、ホームセンターで買い物の時に、はたまた髪を切りに来ただけなのに、ついムフフなことが起きてしまう。

あまりにもピュアなために時には痛い目に遭うこともあるけど、どこか憎めない男のちょっとHな話し。

 Hな谷川さんの髪質はちょっとクセ毛。長くなってくると、毛先がクルクルっと巻き上がってしまいます。キレイに揃ってくれれば、中世の貴族のようで、それはそれで格好良いと言えなくもないのですが、残念なことに、高さ、幅ともにてんでバラバラ。貴族どころか、ホームレスにしか見えないくらい始末に負えなくなるのです。

 そこで、Hな谷川さんは月に一度必ず理髪店に行きます。そして、今日はその理髪店に行く月に一度の日でした。

 理髪店は、Hな谷川さんの家から車で、5分くらいの所にあります。何故今日理髪店に行くことにしたかと言うと、珍しくお客さんからの注文も修理もなかったからです。

 理髪店に入り、挨拶します。

「よお!儲かってる?」

「ボチボチかな。って、Hな谷川じゃないか」

 お客さんの髪を整えていたご主人は、鏡越しにHな谷川さんを見て言いました。このご主人もHな谷川さんの高校の同級生で、高校時代は共にエロっぽい話で盛り上がった仲で、よく一緒にエロっぽい所へ出かけたり、情報を共有したりしてました。ご主人の名前は、赤井さんと言います。バーバー赤井がこの店の名前です。

「だいぶホームレスっぽくなってきたじゃねえか。この間通りでお前を見掛けたんだけど、そろそろ来る頃かなって思ってたんだよ」

 赤井さん、喋りながらもハサミを持つ手がブレません。

「そうなんだよ。この髪がさ、ちょっと鬱陶しくなってきてさ」

 Hな谷川さん、クルクルっと女子みたいに指に自分の髪を巻き付けながら言いました。

「そうか、それならいっその事、丸刈りにすっか?ギヒヒヒヒヒ」

「いや、止めとく」

 それから赤井さんは整髪に集中し、Hな谷川さんも待合の席で雑誌を物色していました。暫くして、

「待たせたな、Hな谷川」

 そう言って赤井さんは、Hな谷川さんにおいでおいでをし、席に着かせました。赤井さんは、のそーっと席に座るHな谷川さんに白い散髪ケープをかけ、首の後ろでキュッと締めました。

「苦しくないか?って、お前首太いなあ。こんなに太かったっけか?先月より確実に太くなってるよな」

「んー、どうかな。ここんとこ忙しかったからなあ。忙しくなってくるとストレス溜まるじゃん、そうするとついつい食べ過ぎちゃうんだよ」

「気を付けた方がいいぞ。オレもお前もそろそろそう言う年頃だからさ」

 赤井さんはスプレーボトルを取ると、シュッシュッとHな谷川さんの頭に水を掛けました。Hな谷川さんの髪の毛がペタアと頭皮に張り付き、まるで河童のようになりました。

「今日はどのくらい詰めとく?」

「んー、そうだな、初期の頃のビートルズみたいな髪型かな」

「うん分かった。キノコ野郎にすればいいんだな。巨大キノコ男出現ってな感じでいいんだな」

 ちょっと解せないHな谷川さんでしたが、赤井さんに任せて進行を見守ることにしました。カットが終わり、洗髪になりました。

「じゃ、Hな谷川、ちょっと頭を前に出して」

 Hな谷川さんがちょっと前に出て頭を洗面台に突き出し、シャワーをかけ始めた時、赤井さんのスマホにピピピッと着信が入りました。

「おっと、急用だ。すまん。他の者に代わってもらうから、ちょっと待っててくれ」

 赤井さんは、スマホの画面を見ながら、そのまま奥へ入っていきました。Hな谷川さんは、目も開けられない、頭も上げられない状態でしたが、入れ替わりに交代の人がやってきたのを感じました。

