3 再建しようというのに、なぜ邪魔をするのか
「でも、おかげでふんぎりがついた」
痛みにのたうちまわってる連中に告げていく。
そいつらの耳に転生者の声は届かない。
痛くてそれどころではないからだ。
しかし、構わず転生者は続ける。
「少しでもやる気を見せてくれればと思ってたけど。
お前らにそのつもりがないのはよく分かった」
押し入ってきた7人が求めてるのは、組合解散の撤回。
その為に現状の改善・更新をする意思はなかった。
あるのは、組合の存続。
これまで通りの継続だ。
「出来るわけないだろ」
呆れるしかない。
組合にはカネがない。
カネがないなら存続出来ない、運営出来ない。
利益よりも出費が上回ってるのだ。
こんな状態を継続出来るわけがない。
それは公開した帳簿を見れば分かる事。
それを見てるはずなのに、改善・更新の智慧をもってきてるわけではない。
そんな連中ばかりである。
押し入ってきた奴等もそうだし、他の者達もだ。
誰もが愚痴を言い合ってるだけで、何とかしようという意思はまったくない。
転生者の耳に入ってくる声を聞けば分かる。
どこにも再建のための覚悟がない。
こんな者達に組合を立て直せるわけがない。
そんな組合の現状を見て、転生者は呆れるしかなかった。
少しは気概を持つ者がいればと思ったのだが。
いつもは口に出さないだけで、多少は改善・更新していこうという意思を持つ者もいるかもしれないと思っていたのだが。
そんな最後の希望も消えた。
「組合は潰す。
存続させるつもりはない。
お前らみたいな無能しかいないからな」
それが最後通告だった。
転生者は組合の解散手続きを始めた。
組合を受け継いでから7日。
帳簿を公開してから3日。
強迫してきた7人を返り討ちにした翌日の事だった。
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