表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この行く道は明るい道  作者: ナハァト
第十三章 大魔王軍戦
442/590

思っていたのと違うなんてのはよくある

 集合したのは、詩夕たちとシャインさんに、DD、ジースくんたちだけだった。

 つまり、アドルさんたちが居ない。

 最悪の展開が頭の中を過ぎるが、詩夕たちから結果だけを聞く。


 まず、上大陸東部で魔王の一人と戦ったアドルさんの話を詩夕から聞く。

 無事な事にホッと安堵。

 魔王には逃げられたそうだが、それよりもアドルさんが無事な事の喜びの方が優っている。


⦅逃走を選択するという結論はなかったはずですが……どうやら、私の知らない何かが、大魔王、魔王たちの間にあるのかもしれません⦆


 セミナスさんは深刻そうに受けとめていたけど。


 それで、そのアドルさんがこの場に居ない理由は、魔王との戦いで激しく消耗して今はボロボロの状態らしい。

 数日で回復するような状態ではないため、普通の魔物相手ならまだしも、魔王戦となるとさすがに不可能との事。


 なので、今後は上大陸東部側を攻め上がっているEB同盟と合流して、奥さんと一緒に大魔王軍を相手に奮闘するそうだ。

 その近くまで、DDが運んでくれた。


「……奥さん? 確か、氷漬けになった?」

「そう、その奥さん。漸く再会出来て幸せそうだったよ」


 そっか。

 ………………ロ……ロ……なんだっけ。


 あっ! そうそう、ロザミリアナ? だったかな。

 アドルさんの奥さんの名前。


 まぁ、そういう事なら仕方ない。

 よかった、と心から思う。

 きっと今頃、これまでの別れていた時間を取り戻すようにイチャイチャしているに違いない。


「明道に、『ありがとう』だって」

「なんか、色々と込められた感謝の言葉に聞こえる」

「だろうね。色々な事がない交ぜになっている言葉だと思う」


 詩夕と一緒に頷き合う。


 ただ、次いでインジャオさんとウルルさんの話を樹さんから聞いた時は、少しだけ悲しくなった。

 ウルルさんが両腕を失ってしまう結果だったからだ。


 もちろん、魔王の一人を倒した事は喜ばしいけど、心から喜べないというか……。

 一応、命に別状はないらしく、ウルルさんは、この程度で済んだのは寧ろ良い方だと思っているそうだ。


「それじゃあ、インジャオさんは?」

「今は一緒に付き添っている。戦える状態ではあるのだが、さすがに、な」

「そうですね。ウルルさんと一緒に居るべきです」


 セミナスさんが事前に義手や義足の話を伝えていたのは、助けになったのかな?


⦅そうですね。覚悟を決めるきっかけにはなったと思います。でなければ、失っていたのは腕だけではなく、命だったでしょうから⦆


 それだけの相手って事だよね、魔王は。

 義手の件、よろしくね。セミナスさん。


⦅お任せください⦆


 うん。お願い。


 それでインジャオさんとウルルさんの今後だが、上大陸西部側を攻め上がっているEB同盟と合流して、インジャオさんはそのまま大魔王軍を相手に戦い、ウルルさんは治療に専念って感じだそうだ。

 その近くまで、ジースくんが運んでくれた。


 確か、西部側のEB同盟って、ウルトランさんが居たよね。

 あとウルアくんにフェウルさんも。


 ……荒れそうだなぁ。


 というか、ロイルさんもそっちじゃん!

 アドルさんの事を伝えてあげたいけど……どうしよう。


⦅今ならまだ間に合いますので、そこの駄竜たちの中の一頭を伝令メッセンジャーとして骸骨騎士の下へ送れば大丈夫です⦆


 という事なので、早速お願いする。


「「「「俺が!」」」」


 DDとジースくん以外が率先して挙手して、他の挙手した竜に対してメンチを切り出す。

 さすがに暴れるような事はせず、ただメンチを切り合うだけなので、決着は中々つかない。

 早く行って欲しいんだけど。


「DDとジースくんは良いの?」

「そういうのはあいつらに任せる。今はのんびりと英気を養わないとな」


 DDはまだ戦いが続くとわかっているので、余計な体力を使いたくないようだ。


「ジースくんは?」

「自分は学習している。別に、それで終わりって訳じゃないでしょ? 伝令に行って帰ってこないといけない上に、それがここでの作戦までとなると逆に休めない」


 ジースくん、わかっていらっしゃる。


⦅たとえ駄竜一体だろうとも、自由にさせる戦力はありません。使えるモノは全て使います⦆


 ジースくんの言う通りだと頷く。


⦅あっ、マスターは休んでいただいて構いませんよ⦆


 ……確かに、俺の戦力なんてたかが知れているけど。


⦅いいえ、違います。私の功績はマスターの功績。私の頑張りはマスターの頑張り。私が動いているという事はマスターが動いているという事と同義ですので、休んでも大丈夫であると言いたいのです⦆


 いや、どれだけ養われている状態なのよ、俺は。


⦅マスターと私は一心同体のようなモノですので⦆


 いや、セミナスさんの心は元から独立しているし、体ももう手に入っているけど?


⦅………………⦆


 ………………。

 ………………。

 みんなだって頑張っているんだから、俺だって頑張りたいんですけど。


⦅素晴らしい心がけです。それに、そもそもの話ですが、マスターが神共を解放している時点で、充分頑張っていると思いますが?⦆


 それは、まぁ……。


⦅それに、ああならないのがマスターの良いところです⦆


 セミナスさんが言っているのは、挙手をしていた竜たち。

 俺とジースくんの会話で、休めず、ただ疲れるだけだとわかった途端、お前が行けと押し付け合いが始まっていた。


⦅醜い争いです⦆


 セミナスさんがそう断じた。

 DDやジースくん、ドラーグさんも、やれやれと息を吐いている。


「……さっさと行ってこい!」


 DDの一喝で、四体全てが出発した。

 といっても、全員がインジャオさんとウルルさんのところに向かった訳じゃない。


 向かったのは、二体。

 もう二体はアドルさんのところだ。

 アドルさんも、インジャオさんとウルルさんの方がどうなったのかを知りたいだろうから。


 もちろん、早期帰還が求められているので、あまり休む事は出来ない。

 でも大切な情報を届けるので、頑張ってくださいと、敬礼しながら見送った。


 そのあとは、エイトたちとドラーグさんだけじゃなく、詩夕たち、シャインさん、DD、ジースくんを交えて、今後についての話し合いを行う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