 Hな谷川さんの住む町には、理髪店は赤井さんの店だけです。でも、その隣には美容室スカーレットがあります。そこは、赤井さんの奥さんが経営する美容室です。赤井さんの店が忙しい時は、そちらから応援が来て手伝ってくれます。因みに、赤井さんの奥さんはとてもグラマラスで、町でも評判の美人です。

 じっと洗面台に頭を突っ込んだ姿勢で待っていたHな谷川さんに、高くて柔らかい声が響いてきました。

「お待たせしました。では、シャンプーしていきますね。痒い所があったら言ってくださいね」

 そう言うと、ゴシゴシと指を立てて、力強いシャンプーが始まりました。これには、ただ髪や頭皮を洗うだけでなく、マッサージの効果もあるようです。Hな谷川さん、あまりの気持ちよさにウットリしてしまい、

『んーーーーー、い、い、いやらしいーーーーーー』

 と何故かヘンなスイッチが入ってしまいました。さらにヘンなスイッチに追い打ちをかけるかのように、Hな谷川さんの肩に柔らかいものが二つ、ジワーっと当たってきたのです。

『こ、こ、これは、もしかして、オッパイ? オッパイ当たってんの?????』

 シャンプーのせいで目を開けられないHな谷川さんの妄想力がパワーアップしていきます。

『ヤ、ヤ、ヤバい。こっちも気持ちいいいいいいい。んーーー、いやらしいーーー』

 Hな谷川さんの股間も膨らんでいきます。何度目かのシャンプーと肩へのタッチがあった頃、電話を終えた赤井さんが戻ってきました。

「やあ、すまん、すまん。理髪組合から至急の連絡だったもんで。電話してみたら大した用件じゃなかった。じゃ、ここからはオレがやるよ。サンキューな」

「はあい」

 柔らかく高い声の主が奥へ戻っていくのが分かりました。Hな谷川さんはがっかりしましたが、赤井さんのマッサージを受けて、また気持ちよくなってきました。

 洗髪が終わり、頭を上げ、鏡を見ると、そこには河童がいました。赤井さんがドライヤーで、髪を乾かしていくと、河童からキノコに変わったHな谷川さんがいました。

 赤井さんが奥から熱々のタオルを取り出し、パンパンと荒熱を取ってHな谷川さんの後頭部の辺りにそのタオルを掛けました。ジンワリとした温かさに、Hな谷川さんは至福の時を覚えます。

「うーん、気持ちいい」

 口に出ていることにも気づいていません。首元が温まった頃合いを見て、赤井さんがシャボンを用意し、Hな谷川さんの首元に塗っていきます。ヒャア、くすぐったいと思いますが、やっぱり気持ちいい。そして、ジョリジョリとカミソリが入っていきます。時々ピリッとしますが、痛痒さも気持ちよさに変換されます。

 首元が剃り終わり、赤井さんは残ったシャボンをタオルで拭き取り、Hな谷川さんのイスを倒しました。そして、新しいタオルを取り出してまたパンパンと荒熱を取り、Hな谷川さんの顔に掛けました。

