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この行く道は明るい道  作者: ナハァト
第十三章 大魔王軍戦
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案外大丈夫って事はあるよね

 空中から確認するだけでも、地上に居る魔物たちの数が多い事がわかる。

 下手をすれば1000に届くんじゃないだろうか?


⦅正確には、1639体の魔物が居ます⦆


 こういう時は的確だよね、セミナスさん。


⦅私はいつも的確です⦆


 でも、魔王と接触した時は――。


⦅マスター、過去を振り返る事も大事ですが、今はただ前を、これからを見てください⦆


 いや、話の流れ的には振り返るところだったよね。


⦅そう。神造超生命体ハイブリッド・ホムンクルスの体を手にした今、私はただのスキルではなくなりました。完璧女性パーフェクトレディ。……言うなれば、『世界を』『見通す』『パーフェクト』『ナビ』『スキル』。略して『セミパナス』⦆


 ………………。


⦅………………⦆


 ………………えっと、なんかの呪文みたいですね。


⦅語感が悪いので、『セミナス』のままでお願いします⦆


 そうですね。そうします。

 それで、この中を突っ切るのは不可能なのはわかるし、いざとなれば結界は見えているから、ドラーグさんに真上まで飛んでもらって飛び降りれば良いんだけど……本当に下に居る大魔王軍を殲滅する意味あるの?


 エイトたちに、わざわざ危険な事をさせる必要はないんじゃない?


⦅ここに居るのが特に意味がなければ、無視はまだしも殲滅までは求めません⦆


 つまり、意味があるの?


⦅はい。簡単に言えば、眼下の大魔王軍は伏兵、援軍の類です。このまま放置、もしくは戦力を残してしまうと、現在上大陸西部で戦闘中のEB同盟に対して、負けはしませんが少なくない打撃が与えられる事になります⦆


 そういう事なら、どうにかしたいとは思うけど……最終決断は危険に飛び込むエイトたちだ。


「問題ありません。そもそも、エイトたちからすれば、あの程度は脅威でもなんでもありません」


 エイトの証言。

 他の皆も同様。

 やる気はなくなっていないようだ。


 という訳で、エイトたちを信じて任せる事にした。


     ―――


「それでは、いってまいります」


 そう言って、敬礼をしたエイトがドラーグさんから飛び降りた。

 同じようにして、ワンたちも。

 俺も敬礼を返す。


 ………………。

 ………………。

 いやいや、待って待って!


 地上までまだまだ距離があるんだから、飛び降りちゃ駄目でしょ!


⦅問題ありません⦆


 セミナスさんの言う通りになった。


「『指定 空中 固定 八陣』」


 セブンが連続して単語を呟いたかと思えば、エイトたちが八角形の形を描くように空中に浮いた。

 ……いや、浮いたというよりは、空中に立っているように見える。


⦅特化七型が時属性魔法を使用。指定した空中の時をとめ、そこを足場としているのです⦆


 サラッとセミナスさんの解説が入るけど、セブンが相当な事をしたと思うのは俺だけだろうか?

 そんな事が出来るのなら、人の周囲の時をとめて、身動き出来なくする事も出来るんじゃない?


 ……そうなったら、さすがのセミナスさんでもどうにも出来ないんじゃないだろうか?


⦅対処方法はいくつかありますので問題ありません。例を挙げるのなら、私なら使用される前にどうとでも料理出来ます⦆


 セミナスさんがムッとしたような雰囲気で答える。

 確かに、セミナスさんなら出来そうだ。


 そして、エイトたちは空中から魔法を展開。

 それぞれが得意属性の魔法で、剣や槍、矢や玉などを数多く生み出し、一気に放つ。

 物量で押していくようだが、一撃でやられる魔物も居るので威力も高い。


 空中から一方的に蹂躙していく。

 その様子は、エイトたちを中心にして、花が咲くように爆発していっている。


 時折、大魔王軍の反撃として矢が飛んできたり、他にも魔法や槍なんかも飛んできたが、エイトたちの物量はすさまじく、届く前に全て撃ち落されていた。


 大魔王軍はみるみる内に数を減らしていく。

 というか、圧倒的過ぎない?


⦅マスター。お忘れですか? 汎用型と特化型たちは『対大魔王軍戦用』。つまり、多数相手の殲滅戦に最も力を発揮するのです⦆


 なるほど。

 これは、このまま一方的にいけそうだな。

 あのフォーですら、きちんと風属性の魔法を使用している。


「……くちっ」


 フォーが小さくくしゃみをして、魔法が少し乱れた。

 ……大丈夫かな?


⦅マスターが噂したせいですね⦆


 え? 俺のせいなの?

 なんかごめん。フォー。


 とりあえず、これ以上は触れないでおこう。


 このまま見ている内に終わるかな、と思ったのだが。


「数が多くてまだるっこしいな」

「そうですね。このまま一方的なのもつまらないですし、好きなように動いて構わないのでは? 幸いと言うべきか、敵のレベルも低いようですし」

「なら~」

「我先に~」


 ワンとツゥの会話に一番早く反応したのは、ファイブとシックスだった。

 空中の足場からぴょんと飛び降り、地上で大魔王軍相手に肉弾戦を始める。


「左フック! 左フック!」

「右ストレート!」


 鎧姿の鬼のような魔物を相手に、二人で綺麗なワンツーを決めた。

 かと思えば、空中に居た時と同じように物量魔法で仕留めていく。


「ボクもボクも~!」


 スリーも足場から飛び降りて参戦。

 一気に殲滅力が上がる。

 楽しそうな笑い声も増量された。


「ずるいぞ! あたいが降りようとしていたのに!」


 ワンも降りて、地上ではスリー、ファイブ、シックスを交えた、一方的な格闘戦が始まる。

 体動かすの大好き組かな?


 一方、空中の方では、エイト、ツゥ、フォー、セブンが変わらず物量魔法で一方的に駆逐していく。


 エイトは地上を見下ろす神のように、ツゥは絶対的支配者の風格で、フォーはなんか自分以外の雰囲気に恐れつつ、セブンは地上に降りた子たちを心配するおかんのような、そんな感じを醸し出しながらだけど。


 それでも抜けた穴を埋めるように、きっちりと物量魔法の数を増やしているのはさすがだと思う。


 とりあえず、大魔王軍はエイトたちに任せても大丈夫そうなので、こちらも行動を開始する。

 ドラーグさんにお願いして、結界の真上に移動してもらう。


「えっと……それじゃ、ドラーグさん。いざという時のために、エイトたちのフォローをお願いします」

「任せておけ。孫のように守って、一緒に遊んでくるわ」


 そういう感覚なんですね。

 でも、ドラーグさんも最強レベルなのは間違いないと思うので、安心して任せられる。


 行くよ、セミナスさん。


⦅マスターの生命は私が守ります⦆


 頼もしい限りだ。


 そして、ドラーグさんから飛び降り、結界内に進入する。

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