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16 残ったものに福があるとは限らない

 頽れていく町。

 そんな所にしがみつきたい人間はまずいない。

 出来るなら逃げだしたいと思ってる者は多い。



 そうした者達の中からまともな人間を選んでいく。

 才能や能力よりも誠実さ。

 嘘を吐かない、問題を起こさない、人と仕事と人生に誠実に接する。

 そんな人間を選んで引き抜いていく。



 まともに働く人間が消えれば社会など簡単に崩壊する。

 残るのはまともに仕事が出来ない人間しかいない。

 それが怪我や病気などでまともに体が動かないなら同情も出来るだろう。

 幼すぎたり、年老いすぎたりというのもだ。

 必要な知識や技術がないのも。

 しかし、残ったほとんど全てがこうではない。

 大半は、怠け者だ。



 怠け者。

 仕事をする気をそもそも持ち合わせない者だ。

 理由があって意欲を失ってるのではない。

 最初から意欲を持ち合わせてない。

 だから何もしようとしない。



 邪魔になる転生者を排除した貴族ではある。

 しかし、残ったのは生産性のない人間ばかり。

 数だけ存在する烏合の衆ばかりだ。

 豊かになっていくわけがない。



 それ以外は、実質的な奴隷に陥った者達ばかりだ。

 やる気などあるわけがない。

 最低限の食いぶちを得る以外に目的はない。

 割り当てられてる作業量はこなすが、それ以上がんばる事は無い。

 ならばと割り当ててる作業量を増やせば、今度はそれを無視していく。



 誰もやる気を持ってない。

 そんなもの、とっくに失っている。

 働いても得るものはない。

 食って生きていくだけ。

 それだけを強いられてる。

 だからそれ以上の事などやろうともしない。



 無気力が蔓延してる。

 そんな領地の様子に、有力者達は頭を抱えた。

「どうなってる!」

 どうもこうもない。

 彼らが求めた結果がそこにあるだけだ。



 貴族をはじめとした有力者の領地。

 そこは滅びへと向かっていった。

 緩やかに、しっかりと。

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