新たな世界
目が覚めるとそこは元の世界ではなかった。
「どこなんだここは」
そう言い立ち上がりあたりを見渡す。
下も上も周りもすべて雲のように白い、前方に黒い人型の模様があり、まるで面接のような形になっていた。
「お前は人生をやり直したいか?」
そう黒い人型模様のほうから声がした。
「ここはどこなんだ?そして俺はここからどうなるんだ?」
俺は人型模様に質問した。
「ここは死んだ者が集まる世界だ」
そこで俺は無事死ぬことができたのかと安心した。
安心するとどっと疲れる気がして座り込んだ。
「今からお前にはここで殺し合いとしてもらう」
「なんだって殺し合い?俺はさっき死んだばっかだぞ」
俺は何をふざけたことを言っているんだって思い言い返した。
「ここは君のような寿命以外で死んだ者が戦い、殺し合い、生き残った者が自分の好きなように決めた条件で元の世界に生まれ変わることができる。ただしここでの記憶はなくなる。そしてそこでも死んだ場合すべての記憶をもってこの世界に戻ってくる」
こいつは何を言ってるんだ。生まれ変わる?好きな条件で?俺には想像できないことを言ってくる。
「生まれ変わるっていうのはさ、お金持ちの家とか、美人ママのところとかってことか?」
俺は気になったことを質問した。
「そうだ」
(でもそれだとおかしくないか?生き残ったやつってことは1人だけってことだ。でもあの世界には成功した人がたくさんいるし、金持ちだってたくさんいる)
「なんで元の世界には金持ちが多くいるんだ?」
「どういう意味かね?」
「元の世界で恵まれた人は多くいるそれだと生き残ってない人も恵まれた家庭に生まれるんじゃないのか?」
俺は気になって仕方がなかった。
「この殺し合いはたくさんのグループがある。そこで生き残ったのが生まれ変わるということだ。そして戦いに敗れ死んだ者は生き残りが選ばなかったところにランダムで振り分けられる。」
(なるほどな大体わかったぜ、クラスの中で1位を決めろってことだろ
俺は絶対生き残って今度こそ俺の理想の暮らしにしてやるんだ)
「おぬしは一体どんな死に方をしたのだ?」
「俺は自殺だ」
「そうかでは次の部屋に進めそこで基本的なことを教えられるだろう」
そういうと人型模様が俺の前に来て扉の形になった。
ガシャン・・・
開いた扉に向かって俺は走り出した。
その先ではマンションの1室のような部屋だった。
「なんだこの部屋?腕になんかついてるし、目の前にはペッパー君の偽物みたいなのがいるしよーなんなんだよここは?」
次の瞬間ペッパー君みたいなロボットに電源がついた。
「ここはあなたが生活する部屋です。あなたの腕についているものはこの世界の地図で行き先を声で検索することができます。まずは学校へ向かってください。そこであなたは能力をもらい1か月の間能力の使い方を学んでください。能力は死因、絶望度、元の世界の環境によって変わります。これで説明を終わります。」
そういうとロボットは動かなくなって徐々に消えていった。
「死んだ先でも学校があるのかよ、あと能力ってなんだ死因とかで決まるって言っていたけど火事で死んだら火を操れるとかか?」
俺はばからしいと思いながら、学校へ向かうことにした。
「学校への行き先を教えてくれ」
そういうと目の前に赤い矢印が出てきて行き先への最短ルートを表してるようだった。
「すげーなこの世界」
この時の俺はこの後で起こることをまだ知らない