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エピローグ

 魔女が堤防で寿司を食っていた。

 お持ち帰り用のどでかい円形ケースにぎっしり高級魚が並ぶ。

 まあ、いろいろあったが寿司は美味い。人の金で食う寿司は美味い。別に高級店のカウンターでなくてもいいのだ。

 寿司の代わりに一仕事したのだ。依頼主はまさかの未来の自分。報酬は青年が持って来たこの寿司だ。


「トロたまんねねええええええええええ!

 寿司食ってる時のお茶は格別だああああ!」


 未来の自分からの依頼の伝達手段は過去に飛ばした男の記憶。

 チーズケーキで仕事したのに更にオプションまで要求されるとは、その日の自分はよっぽど腹が減っていたか目の前のケーキに狂っていたらしい。男は交渉上手だ。だが、追加で美味い寿司が食えたのだからよしとする。


「サーモン良い!馬鹿にしてすまんかった真鯛!」


 魔女は満足した。

 食後の昼寝の前に残りの仕事を片付ける。残りの仕事といっても追加サービスみたいなものだ。


 指パッチンをすると手にDVDが現れた。

 これは魔法使い正人が未来から送りつけたもの。既にこの時間軸に長時間滞在した。

 それを空に投げると空間の隙間に消えた。消したのではない。未来に送り返したのだ。送っても私がいるからまた送り返すぞという意味もこめている。


「つまらんことしおって」


 未来の正人は例の幼馴染の願いを聞き入れてこれをこちらに送りつけたらしい。幼馴染の性格と性癖は異常で迷惑なもの。政治家やエリート会社員は悪だと決めつけるタイプ。低スペックな自身と真反対な高スペックな碧史美咲にも嫉妬と逆恨みのような感情を持っている。しかも恋人は所有物で何をしても良いと思っているクズである。碧史美咲の近くに迷惑物を送りつけて困っている様を見て興奮してたらしい。まさか時間を超えてまで送りつけるとは。そんなやつに加担する正人も同じ穴のムジナだ。

 既に複製とかも消した。軍艦巻きも美味かったからな。まあ、物は消えても噂は残る。だがあの二人なら大丈夫だろう。

 白血病については頼まれてないし放置している。正直わからない。生活が変われば出ないかもしれない。実際は青年が愛しい女を探すことを訴えるのに必死で頼み忘れただけだが。

 ちなみに幼馴染(太田)は自滅するだろう。

 自分で過去にDVDを送りつけたのに一番精神が破壊されたのは過去の本人だ。まあ不幸メーカーとしてまだ生きているだろうが放置する。

 まあ、もしなんかあればまた寿司がくえるかもしれないので黙っておく。


「頑張って出世してくれよ。そしてまたなんか食わせてくれ」


 魔女は食後の昼寝に落ちた。






 おしまい

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