6 必要な人間だけ残したら人がかなり減った、それだけいらない人間がいたという事
新たな探索者組合を作った転生者。
その運営の為に必要な事を進めていく。
まず、必要になる職員。
これを選別していく。
基本的には以前の組合の職員を可能な限り再雇用していく。
ただし、全員というわけではない。
誠実に仕事をしていた者だけを選ぶ。
この際、才能や能力は無視した。
どれだけ出来る人間であっても、才能があってもだ。
その能力を横領などの汚職に使ってるのでは意味がない。
また、能力をもちながらも仕事を怠るような人間はいらない。
やるべき事をやる人間。
それだけを再雇用していく。
転生者にはそれを見抜く能力がある。
鑑定能力による能力値の把握。
これによって才能・能力に人柄・性格・気質も読み取っていく。
これらによってまともな人間を選別出来た。
ただ、たとえ性格・性質がまともでも排除せねばならない者もいた。
貴族など、縁故が強い者達だ。
これらが親類縁者などに頼まれて仕事の口を頼んでくる事もある。
そうなった場合、強く拒絶するのが面倒になる。
なので、どれだけ性格がまともでも排除せねばならなかった。
さすがにこれは可哀想だとは思った。
しかし、今後の影響を考えると追い出すしかなかった。
その逆に、性質・性格で排除せねばならない者達もいる。
これらは貧民街や一般人に多い。
仕事を怠る、さぼるのだ。
悪さの常習犯だらけである。
仕事をせずに給料を手に入れる事しか考えない。
こんな考えの輩がかなりいる。
当然、いても仕事にならないので排除する。
最低限の人手が必要だとかばう者も出て来る。
だが、これは大きな間違いだ。
仕事をしない人間など、いるだけ邪魔だ。
人件費がもったいない。
管理する手間も無駄だ。
そんなこんなで仕事をしっかりこなす人間を再雇用していく。
求めるものはただ一つ。
誠実さ。
これを備えてないものなど邪魔でしかない。
嘘をつかず、仕事を怠らず。
出来ない事は出来ないとしっかり口にして、出来る事は確実にこなす。
そんな人間だけを残した。
「2割か」
残った人間の数だ。
以前の組合の2割の人間しか残らなかった。
他は本当に使えない人間ばかりだった。
しかし、こうして残った人間は確実に仕事をこなす者達ばかりだ。
今後の働きに期待が出来る。
少なくとも無駄な損失を増やす事は無い。
それだけでもありがたかった。
何より恐ろしいのは、これだけ人数が減っても業務が滞らない事だった。
むしろ、今までよりも効率的に運営されていく。
無駄な邪魔をする者が消えたおかげだ。
あらためて、排除した8割が仕事の邪魔になっていたのが分かる。
ため息しか出てこなかった。
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