第7話 神話 2
ある時から彼らは、彼らと意思疎通の出来る生き物を生み出したいと願う様になった。
そして、リュキ、セス、ジズ、カハの4柱の男神達とアシェラ、ディノ、メア、リェンの4柱の女神達の2つに分かれ、生命を創り出した。
男神達は人間、女神達は竜を創った。そして神々は原初の人間と竜を解き放ち、どうなるか見守ることとした。
初めのうち双方は仲睦まじく、諍いもあったが共存していた。しかし、人間族が農耕を始め、国を作り、身分差等を作り出した頃、両者の間には溝が生まれた。
そして、もともと唯一であった大地が北と南の2つに分かれる頃には、北の大地には竜族が、南の大地には人間族が住むようになっていた。
北の大地では定住せず移り住みながら暮らしていた竜族はある時から人間に習って国を作るようになり、発展していった。しかしその制度は人間のものとはどこか違っていた。
南の大地では人間族はまたたく間に増え、発展し、いつしか彼らの王達は北の大地をも手に入れることを望むようになっていった。
そして人間の国々と竜の国々との戦争が始まった。
初めのうちは、竜の国々が優勢であった。彼らは人間よりも遥かに大きく、力強く、空をも駆けた。
戦争は長く続いた。そのうちに人間はますます数が増え、竜族よりも早く発展していった。
やがて竜達は劣勢に立たされるようになっていった。
そして人間族は北の大地を支配する事に成功し、竜を支配し、家畜のように扱った。
最終的に竜は滅亡の危機に立たされた。
その時だった。見かねた神々が残った竜族を地底に隠した。人間族の中で竜族とも有効的だった者達も同じようにした。
竜族が地上から消え去った後、人間達はお互いに争うようになり、それは激化していった。
そして、彼らは遂にそれにより滅びた。
これにより、第一の世界が終わった。