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4話:そうだ、脱出しよう


あれから随分と時間が経過したように思える。

ぶっちゃけ言うとどれぐらい時間が経過したのかはわからない。ここには画面を見るだけで時間を教えてくれる便利な機械もないし、時を一定に針で刻んでいる機械もないからな。せめて太陽などの指標が理解できればわかるんだけど…目が見えないっす。


先ずは俺のステータスを確認するか。


=================

名前 :     

種族 :ウームセルラ

レベル:10/15  

=================

攻撃:F 

防御:F

魔攻:D

魔防:E

俊敏:F

運 :F

=================

『固有スキル』

【分裂】【合成】【貯蓄】【魔力感知】

=================

『通常スキル』

【脱皮】【統率】

=================

『称号』

【イレギュラー】

【$1$3B5!1"A#1#2】

=================


そう。新たなスキルを得ることが出来たのだ。

これを手に入れた経緯は省略するが、分裂体がこのスキルを手に入れていたことが原因であった。

分裂体でも固有スキルは使用できるようで、小さな生物を自分と合成したようだ。それで偶然に手に入れたのがこの2つのスキルのようであった。

分裂体を俺と合成するとそのスキルは俺に譲渡されるようで分裂体からはスキルは無くなっていた。

それと分裂体はどうやら意思を持つようだ。はっきりとした人格があるわけではないが、それでも俺と意思疎通をするぐらいには話すことができる。まぁ、俺が聞かないとあっちは何も言わないんだけどな。

AIと会話している感じだろうか?


それからは何度も分裂体を送っては回収し、また送り出すことを繰り返している感じだ。

そして、もう一つわかったのは、ある特定の方向に進むと必ず分裂体が消える。つまり、分裂体が何者かによって倒されていることがわかった。

俺は今まで誰にも襲われていないので安全な場所なのではないかと考えていたのだが、どうもそうではないようだ。敵がいることを知れたのは大きい。

あとは、分裂体は倒されても俺の能力は減らないということはわかった。つまり、俺自身の能力が下がる以外はデメリットが今のところは無い。これはかなり、強い能力なのでは?


そろそろ俺の分裂体が帰って来るようだ。

ステータスが上がった事によって若干であるが移動速度も上がった。今の俺がどんな形をしているかなんてことは……考えない方がいいだろうな。

それに魔力に関しても成長したことがある。自分の魔力と外に漂っている魔力はどうも違うということがわかった。その違いを理解することができてからは何となくだが自分の周辺だけであれば、どこに何があるのかを知ることはできるようになった。…これって凄くね?


今の俺は大きな何かの隙間に隠れるようにしているようだ。まぁ、そんなことだろうとは思ってたよ。

だって、ふよふよと浮かんでたら今頃は何かに襲われてるだろうしな。


お?分裂体が帰ってきたようだ。お疲れ~…じゃあ早速だけど合成しちゃうか。

いつものように俺と分裂体を合成する。


『レベルが上がりました。スキル【魔側線】を獲得しました。複数の生命体を自身に合成したことを確認。称号【魔の混然】を獲得しました。特定の称号を獲得したためスキルが付与されます。秘匿スキル【海老】を獲得しました』


そこで音声は止まる。未だに誰の声なのかはわかっていないが、俺の中では天の声だと思っている。

ほら、バラエティー番組とかでもいるじゃん?そういう存在だと思っているのだが今はそんなことはどうでもいいだろう。

分裂体は今回もスキルをどうやら獲得していたようだな。


=================

名前 :     

種族 :ウームセルラ

レベル:12/15  

=================

攻撃:E 

防御:E

魔攻:C

魔防:D

俊敏:E

運 :E

=================

『固有スキル』

【分裂】【合成】【貯蓄】【魔力感知】

=================

『通常スキル』

【脱皮】【統率】【魔側線】

=================

『秘匿スキル』

【海老】

=================

『称号』

【イレギュラー】

【$1$3B5!1"A#1#2】

【魔の混然】

=================


ステータスに変化はあまり無さそうだな。相変わらず魔力が関連している部分が特出しているぐらいか?

気になるのは増えたスキルだろか。


【魔側線】

魔力、波、水圧、水流を感じることができる。


【海老】

【魔の混然】を獲得した者が得ることができるスキルの欠片。

自身の魂が記憶している形状に自身の姿を変えることが可能になる。


試しに【魔側線】を使用してみる。う~ん…いや、感じることはできる。意識しなくても自分の周辺くらいであれば全然感じれるんだけど…今は別にスキルが無くてもできるしな。タイミングがちょっと遅かったな。もう一つのスキル【海老】を使用してみると画面が出てくる。


=======================

・トレポヘキサデカゴン

・パレモン

・チャヴィフィッシュ

=======================


この三つが候補として出てきた。一番下にある名前はフィッシュと書いてあるから魚であることはわかるんだけど…あとの2つは名前を聞いてもピンとこない。

【海老】は多分だけど俺の姿をこの三つのどれかに変えることができるというものだろう。

自分の姿を変えることができるのは凄いことなんだけど…これ必要なのか?

姿を変えたとして能力値はどうなるのか、姿を元に戻すことは可能なのか…様々な不安要素はある。

スキルの確認は、こういう所があるから気が抜けないし、悩むんだよな。


だが、足踏みしているわけにもいかないので結局はやるんだけどな。

俺の一生をこの場所で過ごすわけにはいかない。せっかく転生したのだからもっと楽しみたい。

ということで先ずは【チャヴィフィッシュ】を選択してみる。

すると俺の身体に変化が訪れた。まずふよふよと浮いている感覚が無くなった。手足の感覚が先程よりも鋭くなった気がする。

そして何より一番驚いたのが見えることであった。


見える…黒い景色ではなく、青く澄み切った水の色が今の俺には見えていた。

俺は身体を動かし、自分が隠れていた場所を見る。そこは大きな大木が倒れていた場所であった。

自分の何倍も大きさを持つ木が底に沈んでいる。大木は白く、その表面を陽の光が照らし、輝いてすら見えた。周りを見渡す。同じような大木が何本も沈んでいる。そしてその全部が白く朽ちていた。


この場所はそういう場所なのだろうか。いくら周辺を見渡しても他の生物は見つからない。

底にはサラサラとしてそうな砂が積もっている。


見えるだけでこんなに嬉しいものなんだな。当たり前に見えていたから、忘れていた。

自分の姿は恐らく魚らしいフォルムをしているのだろう。だから、すいすいと水の中を泳ぐことができる。そこで俺はふと思った。


ここは海なのだろうかと。それとも湖や川のような場所なのか。

取り敢えず、俺は水面に向かって上に泳ぎ始める。ここはあまり深くないようで、直ぐに水面に到着した。そして、勢いをつけて水面に突撃する。


ピチャンッ


そんな音が聞こえてくるように俺は水面を跳ねた。

水面から出て空に向かって飛び跳ねると外の景色が僅かな時間であるが見えることが出来た。そこに見えたのは鮮やかな緑であった。


森ではなくここは川や湖であったようだ。

俺は大木の影に急いで隠れる。先程の音で敵が来るかもしれないからだ。警戒することにこしたことはないだろう。ここには確実に敵と言える存在がいることは確定しているしな。


さてこれからどうする?

俺は落ち着いて考えるが、最初からその答えは決まっていた。

よし、ここから出る方法を考えるか。


俺の脱出計画が始まったのであった。

読んでくださりありがとうございます。

明日も投稿しますので、そちらもお読みくださると嬉しいです。

次回の投稿をお楽しみ。o_0


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