「うおー、これも気持ちいいーーーーーー」

 Hな谷川さんが快感に浸っていると、赤井さんのスマホがまた鳴りました。

「すまん、Hな谷川」

 そう言ってまた奥へと引っ込む赤井さん。するとまた奥から誰かが来たようです。

「お待たせしましたあ」

 先ほどの柔らかい声の主です。奥さんなのでしょうか。Hな谷川さんの妄想力がまたムクムクと音を立てて沸き上がってきました。

『う、う、う、いやらしいーーーーーーーー』

 その人は、Hな谷川さんの肩をマッサージし始めました。肩に触れられてHな谷川さんは一瞬ビクッとしましたが、妄想のスイッチが入いりました。

「痛かったですか?」

「いえ、大丈夫です」

 Hな谷川さんは平静を装います。さらにマッサージは続きます。肩から首へ、そして何故か下半身の方へ。

『あ、そ、そ、そこは・・・・・・・・・』

 Hな谷川さんの股間が最高潮に膨れ上がりました。

『あ、あ、あ、いやらしいいいいいいいいいい』

 とその時、顔に掛けられていたタオルが取り除かれました。

「Hな谷川、度々すまん」

 そこには、いつの間にか戻ってきた赤井さんがいました。そしてその後ろには、Hな谷川さんを一回り以上大きくて若い男がもじもじしながら立っていました。

「ああ、コイツな、さっきもちょっと手伝ってもらったんだが、理容組合に頼まれて研修に来た石永って言うんだ」

 紹介された男は、

「ど、どうも、石永です」

 と名乗りました。

「ん?」

 さっきの柔らかい声?Hな谷川さんの心の声に答えて、

「さっきは、痛くなかったですか?」

 と石永さんが訊きました。

『やっぱりい!ええええええええええええ』

 がっかりするHな谷川さんは、股間も萎えてしまいました。そこからは、赤井さんが手際よく整髪を進めます。後ろでは、石永が興味深げにじいっと見ています。

 キノコになりきったHな谷川さんが完成しました。料金を払い、礼を言って店の外へ出たHな谷川さんの首元がスースーして気持ちいいと感じられます。

「うーん、ああ言うのも悪くないなあ」

 しみじみと思うHな谷川さんは、新たな扉が開こうとしているかのようでした。


 Hな谷川さんは理髪店を出た所で、朝奥さんに買ってきてほしいと頼まれた物があったことを思い出し、ホームセンターへ行くことにしました。

 車を走らせる事十五分。地方にありがちな、巨大なホームセンターに到着です。なるべく、入り口に近い所に車を停め、店内へ入ります。ウロウロと頼まれた物を探して、ファニチャーのコーナーへとやってきました。ふと、座いすののコーナーの方に目を向けると、女子高生が一人しきりに座いすを床に置き、その感触を確かめていました。

 Hな谷川さんがその女子高生をよく見たら、あのクリーニング店にやってきた娘であることが分かりました。

『うーん、純白のパンティーのキミ』

 と、次の瞬間、Hな谷川さんの目がまたもや釘付けに。

 女子高生が勢いよく座るものだから、スカートがはだけ、真っ白なパンツが丸見えになったのです。座いすを選びに夢中になっている女子高生は、周りにも、Hな谷川さんにも気づいていないようです。それどころか女子高生の動きはどんどん加速して激しくなっていきました。当然パンツの見え具合もよりはっきりとしていきます。

「うーーーーーーーん、い、い、いやらしいいいいーーーーーーーー」

 Hな谷川さん、はっきりと声が出てます。先ほどの理髪店での事も呼び水となり、Hな谷川さんの妄想がいきなりマックスに!しかし、残念なことに、いきなりマックスに達して血液が下半身に集中してしまったため、Hな谷川さんは気を失ってしまいました。

「お客さん、お客さん、大丈夫ですか?」

 Hな谷川さんが目を開けると、周囲を何人かの人が取り囲んでいました。

「だ、だ、大丈夫です・・・」

 とHな谷川さんが頭を起こそうとした時です。周りを囲んでいる女性たちのスカートの中が丸見えになっているではありませんか。赤、黒、白、ピンク、ベージュと色とりどりなパンツに再び、ムクムクとHな谷川さんの股間が膨らみ始めました。

『むむむむむ、い、い、いやらしいいいいーーーー』

 思わず、股間の膨らみを隠そうと両手を当てると、

「大丈夫ですか?お腹が痛いんですか?」

 と心配して、かがみこむ一同。当然、パンツはさらに丸見えになっていきます。

『ああああああああああああ』

 Hな谷川さん、また気を失ってしまいました。

パーポーパーポー。

 遠くに救急車のサイレンが聞こえてきます。

『ボ、ボ、ボクはどうなってしまうの・・・・・・』

 Hな谷川さんは救急車に乗せられ、病院へ運ばれました。病院に着いて診察を受けたHな谷川さんは、異常が見つからなかったため、すぐに追い出されてしまいました。

 病院から放り出されたHな谷川さんはどうやってホームセンターまで車を取りに行くか、奥さんの怒った顔もコワいし、途方に暮れるのでした。



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