4.
「クラリスタ嬢。よければ、受け取ってくれないか?」
「このお菓子! お姉様と一緒に楽しませていただきますね!」
あれ以来、何故か第一王子が贈り物を頻繁にしてくるようになった。
お姉様に渡せないから私に渡しているんだと思う。
高価なアクセサリーとかだと、ふくろう便の私も立場的にも困るけど、消え物でシェアしやすいものを贈ってくれるのは高ポイント男子だよ! お姉様の評価が上がるように妹の私が努力してあげよう!
「……あんなお菓子でいいのか? トドリー」
「女の子はね、好意もない単なる知り合いの男から突然高価なアクセサリーを贈られたら怖いと思うものよ。あと、手作りもやめなさい。そもそも、貴方は、姉君マリア嬢のことを好いていると勘違いされているわ。お菓子くらいから評価アップを狙いなさい」
「ありがとう、いつも……」
「ちなみに、うちの弟もクラリスタのことを狙っているから、私に利がないと思ったら、私はそちらを応援するからよろしくね」
「そんな!?」
「お姉様、あーん!」
「まぁ、またお菓子をいただいたの? ちゃんとお礼言えた?」
「もちろんです! お姉様と一緒にいただくって言っておきましたから! お菓子をくれる第一王子は、大変いい人だと思いますよ! お姉様!」
「……そうじゃないと思うんだけどなぁ」