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この行く道は明るい道  作者: ナハァト
第十四章 大魔王
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一を知って十を知る人って本当に居るのだろうか?

 大魔王ララが思い付いたという策を聞く。


 ………………。

 ………………。


 いけそう? セミナスさん。


⦅……可能かどうかでいえば、可能です⦆

(先輩が協力してくれれば、その可能性はもっと上がると思うのですが?)


 それは間違いない。


⦅……仕方ありませんね。確かに、現有戦力での打開は難しいですし、戦力アップは必須。致し方ありません⦆


 セミナスさんの協力を得て、行動に移す。

 まずは近場に居るシャインさんに一時的に抜ける事を伝える。


「ちょっと抜けます」

「必要な事なんだな?」

「はい」

「わかった。なら、それまでは任せておけ」


 邪神の相手をシャインさんに任せ、下がっていく。


「我を前にして、どこへ行こうというのだ?」

「別にどこだっていいだろ!」


 ばーか! ばーか! と付け足したいが、グッと我慢した。

 余計な注意を引いちゃいけない。

 それに、シャインさんが押さえてくれる。


「それはよそ見というヤツだろ!」


 ……邪神と正面から乱打戦をするとは思わなかった。

 それで戻るまでにもつだろうか?

 ちゃんと考えていると思うけど、ちょっと急ぐ。


 そのままエイトにも声をかける。


「ちょっと抜ける。ただ、呼んだら来てくれ」

「つまり、エイトは呼んだら来るという都合の良い女になれ、という事ですね?」


 何故今の言葉でそういう返しになる。


「いや、違うから。とにかく、今はシャインさんの援護をそのまま頼む。準備に少しだけ時間がかかるから」

「かしこまりました。ご主人様はそれを望むのなら」

「……だから、違うからな」


 きちんと否定したし、変な勘違いをしていないと思いたい。

 時間がないので、サクサク行動していく。


 戦いの場を離れ、俺はそのまま結界内に居る魔王マリエムのところへ。


 魔王マリエムは既に正気を取り戻していた。

 ただ、それでも動く気はないと言わんばかりに結界内でジッとしている。


「魔王マリエム。話がある」

「………………」


 魔王マリエムは答えない。

 ただ、俺を見るだけ。

 どことなく気だるげというか、もうどうとでもなれ、という雰囲気だ。


「……私に何か用かしら?」

「協力して欲しい」

「……魔王である私があなたたちに協力するとでも? というか、それ以前に、そもそも、もう何もかもがどうでも良いわ。ヘルアトが死んで……リガジーが知らない変貌を遂げて変になるし……何より、ララが私を攻撃するなんて、狂ったとしか言えないわ……そのララも、もう……」


 まぁ、端から見るとそう見えるよね。

 でもそれは間違いだ。


「よく聞け、魔王マリエム。それと、変な反応はするなよ。気付かれでもしたら困る」

「……何が?」

「良いから、とりあえず過剰な反応を表に出すなって事だ。それと、俺じゃあこの結界は壊せない。ただ、内から外には出れるようだから、そっちから出て来てくれ」

「………………」


 意味がわからない、と魔王マリエムが俺を見る。


「……その必要があるのかしら?」

「ある。いや、別に体全体を出せとは言わない。片手だけでも良い。要は直接触れないと駄目だという事だ」

「………………」

「疑うのはわかる。元々敵同士だしな。だが、今はそれどころじゃない。だが、どうやっても、アレをとめないといけないんだ」


 邪神を指し示す。


「……変わり果ててもリガジーはリガジーよ。私が手を貸すとでも?」

「あれは魔王リガジーじゃない。といっても、どこかに魔王リガジーが居る訳じゃないけど」

「……は?」

「それと、大魔王ララは別に狂ってもいない」

「……は?」


 あなた、頭おかしいんじゃない? という目で見られる。失礼な。

 ………………いや、これも端から見ると、そういう風に見えてもおかしくないのか。

 俺が魔王マリエムの立場だったら……そう思ってもおかしくないな。


 というか、別におかしくなってないから。


「とりあえず、手で良いから結界の外に」


 そう言っても、魔王マリエムの警戒は解けない。

 どうしたものか。

 ここでモタモタする訳にはいかないのに。


(でしたら、こう伝えてください)


「……魔王マリエム。そうすれば、少なくともお前にとっての『喜び』に繋がる」

「私の『喜び』だと……もしその言葉が偽りであったのなら、力を失っていようとも、お前を必ず殺すわ」


 魔王マリエムが睨むように俺を見る。

 ……怖っ。

 そして、結界の外に差し出された手を、掴む。


 あとはお願い。


(お任せください。先輩。お手伝いをお願いします)

⦅……わかっています⦆


 大魔王ララが、魔王マリエムに接触する。

 簡単に言えば、俺の中に入ってきた方法を応用して、直接接触で会話出来るようにした。

 セミナスさんが。


⦅このような事のために力を高めた訳ではないのですが⦆


 まぁまぁ。それに、これなら邪神には伝わらないし、会話の内容もわからないしね。

 もし邪神が知れば、絶対邪魔してくるだろうし。


 そして、魔王マリエムが一瞬だけ反応する。

 表情全体には出ていないが、目だけ一瞬見開き、直接触れている手も少しだけ動いた。

 大魔王ララと魔王マリエムの会話は……まぁ、聞いても仕方ないので聞いていない。


⦅女同士の会話を聞くなど無粋ですよ、マスター⦆


 だから、聞かないって。


⦅まぁ、どうしてもというのなら、お繋ぎしますが?⦆


 いえ、大丈夫です。

 それに、もし何かあったら、セミナスさんが黙っていないでしょ。


⦅そうですね。何かあればこれ幸いと追い出して、マスターと私の楽園が守られるという事に………………何か起こる事を期待して願います⦆


 いや、起こらない事を願ってください。


 問題は話が長引くと、邪神と戦っているエイトとシャインさんの負担が……。


(終わりました)


 と思ったが、思いのほか早く終わった。

 え? もう? 話し始めて五分も経っていないと思うけど?


(マリエムは聡い子ですので)


 もし本当なら聡過ぎじゃないですか?

 でも、なんか鋭いな、と思う時があったけど……いや、そんな事は……。


「事情はすべて飲み込めたわ。それで、私はどうすれば良いのかしら? リガジーの仇が取れるのなら取りたいわ」


 う~ん。わかっていらっしゃるようだ。

 まぁ、時間短縮になるのは良い事だよね。うん。


 でも、これからやる事は伝えてないんだ。


(やりながら説明する方が速いと思いましたから)


 ……確かに。

 魔王マリエムに結界から出てもらい、準備を始める。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] エイトに声かけるとこ、「呼んだから」になってます ラミとマリエムが接触するとこのセミナスさんのセリフ、「このような事 "に" ために」になってます
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