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この行く道は明るい道  作者: ナハァト
第十二章 過去へ
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気が付けば俺が居た場所に……

 見えていた地下の秘密研究所の風景が、少しだけ年月が経ったモノへと変わる。

 綺麗に片付けられたフォーの机に、戻ってきた事を少しだけ実感した。

 ただ、俺が過去に行った時と明確に違う事がある。


 ……エイトたちの姿がどこにもない。


 あれ? 過去に行った瞬間に戻って来たんじゃないの?


⦅いえ、正確には、マスターが過去に行ってから、一時間ほど経過しています⦆


 そうなんだ。

 また同じ時間に戻ってくると思っていた。


⦅時の移動は細かい時間になればなるほど難しくなっていきます。一時間であれば、相当優秀な部類でしょう⦆


 まぁ、時の神だしね。

 でもそれだと、優秀じゃなければ?


⦅数日、数か月単位が通常です。それでは、マスターが過去に行った事で、未来への影響に何か異変がないかを確認します⦆


 それは大事。

 お願いします。


 そういう事なら、迂闊に動かない方が良いかな?

 何が影響しているかわからないし、「勇者」と「賢者」のスキルを組み込んでパワーアップしたセミナスさんなら、そう時間もかからないと思うし。


⦅はい。確認終わりました。悪い影響は存在しません。大丈夫です⦆


 とりあえず、安堵すべきかな。ほぉ~。

 それじゃあ、エイトたちは上に居るの?


⦅はい。どうやら、のんびりと過ごしているようです⦆


 そういえば、姉妹が全員揃った訳だし、親睦を深めているのかもしれない。


⦅そうですね。私も交ざりたいくらいです⦆


 え? セミナスさんがそんな事を言うなんて珍しい。

 よほどの体験をしているんじゃないだろうか?


 そういえば、今の時間でゴーイチたちを見かけなかったけど、居るよね?


⦅……確認しました。上で神造生命体ホムンクルスたちと共に居るようです⦆


 なるほど。

 でも、それほど不思議ではないかもしれない。

 考えてみれば、ゴーイチたちはエイトたちよりも先に存在していた。

 つまり、エイトたちにとって、兄的存在と言っても良いだろう。


 ……寧ろ、エイトたちの方が不安になる。

 どことなくエイトたちは造形の女神様たちと感性が近いと思う。


 いや、逆か。

 造形の女神様たちが似せたのかな?


 まぁ、それはどっちでも良いけど、そうなると、ゴーイチたちが再び起こる可能性もある。


⦅気にし過ぎですよ、マスター。それに、よく考えてみてください。少なくとも、特化四型、五型、六型は起きていて、ここに居たのですよ。何かが起こっていれば、来た時点で発覚しています⦆


 言われてみれば確かに。

 なら、安心して向かえるな。

 ちなみにどこに居るの?


⦅一階。食堂とその近くに勢揃いしています⦆


 わかった。

 という事で、エレベーターに乗って、一階へ。

 エレベーターに乗っている間に思う。


 そういえば、過去に行く前に、この研究所の掃除は最高傑作がやっているみたいな事をフォーが言っていたけど、もしかして、ゴーイチたちの事?

 それなら納得なんだけど。

 ゴーイチたちは、俺の中では最高傑作だ。


⦅いえ。違います。最高傑作は別に存在していますが、その補助的な部分であのゴーレムたちが動いているようです⦆


 そうなんだ。

 でも、それだと最高傑作ってなんだろう? と思っている間に一階に着き、食堂に向かう。


 食堂の横に、過去では見なかった部屋が出来ていた。

 部屋の中央に簡易ベッドのようなモノが置かれ、他に小棚や薄暗いライト、色々と揉んでくれそうな椅子に、部屋の外までリラックスさせるようなラベンダーの香りが届く。

 所謂マッサージルームである。


 それは……まぁ良い。

 造形の女神様たちなら、自分たちのためにこれぐらい用意してもおかしくない。


 問題は別にある。


 おかしなのが居た。

 男性。黒髪。普通の顔。中肉中背。

 それが、エイトから何やら教授されていた。


「良いですか? ご主人様はエイトを性的な目で見てきます。未だ手を出していませんが、いずれ手を出すのは間違いありません」

「なるほど。ですが、それは他の皆様も仰っていましたが?」

「確かに、それは事実です。ご主人様はエイトたち姉妹全員を相手にするのは間違いありません。ですが、何事にも優先順位。つまり、順番があり、優劣があるのです」

「……確かに」


 男性は、エイトの言葉に納得するように頷いている。

 いや、頷かないで欲しいんだけど。


 というか、俺が居る事に気付いていないようだけど、それで良いのかと言いたい。

 いや、それだけ熱中しているという事か?


 というか、他の皆様もって事は、エイトだけじゃない?

 既にワンたちもって事?


「そこで、ご主人様が最初にお手付きにするのは、エイトなのです」

「そうなのですか?」

「ええ、間違いありません」

「それも他の皆様は、自分が最初だと、確信のようなモノを持って発言していましたが?」

「むう。さすがは姉という事でしょうか。エイトの先をいくとは」


 エイトが唸る。

 唸るよりも前に、俺が居なかった一時間の間にどこまで話が進んで終わっているのかを教えて欲しい。


 なんか、変な事になってない?

 いや、既に変な事は起こっているんだけど。


「しかし、最初がエイトなのは確実です。本命です。何しろ、ご主人様に最初に会ったのはエイト。つまり、他の姉妹たちとは付き合いの長さが違うのです。故に、その時間分、ご主人様はエイトとの間に絆を結び、愛を育んでいるのです」

「……確かな説得力。反論出来ません」

「そうでしょう。そうでしょうとも」


 男性が認めた事で、エイトは満足気だ。

 そんなエイトに向けて、男性は一礼する。

 一礼するのはやめて欲しい。


「大変参考になりました。協力ありがとうございます。これで増々アキミチ様に近付く事が出来そうです」

「ご主人様の事なら、エイトにいくらでも聞いてください。昨夜の夢の内容から、女性に対する趣味嗜好まで、全てお答えしましょう。ご主人様の寵愛するメイドである、このエイトが」


 ババーン! と背景が表現されそうな、自信満々のエイトがそう答える。

 男性は、おおー……と感心するように、エイトに拍手を送った。


「て、待て待て待て待てーい!」


 そう叫びながら、俺が乱入。

 エイトは驚きの表情を浮かべ、男性はわぁ! と喜びの表情。

 やめろ。その表情。


「ち、違うのです! ご主人様! これは浮気などではなく、どうしてもご主人様の事を教えて欲しいと懇願されたので、仕方なく教えていたのです」

「いや、思いっきり喜んで教えていたよね? というか、教えていたんじゃなくて、ある事ない事言っていたよね?」

「いえ、真実です」


 真面目な表情でエイトがそう答える。

 信じる人が出るかもしれないからやめなさい。


「なるほど! 本物はこう喋るのですね!」

「お前もちょっと黙ってろ! というか、なんで俺が居るの?」


 そう。先ほどまでエイトから話を聞いていた男性は、俺そっくりだった。

 そっくりというか、外見は俺そのもの。

 どういう事? これ。

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