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この行く道は明るい道  作者: ナハァト
第十三章 大魔王軍戦
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目を離すと何をするかわからない時がある

 結界の神様にこれまでの事と、協力して欲しい事を伝え終わる。


「……まぁ、大体の事はわかった。本当に決戦中なんだ」


 そこを信じてもらうのが大変だった。

 何しろ、結界の神様は大魔王軍が現れ、神様たちがEB同盟に協力し出してから、結構早い段階で封印されてしまったそうだ。


 そこから今までここに居た訳だし、情勢に疎くなっても仕方ない。

 怖くてここから出なかった訳だし。


「………………」


 ただ、そこを指摘すると、ふんっ! と不機嫌になってしまうので、指摘しない方が良いだろう。

 となると、結界の神様が出てこなかった理由を、別に考えないといけない。


 ………………。

 ………………。

 単純に、結界を破るのが今までかかった事にすれば良いか。


⦅それが無難かと思われます。下手に複雑な理由にするとボロが出やすいですし、逆に露呈しやすくなる可能性が高まります⦆


 ……ちなみに、露呈すると?


⦅恐らく引きこもるでしょう。しかも、誰にも見つからないような……それこそ、誰にも侵入出来ないような結界を作り出して⦆


 そういう能力もあるし、出来なくないってところにリアルさを感じられる。

 実際、そうなる未来が見える。


 なので、別の理由で押し通す事にしよう。

 結界の神様もそれで了承してくれた。


「……まぁ、わざわざ言う必要はないでしょ」


 との事。

 まったくもってその通り。

 協力してくれるのだから、そこを気にしちゃいけない。


 そうして、早速外に出ようとして……気付く。

 そういえば、この神殿というか、結界の外って……大魔王軍が一杯だったよね?


 思わず、結界の神様を見る。

 結界の神様は敏感に反応した。


「……その表情……何があるの? 外に出ようとして足をとめるって事は、外に関係あるって事だよね?」

「えっと、どう言えば良いか……その」

「居るのか……外に……」

「ま、まぁ、俺がここに入った時は……そこら中に居ました」

「もう出ない。一生出ない」


 結界の神様が踵を返して戻ろうとする。

 即座に腕を掴んで引き留めた。


「待って! 待ってください! もしかすると、大丈夫かもしれませんから!」

「………………」


 疑いの目を向けられる。

 見た目が少年なだけに、そんな目で見られると心が痛むのでやめて欲しい。


 とりあえず、確認するために外に出ないといけない。

 結界の神様は黒い神殿一階部分で待たせて、まずは俺だけで確認する。


 そぉ~っと……外を確認。

 青空の下、エイトたちが優雅にお茶を飲んでいた。

 その様子を、ドラーグさんが孫を見るようにのほほんと見ている。


 よし。一旦戻ろう。


「……ど、どうだった?」


 結界の神様が震えながら尋ねてくる。


「なんかのほほんとした光景でした」

「そんな訳ないでしょ」


 真顔で返されても困る。

 もしかして、全部倒し終わっていたのかな?

 結構な大軍だったと思うけど。


⦅汎用型と特化型たちにそれだけの力を有しているというのもありますが、お忘れですか? マスター⦆


 何が?


⦅本の魔物の攻略にそこそこ時間がかかっていました⦆


 そこを突かれるとぐうの音も出ません。

 確かにその通りだとしか言えない。

 というか、それで思い出したというか、俺の中でウーノは魔物って感覚はないんだけど、結界の神様からすれば充分魔物だよね?


⦅魔物ですので⦆


 まぁ、そうなんだけど。

 結界の神様にその説明をしてなかったけど……大丈夫かな?


⦅……何も伝えずに結界の神様を送り出すのが正解かと思われます⦆


 俺もそう思う。

 そうする事にした。


「とりあえず、結界の神様も外を見てみればわかりますから」

「………………」


 だから、疑いの目を向けるのはやめてください。


「……本当に大丈夫なんだよね?」

「本当に大丈夫です」


 力強く頷いて肯定。

 それに、きっと結界の神様は自分の目で見ない事には本当に信じないだろう。

 だから直接見てもらう必要がある。


 なので、結界の神様の手を取り、力強く引っ張っていく。

 結界の神様は大人しく付いてくるが、疑いの目はやめない。

 黒い神殿の入口まで戻ると、結界の神様に外を見せる。


「どうですか?」

「………………女の子たちがなんか変な事やってる」


 結界の神様の言葉に不穏な気配を感じ取り、即座に俺も確認。


 ドラーグさんが楽しそうに見守る中、ワンがキザっぽい歩き方をして、エイトたちに喜ばれながら出迎えられていた。

 うん。意味がわからない。

 どうなってんの?


⦅申し訳ございません。この結界内だと外の様子は窺う事は出来ません⦆


 それもそうか。

 なら、近寄って確認するしかない。


「とりあえず、結界の神様。外に居た大魔王軍はエイトたちが倒してくれたようなので、出ても大丈夫ですよね?」

「う、うん。でも、彼女たちが大魔王軍を倒したって事だよね? しかも、怪我している様子もないし。それはそれで怖い」


 俺は、エイトたちが何をやっているのかを知るのが怖い。

 結界の神様と共に黒い神殿を出て、結界に近付いていく。


 大魔王軍の死体は……少し遠くに小高い山がいくつかあるけど……深く考えるのはやめた。

 そして、近付く事で、エイトたちの会話が聞こえてきた。


 ワンが、エイトたちに向けて言う。


「さぁ、お前たち! 結界の神を解放した愛しのご主人様のお帰りだ! Fu~」


 ………………。


「ツゥ。お前は相変わらず眼鏡が似合っていて可愛いな。このまま食べちゃいたいくらいだぜ」

「みんなが見ている前では控えてください。アキミチ様」

「つまり、見てなければ良いって事だよな?」

「……(ぽっ)」


 ………………。


「スリー。元気でやっていたか?」

「うん! ボクはいつだって元気だよ!」

「ああ。スリーの元気な笑顔が、俺の活力剤だ」


 ………………。


「フォー」

「ボス」

「俺のために尽くしな!」

「イエッサー!」


 ………………。


「ファイブとシックスは相変わらず仲良しだな」

「わちきはいつもシックスと一緒。双子だから」

「わらわはいつもファイブと一緒。双子だから」

「ああ、その通りだ。俺も交ぜて欲しいと妬いちゃうくらいにな」

「「仕方ないから、交ぜてあげる」」


 ………………。


「セブン、ギュッと抱き締めて、よしよししてくれ」

「それだけで良いんですか?」

「もっとすごい事を要求しても良いの!」

「構いませんよ。だって……ね」


 ………………。


「エイト……思い返せば、一番長く居たのはお前だ。だからこそ言いたい」

「なんでしょうか?」

「愛してるぜ!」

「はぅっ!」


 ………………。


「よし。主なら、出て来たらこんな感じじゃないか?」


 ワンが素に戻って、エイトたち一緒に相談を始める。

 あーでもない。こーでもない。と。

 ドラーグさんはうんうんと聞き役。


 もしかしてだけど、ワンが演じていたのか俺か?


 結界の神様が手を引っ張るので視線を向ける。


「いつもはあんな感じって事?」


 そう言う結界の神様はどこか引いていた。

 俺は急いで結界の外へ。


「よーし! 全員そこに並べー!」


 エイトたちの中の俺のイメージについて、討論ディスカッションした。

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