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この行く道は明るい道  作者: ナハァト
第十一章 竜の住み処と世界樹
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いつもの流れってのがあるから

 扉の前で話すのは迷惑だったようなので、扉を開けて中に入る。

 開けた先にあったのは、謁見の間のような造りの部屋。

 ただ、その造りは荘厳で、どこか神聖性を感じさせる。


 あと、全体的に置かれている物とかがでっかい……それに、広い。


 こういう時、いつも思うんだけど……大抵、というか、もう必ずと言ってよいほど、埃一つないよね?

 掃除とか、どうしているのだろうか?


 誰かがやっているのか……それとも、主が自らやっているのか……。

 出来れば、主がやっていて欲しい。

 なんか親近感を抱くから。


 ……でも、親近感を抱いてしまうと、逆に倒しづらくなるかもしれない。

 やっぱり、誰かがやっている説を推しておこう。


 うんうんと頷きながら、先ほど声をかけてきたであろう存在を見る。


 部屋のサイズに合わせて、巨大だった。

 いや、巨大なサイズに合わせて、この部屋が造られたのかもしれない。


 扉を開けた時は、奥にある玉座に戻るところだった。

 わざわざ聞こえるように扉の前まで来てくれたんだろう。

 ……良い人かもしれない。


 いや、人ではないかもしれない。

 ローブというか、マントのようなモノを羽織っているのでなんというか、人体でいうところの肩甲骨辺りが不自然に盛り上がっている。


 人ではない可能性に、自然とごくりと喉が鳴る。

 天乃と水連も、俺と同じように緊張していた。


 エイトたちとシャインさんにそういった様子は見られないので、頼もしさを感じる。

 それに、シャインさんなら勝てる、とセミナスさんが言っていたので、幾分か冷静になれる要素もあった。


 大きく深呼吸して、改めて相手を確認。


 玉座に腰を下ろし、こちらを見ていた。

 それは……竜。巨大な竜。

 ただし、全身が骨だけの竜。


 ボーンドラゴン……ドラゴンボーンとでも呼べば良いのだろうか?

 そんな骨だけの巨大な竜が、器用に玉座に腰かけていた。

 王冠はないけど王様っぽいから、ローブじゃなくてマントだろうな。


 そう見える一因に、玉座の傍らには、巨大な紫色に輝く宝石を中心に、いくつもの宝石を散りばめた杖が置かれている。


「さて……折角ここまで来たのだから、色々と話を聞きたいが……その前に一つだけ言っておこう」


 インジャオさんと同じく、どうやって喋っているのかよくわからない。

 ただ、その巨大さ故か、腹に響く重低音で、どこか威厳を感じさせる。


「……そんなに話好きなら、ワシを混ぜてくれても良いんだからね。こう見えても、長く生きている分、それなりの数の話題持ちなんだから」

『………………』


 ………………。


「集合」


 集まったのは、エイトたちだけだった。

 どうやら、天乃、水連、シャインさんはこの事態に付いていけていない。


「集合」


 もう少し大きい声を上げて、三人を呼ぶ。

 困惑しながらも三人が集まったので、円陣を組む。


「なんか言われる通りに円陣を組んだけど……あれに対応しなくていいの?」


 天乃が不安そうに尋ねてきた。

 多分、大丈夫じゃないかな?

 念のため、確認する。


「すみませ~ん! ちょっと話し合いたいので、ちょっと待ってもらっても良いですか?」

「いいけど……なるべく早くでお願いしたい。この状況で待たされると……のけ者にされているようでの……」

「あっ、大丈夫。そういうんじゃなくて……ほんと、直ぐ終わるから」


 巨大な存在からの許可はもらった。


「これで大丈夫」

「えっと……なんか慣れてない?」

「え? この世界ってこんな感じでしょ?」

「「え?」」


 天乃と水連から驚きの声が漏れる。


「え? 違うの? 大体いつもこんな感じだったけど?」

「……まぁ、明道だから、ね」

「……こんな感じになる訳ね」


 なんかよくわからないけど、天乃と水連は納得してくれたようなので何より。

 あとはシャインさんだけど……。


「……とりあえず、殴って黙らせれば良いのか?」

「うん。違う」


 シャインさんなら勝てるらしいけど、今はそうじゃない。


「まずは話し合いからです」

「まどろっこしい」

「なんでも直ぐ戦いに持ち込もうとしないでください」

「こういう時は、まずは話し合いからなんで」


 まぁまぁ、とシャインさんを宥める。

 いざって時の切り札ですよ、と伝える事も忘れない。


 エイトたちは……まぁ、慣れたモノだ。

 お任せします。と笑みを浮かべて俺を見るだけ。


 そこについては一言。


「いや、別に俺じゃなくても良いと思うけど?」

「いいえ。ああいう方を相手した場合、ご主人様に敵うモノは存在しません」

「あたいたちでも構わないかもしれない。でもな、確実性が段違いだ。主に任せるのが一番」

「アキミチ様にしか出来ない事なのです」

「そ、そう?」


 いやぁ~、なんていうか、ここまで言われると仕方ないよね。

 円陣から抜け出し、骨竜さんの近くに向かう。


「えっと……頑張って?」

「……応援してる?」


 天乃と水連から応援されたので、拳を上げる。

 ……あれ? 今、語尾が変じゃなかった?

 ……いや、気のせいか。


「殴りたくなったらいつでも呼べ! 殴ってやる!」


 シャインさん。

 えっと、聞こえていると思うので、そういう事を大声で言うのはやめようか。

 なんかちょっと、骨竜さんもビクついているように見えたからさ。


 そうして、骨竜さんと相対する。


「ど、どうも。話し合いの時間をいただき、ありがとうございます」

「いやいや、誰かが来るなど久しいからの。こんな僅かな時間くらいなら待てる。どうって事はない。ただ、お主、ワシのこんな姿を見ても臆さないのだな」


 まぁ、全身骨なのはインジャオさんで慣れているので。

 ……ただ、重低音が強過ぎて逆にキツイ。


 お腹に響き過ぎるというか。

 そう思っていると、それが伝わったのか、骨竜さんが反応する。


「どこか苦しそう……おお! すまんすまん! このサイズ差だと届く声量が違い過ぎるか。どれ、少し待っておれ」


 骨竜さんが杖を持ってゴニョゴニョ言ったかと思うと、ぺかーっ! と光る。

 すると、杖ともども骨竜さんがどんどん小さくなっていき、大体俺の倍くらいのサイズになった。


「これで大丈夫か?」

「あっ、はい。大丈夫です」


 なるほど。なんでもあり系の存在か。


「それで、えっと……あなたがこのダンジョンの主って事で良いんですか?」

「ふむ……まぁ、そういう事になるか?」


 なんか疑問形で答えられたように見える。

 何やら事情がありそうだけど……そもそも気になるのは、相手が骨竜だという事。


 DDの話によると、元々あったダンジョンの上に竜の住処が出来た。

 で、その元々あったダンジョンの主が、骨竜さん。


 ……上の竜の住処と、絶対関係あるよね、これ。


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