表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

掘りましょうシリーズ

掘りましょう♪3

作者: 秋月煉

お待たせしました。ようやく書きあがりましたので、こちらに投稿しますね。

念の為、書いておきますが、こちらにはBL系の描写があります。苦手な方は、バックをお願いします。


掘ろう~、掘ろう~、掘~ろ~う~♪


◇◇◇◇◇


俺の名は谷田 恭平。この前、40歳になり、ようやく役職付きに昇格した、まあまあイケメン(笑)のはずのサラリーマンだ。

本日は、嫌々ながら、友人の真衣の家に来ている。ん? 何で嫌かって?

事の起こりは、3カ月前に起こった、とある疑惑から始まった。まさかこの健全な男子であるこの俺に、俗に言う婦女子………じゃなかった。腐女子や、貴婦人………、貴腐人の方々の大好物、BL疑惑が浮上するとは思わなかった。最初は、さ、い、しょは!! 俺の勘違いだと自分に言い聞かせていたが、とある新入社員の子により、疑惑に格上げされてしまったのだ。

まあ、まだそこはいい。いや、よくはないな。会社の人達の視線が冷たくて痛いからな。

で問題は、そこに喧嘩仲間であり学生から付き合いのある、北村 由紀がいることだ。お陰様で、噂がさっぱり消えない。あいつが画策しているのでは、と俺は睨んでいる。本当に勘弁してくれ! だけどまあ、今はこの噂で助かっている半分、困っている半分なんだがなぁ。

はあ~。

そして今日、俺は親父から真衣の家に向かうように厳命されている。実は親父、真衣のスイーツの大ファンで、たまに頼んでいるんだ。いくら社長の兄だからって、公私混同しすぎだろ! まあ、社長もこのスイーツの虜だから、許してしまうんだがな……………。俺は真衣とは同級生だし、親戚だし、親友……………うん、気の置ける友人だ。そしてこの真衣、実は無駄にプロ顔負けの腕前を持っているだよ。いや、調理師免許持ってやがるから、プロに間違いはないのか?

普段は喜んで行く俺だが、今日は行きにくいんだよな…………。

なんせ前回、偶然が重なり、腐女子や、貴腐人の方々が喜ぶだろうシーンを、偶然にも真衣達の前で!! 体現してしまったのだ。本当に行きにくいんだよ!!!

察しろよ、親父も!! こんな時に頼むなよ、本当に!! こんちくしょめが!

だが、行くしかないのも事実。腹を括って、真衣の家のドアを開ける。


「こんちは~」


「いらっしゃ…………恭平!?」


俺の顔を見るなり、ぎょっとした顔になる真衣。


「どうしたの? お母さん、えっ? 恭平おじちゃん!?」


固まった母親を、いぶかしく思ったらしい近くに来た真衣の娘さんも、俺を見て母親と同じ、ぎょっとした顔になった。失礼な、ちゃんと生きてるぞ?


「あ、あんたっ!? 何したらそんなに痩せるのよ-----------!?」


動揺まじりの言葉に苦笑いするしかない。


「いや~、あの噂の所為で色々あってさ~」


軽く、お前らの所為だと、意味を込めていったら、またしてもぎょっとされ、眉間にしわが刻まれた。


「と、とりあえず、入って」


珍しく動揺している真衣に、内心、勝ったとガッツポーズ。前回のアレは、これで水に流そう。なんせ今回の発端に変わりはないのだから。残念ながら、な。


「親父が頼んだケーキは、出来てるんだろ?」


「え、えぇ、出来てるから、帰りに持っていってね、で! 何でそんなに痩せてるのよ!? あんたもう少し、肉があったでしょ? 激痩せするくらい、今の仕事忙しいの?」


は、は、は! そんなに心配されるくらい、俺は痩せたのか! 心の中で、またしてもガッツポーズ! なんか気持ちいい! 密かに感動していたら。


パシーーーーン。


「いてーよ、真衣!」


軽い軽快な音と共に、頭を叩かれた。その手には、いつの間にか新聞紙の束が。…………この前のフライパンよりはマシだろう、多分。音が凄いだけで、威力はないに等しいのだから。


「あんたね、こっちが真面目に心配してるのに、何よ、その態度は!」


あ、これは俺が悪かったか。てか、もろに顔に出ちまってたか? だけど仕方ないだろ? 笑いたくもなるよ、この3カ月の地獄を思えばな!!


