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この行く道は明るい道  作者: ナハァト
第十二章 過去へ
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近未来的も好きだけど、魔法的も好き

 ファイブとシックスが合流したので、次は残る一人――セブンの下へ向かう。

 その場所まで案内するのは、フォーからファイブとシックスの二人に変わる。


「いや、案内してくれるのは嬉しいけど、あの穴……本当に放置して良いの?」


 二人の攻撃でぽっかりと空いた大きな穴が気になって仕方ない。

 冬とかなら、間違いなく凍死するレベルだ。


「大丈夫! 大丈夫! 問題ない!」

「明日には直っているんじゃないかな?」

「優秀だからね!」

「優秀だからね!」


 ファイブとシックスが、ね~? と顔を見合わせる。

 何が? と思うのだが、ここは研究所。

 しかも、エイトたちが生み出されるレベルの。


 そんな研究所であれば、ちょっと考え付かないような修復のギミックの一つや二つはあるだろう。

 掃除は面倒だからとか言って、そういうのを作りそうだよね、ここを利用している神様たちって。


「でも、それなら、広場にある失敗作は残っているけど?」

「あれは無理ー!」

「フォーが体を張って守っているからー!」

「当たり前! あれがあって、今の我輩があるんだから! って、失敗作じゃなくて歴史だから、ボス!」

「ソウデスネ」


 とりあえず、あの大きな穴も一日で直すというギミックには興味がある。

 あとで見せてもらおうと思った。


 そうして、ファイブとシックスの案内で向かった先は、玉座の裏にある壁。


「いや、壁って!」

「慌てなーい! 慌てなーい!」

「この先は研究所。秘密は隠すのが当たり前」


 そう言って、ファイブとシックスが壁一面に対して左右に分かれ、壁の一部に手を添える。

 何をするのかと思えば、そのまま壁の一部をスライド。

 スライドした先にあったのは、綺麗に四角く掘られた、ただの窪み。


 ……まさか。


「「せーい!」」


 ファイブとシックスが、窪みに手をかけ、かけ声と同時に引く。

 壁が左右にスライドするように動き、新たな空間が出現。


 そのあまりの出来事に……呆れる。

 いや、そこはもっとこう、この世界的にオーバーテクノロジーで完全アウトだろうけど、自重を捨てて近未来的にしてもよかったと思うんだけど。


 それこそ、神様たちやエイトたちの生体データで開く、とか。

 だって、ここから先は秘匿性の高い、ヤバい施設じゃないの?

 それこそ、エイトたちを生み出した場所なのかもしれないのだから。


 なのに、その入り口が引き戸なだけなのは、さすがにちょっと……と思い、思わずフォーを見る。

 すると、思いが通じたのか、フォーの説明が入る。


「ボスの言いたい事はわかる。もっと他の方法があったんじゃないのか? て事だろ?」


 無言で頷く。


「その気持ちは我輩にもよくわかる。でも、よく考えて欲しい。この研究所はそもそもそう簡単に立ち入る事は出来ないし、それにこの島自体も容易に来れるような場所にない。つまり、他の場所に比べて、元々安全性は遥かに高い」


 ……まぁ、確かにそう言われてみれば。


「それでも万が一は起こるかもしれない。念のためという考えもあるが、わざわざ厳重なロックをかけて、解除に時間をかけるのはどうかと思わないか? なら、効率化を図って、こうなってもおかしくないだろう?」

「それなら、そもそもこんな風に壁の奥とか、秘密にしなくてもよかったんじゃ?」

「そこは我輩と神々の意見は一致している。秘密の部屋は必要だ、という意見が」


 こだわり……いや、様式美ってヤツかな?


「……たとえそうだとしても、いや、それならもっと厳重にした方が良いんじゃ……待てよ。効率化にも理由があるの?」

「そこら辺を厳重にすると、行き来で何度も何度も開けるのが面倒だから、と言っていた」


 誰が? というのは聞かなくても良いだろう。

 本当の理由だろうし。


「ご主人様。エイトたちを造った神々に対しては、あまり期待しない方が良いかと」


 エイトがそう付け足してくる。

 うん。わかってる。

 ここに関わっている神様たちに対して、元々期待はしていない。


 まぁ、近未来的なモノを見れなかったのは残念だけど……それは研究所なのに城だったんだから今更か。

 変な仕掛けもなさそうだし、楽に進めるのは助かる。


 そして、壁が開いた先にあったのは……大きな石の円盤が浮いていた。

 それこそ、俺とエイトたち全員が乗っても余裕がありそうなほどの。


「えっと……」

「浮遊石と呼ばれる石を利用しています!」

「階段だと行き来が面倒だと、こうなりました!」


 ファイブとシックスがそう言う。

 なるほど。

 階段だと面倒ってのは、なんかここの神様らしい意見だ。


 でも……ここで魔法的エレベーターにするのかよ!

 ワクワクするじゃないか!


 なんか、ここの神様たちの手のひらの上で転がされている感がある。


⦅安心してください。それはあり得ません。何故なら、神々を手のひらの上で転がす私を、手のひらの上で転がす事が出来るのがマスターなのですから。つまり、マスターが頂点なのです⦆


 いや、それで励まされたりはしないよ。

 というか、寧ろ、今完全に言ったよね。

 セミナスさんは、神様たちを手のひらの上で転がせるって。


⦅ワタシ、セミナス。アナタノエイエンノコイビト⦆


 急に機械的に!

 しかも、急に永遠の恋人って!

 そこは普通、トモダチとかじゃないの?


⦅他の言葉は登録されていませんし、登録されません⦆


 ……バグかな?


⦅正規仕様です⦆


 俺、スペック確認してないけど?


⦅私が世界全体を把握していますので、問題ありません⦆


 あっ、自分の事だけじゃなくて、世界全体なのね。

 ……神様ですか?


⦅いいえ、ただの凡庸なスキルです⦆


 凡庸とは一体……。

 とりあえず、先に進む事にする。


 エイトたちと共に浮遊石に乗る。

 もちろん、全員で。

 乗ってから、これからどうするのかと思いきや、内側の壁に、大きな出っ張りが一つあった。

 出っ張りの表面は平らで、その部分に大きく「↓」の図が描かれている。


 ……わかりやすいな。

 その出っ張り部分を、ファイブが強く押す。


 ガコン、と大きな音と共に出っ張りは引っ込み、浮遊石がゆっくりと下りていく。

 くっ。どういう仕組みなのかわからないけど、魔法的仕掛けなのは確か。大好き。


 ――チーン。


 そんな甲高い音と共に、浮遊石がとまる。


「一階でーす!」

「下へ参りまーす!」


 ファイブとシックスが楽しそうに言う。

 そのファイブの傍には先ほどと同じく出っ張りがあり、表記は「↓」。

 シックスの傍にも出っ張りがあり、表記は「↑」。


 その出っ張りで行き来が出来るようだ。

 そして、ファイブが先ほどと同じように「↓」の出っ張りを強く押し、浮遊石が再び下に向けて動き出す。


 地下、か。やっぱりあるんだね。

 それにしても……この浮遊石のエレベーターは、各階に自動でとまるのかな?

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