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この行く道は明るい道  作者: ナハァト
第十二章 過去へ
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似てる似てないは関係ないかもしれない

 目的地である、世界統一国ルベライノトの王都に辿り着いた。

 記憶の中にあるラメゼリア王国の王都に……確かに重なる部分がある。


 ここから、あの王都になる訳か。

 そう考えてみると、確かにラメゼリア王国の王都に比べると……少しだけだけど狭い印象を受ける。


⦅そうですね。ここから更に発展したのが、ラメゼリア王国の王都ですので。それでも、この時代においては最も栄えている都なのは間違いありません⦆


 でも、お城は今も昔も変わらない気がする。


⦅……確認しました。補修などによって細部に違いはありますが。大まかな部分は同一です⦆


 なるほど。

 そりゃ、補修とかはあるか。

 ただ、そういう似た感覚は、王都内に入れば感じなくなった。


 ラメゼリア王国の王都の方は二階建て以上の建物が多かったけど、世界統一国ルベライノトの王都の方は一階建ての方が多い。

 二階建ての方が珍しくて目に付くくらいだ。


 活気に関しては、寧ろ世界統一国ルベライノトの方が上だった。

 まぁ、それも当然だろう。

 今居る時代は魔王軍に怯える事のない平和の時代なのだから。


 それで、これからは?

 どうすればアイオリさんに会えるの?


⦅今後のルート確認をしますので、少々お待ちください⦆


 お願いします。

 ……さて、そうなると、今の内に出来る事をしておくか。

 減った飲食物の補充とか。

 準備、怠っちゃいけない。


 と、そこで気付く。

 そういえば、俺が持っている金銭って未来のだけど、ここでも使えるんだろうか?

 特に年号が刻まれている訳じゃないから大丈夫だとは思うけど。


 それでも、色々と補充する前に、一度確認しておかないといけない。

 となると、無難なのは屋台とかだろう。

 小腹も空いているし。


 ………………。

 ………………。


 結果。大丈夫だった。

 いくつか回ってみたが、問題なく使えた。

 まぁ、金銭の形もそう変わらないか。


 ホッと安堵。


 そうして確認が終わる頃に、セミナスさんの方も終わる。


⦅確認出来ました。最適解のルートを検出。このルートの発生は明日になりますので、本日は物を補充し終われば、そのまま宿に向かって休む事を推奨します⦆


 という事らしいので、飲食物を補充したあとは、適当に宿を取って……というか、極力関わらない方が良いって言っていたけど、宿屋に泊まって大丈夫なの?

 俺は別に野宿でも――。


⦅全くだと支障が出ますので利用します。現に、野宿ですとマスターの体力などが全快しませんので、宿屋に泊まるのは必要な措置です⦆


 準備は万端に、て事ね。


⦅はい。それでも、最小限に留めておくのは必須ですが⦆


 未来に影響があると言われたら、それは当然だろう。

 まぁ、不特定多数が利用するからこそ、宿屋に泊まっても問題ないかもしれない。


 なので、宿屋に泊まる事にする。


⦅私オススメの宿屋を紹介します。料理も安く、お風呂付き。お値段もリーズナブルな宿屋です。それと、従業員も可愛い子が居ます⦆


 お願いします。

 ……久々のベッドは、やっぱり気持ちよかった。

 やっぱり、寝袋とは違う。


 それと、確かに見た目が可愛い子は居たけど、男の子だった。


     ―――


 翌朝。

 状況が大きく変わったと思えるくらい、なんか騒がしい。

 その騒がしさで目が覚めた。


 窓を開けて外を見ると、大勢が行ったり来たりしていて大慌てだ。

 なんか物々しいというか、王都全体の空気が緊張感に包まれているような気がする。

 ……何事だろう?


⦅目的の人物がそろそろ到着するからでしょう⦆


 ……目的の人物? 誰の?


⦅マスターと私の⦆


 ……アイオリさん?


⦅違います。アイオリが居るのは王城です⦆


 ……なら、誰だろ?


⦅会えばわかります。では、まずはこれから私が指定する場所に向かってください。少々時間との勝負になりますので⦆


 意味がわからないけど、それはいつもの事なので、セミナスさんの指示通りに進んでいく。

 表通りではなく裏通りっぽい方を進むのは、あまり人に見られないようにするためだろう。

 何しろ、人々が見ている方向とは真逆に進んでいる訳だし、少しでも印象に残らないように、て感じかな。


 ちなみに人々は王都の門の方を向いている。

 本当に、これから来るようだ。


 そうして向かった先にあったのは、大きな建物だった。

 なんというか、周辺にあるのとは違って、荘厳な雰囲気が感じられる。


 そう感じられる一因であり、最大の理由が一つの像だ。

 神々しい雰囲気を纏っている女性の像。


 非常に美人で、天に向かって祈りを捧げている。

 ……なんらかの女神様の像って事だろうか?


⦅予言の女神の像です⦆


 ………………。

 ………………。


 いやいや、待って待って。

 予言の女神様は、これとは違うでしょ。

 もっとこう……美人だけど隠し切れないポンコツ感があるはず。

 こんな神格高そうな女神様ではないはずだ。


⦅はい。その通りです⦆


 あっ、なんとなくわかっていたけど、肯定しちゃうんだ。


⦅こちらはアイオリとエアリーによって伝えられたイメージを……私の調査によれば、更に80%ほど美化させたモノになります⦆


 ……結構な美化率だった。

 え? それって大丈夫なの?


⦅予言の女神は、まさに生き写しだと、製作者を聖人指定しようとしました⦆


 すっごい喜んだんだね。

 アイオリさんとエアリーさんは?


⦅まぁ、喜んでいるからいっか、と優しい笑みを浮かべました⦆


 なんだろう。

 その光景が容易に想像出来てします。


 ……ん? という事は、ちょっと待って。

 つまりここは?


⦅簡単に言ってしまえば、予言の女神に対する礼拝場。教会です⦆


 ……これ、現代には?


⦅存在していますが?⦆


 俺、行ってないけど?


⦅マスターが行く必要はありません⦆


 いやいや、お世話に……はなってないけど、予言の女神主体で生み出したセミナスさんに助けられている訳だし、助かっています、と挨拶くらいは。


⦅お気になさらず。そもそもマスターは予言の女神によって巻き込まれたようなモノなのですから。挨拶は向こうからさせるべきです。いえ、そうさせますので、マスターはその時までドンと構えていてください⦆


 それはそれで俺が落ち着かないんだけど……まぁ、いっか。

 それで、この建物で待つって事で良いんだよね?


⦅はい。ただ、警備が厳重ですので⦆


 そうだね。騎士っぽい人たちが警戒している。


⦅見つからないように潜入します。これからはタイミングも重要になってきますので、注意してください⦆


 わかった。

 セミナスさんの指示する通りに進み、建物内に潜入する。

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