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魔女に憧れた女  作者: 丹田練子
2/5

魔女になる為に今出来ること

少女がまずはじめに取り組んだのはいろんな植物について様々な知識をつけることであった。


西洋の魔女は薬草の調合を行い、人がそれを服用することで体調に影響を及ぼす知恵を持っていたらしいのだ。


薬学である。


明確な目的をもった少女は、魔女になる夢を言いふらすのをやめた。


親には植物に興味があるといい、野草の本ときのこの本をねだった。


目当ての本が手に入ってからは本を手にあちこち歩き回り調べ尽くした。


どれが食べれて、どれが薬になって、どれが毒になるのか、組み合わせでどういった効果がでるのかを自分自身で試し尽くした。


次に少女が目を付けたのは占いだった。


一口に占いといっても、水晶のような媒介を使ったり使わなかったりしてビジョンを見たりお導きを聞いたりする摩訶不思議な占いから、占星術といった天体の動きから時間軸と現象の関係性を統計学を用いて読み取るといったものまである、幅広い分野だ。


少女は本当は水晶を使って未来を覗き見たりする摩訶不思議なものに憧れていたが、水晶は高そうだし、手に入ったとしても何をどうしたらいいかわからないだろうと予想していた。


不思議系に手を出すのは外堀を埋めてからという初心にかえった少女はまずは天体の動きを把握するところからはじめた。


少女は昼間は薬草とキノコの研究をして夜は月と星々の観察に没頭した。


月の満ち欠けと植物の関係性を発見したころには少女はもう少女とはいえない年齢になっていた。


年頃の女性に成長してからも魔女への憧れは益々強くなり、その熱意からか天文学に詳しい人と出会い、支持することになった。


専門的な知識を学び、太陽や月や星々、地球以外の惑星がどういった位置関係にあるのかを体感に落とし込むために、自分の部屋を太陽系を模してディスプレイしていった。


野草やきのこを調べていたときの経験から、単なる知識だけより、身体に感覚を覚えさせるほうが理解が進むことを学んでいたからだ。


太陽の代わりとなる電球を部屋の中央にぶら下げ、和紙でできた球体の飾りを付ける。


その周りに天井からぶら下げた水金地火木土天海冥といった惑星の模型を今現在の位置にぶらさげ、惑星がもつ月などの衛星も表現する。そして部屋のかべには黄道十二星座を配置して完成である。


それは単なるディスプレイではなく、立体的な感覚として太陽系の今現在の位置関係を把握出来るものであった。


彼女はその太陽系儀を使い、天体の研究と並行して、西洋占星術のホロスコープの研究を始めた。


ホロスコープとは黄道十二星座と8惑星、月、太陽と地球の位置関係から、どんな影響が起こりえるのかといった可能性を過去の膨大な統計と照らし合わせた統計学である。


明らかに他の年頃の娘とは異質な彼女には同年代の友達や恋人ができる気配はなかったが、彼女にとってそんなことは問題にもなり得なかった。


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