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招待

 買い物を終えて、招待されたホテルに入る。ホテルは制作会社が用意したものなのだろう。かなりお高めのホテルだった。ひとフロアを貸切にして、そこに俳優とマネージャーを詰め込んだ感じだった。芸能記者だったらこのフロアに入りたくて、よだれを抑えきれないだろう。忙しい人は他にも呼ばれて外にいくがそれ以外は何があってもおかしくない。


「お話は聞いています。6階になります。」


フロントの人にエレベーター前まで誘導してもらい、6階を目指す。


「リストの入手方法は大丈夫なんでしょうね?」


「すでに、用意はできてますよ。それにそこまで難しいことではないので。」


「頼みましたよ。」


「わかってますって。」


真那さんに念押しをされながら6階につくと、悠太郎くんのマネージャーがエレベーター前で待っていてくれた。


「わざわざお迎えまでありがとうございます。僕1人じゃ手に負えない量だったので、助っ人を呼んだのですが宜しかったですか?」


「いいえ。問題ないです。今日はよろしくお願いします。」


「はい。マネージャーさんは参加されるのですか?」


「私は仕事がまだあるので。」


「わかりました。なら、作ったものを後で部屋にお持ちしますね。」


「お気遣いありがとうございます。」


マネージャーさんの部屋は611。階段と通路を挟んで613が悠太郎くんの部屋だ。悠太郎くんの部屋は悠太郎くんが実費を払って、グレードの高い部屋にしてもらっているらしい。いわゆるスイートというものだ。もちろんキッチンもついているし、ものすごく広くできている。最初に食事会で料理をしてくれとお願いされた時から見当はついていたことだった。まぁ、僕としては都合がいいことこの上ない。


「悠太郎くんはいつも、スイートに泊まるのですか?」


「いいえ。今回は初の座長ということもあって、気合が入っているのだと思います。留学から帰ってきているからか、ホームパーティみたいなのが大好きで、撮影の休みの日とかによく自宅に共演者や友人を招いているみたいです。」


おそらくこの作戦は、僕がホームパーティに呼ばれた時を想定されて立てられたものだったのかもしれない。自宅だと簡単に手に入るだろうと踏んでだろうが、実際場所は大きな問題にならない。情報を扱う犯罪者は、セキュリティに相当の自信がない限り、ネットの繋がっていないものでしか情報を保管しない。どこから情報が漏れるかわからないからだ。だから、割とアナログな情報管理を行うことが多い。もしくは、すぐに必要な時だけ情報を取り出せる、何かあった時にすぐに情報を消せるように身につけている場合がほとんどだ。おそらく悠太郎くんも持ち歩いているだろう。今回はそれを利用させてもらう。


「待ってました。どうぞ。」


悠太郎くんに出迎えてもらい、部屋の中に入る。入ってすぐに大きな窓が正面にあり、高級そうな長め斜めソファー、大理石のテーブル、アイランドキッチンになっており、ここにも大理石が使われていた。


「すごい部屋ですね。」


「はい。気合い入れました。

悠太郎くんは笑って応える。すでに、部屋には10人ほどいて、ボードゲームかなんかをしていた。中には嫌々きたであろう若手俳優もいたが、先輩の誘いか事務所から言われたのか断れなかったのだろう。かわいそうに。


「すぐに取り掛かりますね。まずは何から作りましょうか?」


手を洗いながら、悠太郎くんに要望を聞く。


「まずはすぐに食べられるものお願いします。おつまみみたいなのから。」


「了解です。」


僕はすぐにスーパーの袋の中から鶏肉を取り出した。若い子が多いのでまずは唐揚げかな。いったん、目的を置いておいて調理に専念した。


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― 新着の感想 ―
[一言]  ここまで、華々しいオープニングに対してだんだん話が地味になっていて、ちょっとつまんないかもです。  何を表現したくて、こうゆう展開になっているのかわからなくて、そんな印象をうけました。  …
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