「いや、すまんすまん、ここ3カ月、まともに食べれてなくてさ~」


俺の軽い口調の発言に、二人そろって眉間にしわが刻まれた。流石、親子。綺麗にシンクロしてやがる。


「実はな、3カ月前の、例の噂の所為で、拒食症気味と、女性不信と、男性不信気味になりつつあるわけ、ははは…………」


「笑い事じゃないでしょう!! なんでそんな事態になってるのよ!?」


普通はそう思うよな~? 隠すつもりはないので、素直に白状する。このまま続けば、間違いなく倒れる。このご時世に栄養失調は、さすがに遠慮したいしな。


「実は例の噂、うちの会社の腐女子社員と貴腐人社員連中が、他の会社の連中にも広げたんだよ、話すだけならよかったんだが、それがそっちの性癖………、薔薇っつうか、ゲイの方々にさ、本気にされたみたいで、仕事先の社員の目が怖いし、担当以外の男共の目が怖いんだよ、ついでに俺は独身だろ? 最近、昇格したから、役付きになったんだが、それを知った女共がマジで怖い! 肉食獣の目なんだよ! ハンターの! んで俺を狙うつもりなのか食べ物とかに、変な物を入れられそうになるし……………」


「「うわぁ…………」」


おいそこ、親子で同じリアクションとか、今はいいから!


「ん? 入れられそうになった? 何を?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「な、に、を?」


真衣のやつ、こんな時に細かいところを気にしなくても。


スパーン!!


「あたっ!?」


「あんたね! 普通にそこは気になるでしょう!?」


だからって、またしてもハリセンを使うことないだろうが!! 何で地味に頭ばかり狙うんだよ!? つーか今、どっから出した!?


「―-----はぁ、未遂だが、ビールに睡眠薬らしき粉を入れていたところを目撃したんだよ、そいつが入れたビールは飲まなかったし、二次会とか行かないで早々帰宅したからな、だから未遂で済んだんだが」


最初は困ったが、気づいた周りの奴らが、さりげなくフォローしてくれているから、今はどうにかなってるが。正直、このまま続くとマジで体がもたないぞ。大丈夫か俺?

ん? 俺を見てる真衣の目が座ってないか?


「よし、恭平、今晩はうちでご飯を食べなさい!」


「いや、今は昼を過ぎた1時なんだが」


「そうだよ、恭平おじちゃん、うちで食べていきなよ! お母さんの料理なら安心でしょ?」


「いや、だから今、1時………………」


「さあ、そうと決まったら、今晩は腕によりをかけて作るわよ!!」


「わたしも手伝う!」


おーい、お二人さーん、当人を無視して、先に決めないでくれー!?


「という訳だから、おじさんとおばさんに伝えておいてね?」


何が、ね? だよ! お前の中ではすでに決定事項だし、何よりも俺に拒否権はないんだろうが!


「の前に、恭平? あんた、お昼は食べたの?」


「ん? いや、そういえば、時間がなくて、忘れてた………………?」


「忘れてた? じゃないでしょう!! お昼、直ぐに作るから、食べていきなさい!!」


「あ、はい」


真衣の迫力に、俺は結局、首を縦に振るしかなかった。

因みにお昼は、まさかの海苔を巻いた混ぜおにぎりだった。消化も腹持ちもよくて、マジで真衣に頭が上がらない俺。結局、夕食もお邪魔することになった。

まあ、出るときに買い物頼まれたから、結局、パシリは確定なようだが。はあ~。

まあ、安全に食べれるのは、いいこと、だよな?


◇◇◇◇◇


夕方、また真衣の家に向かう。はぁ、疲れた。

今日は接待は入ってなかったが、午後の外回りの挨拶で、肉食系のガンガン攻めてくるタイプの女性社員に捕まってしまったのだ。何より面倒なのが、その女性が担当だということ。悪夢としか言いようが無かった。幸いにも、仕事とプライベートは分けるタイプだったから、仕事はどうにか終了したんだが、雑談で中々離してくれず、まさかの夜のアバンチュールに誘われそうになり、機転を利かせてくれた顔見知りの社員の方が、見かねて助けてくれた。本当にありがたい!

まあ、そんな訳で、俺はくたくたな訳だ。


「こんばんは~」


まだ真衣の愛しの旦那様である、晃さんは帰宅していなかったようで、俺はダイニングに案内されたあと、ビールを出された。


「悪いけど、夕食は旦那がくるまで待ってね~、ところでさ、由紀に聞いたんだけど?」


「ん? あいつ何か言ってたか?」


最近は挨拶まわりやら、仕事に追われ、喧嘩仲間たる由紀とは会話らしい会話もしてない気がするんだが? あいつも忙しいからな。


「あんた、仕事にかまけて、お昼抜いていたんだって? 本当なの?」


ん?


「忙しかったのは、あるな、食べる時間なかったし、まぁ、恐怖で食べれなかったのもあったかも?」


てか、真衣の眉間にしわがくっきりと…………。まさかだが、怒ってないか?!

困ったな、本当に理由としては、忙しかったのもあるし、恐怖もあるんだよ! 何かしら、入れられてるんじゃないかって、最近は疑うようになったし。それもこれも、薬を入れたあの肉食女子のせいだ!!

真衣を困らせるつもりは、なかったんだがな。


「よし、分かった、しばらくうちに通いなさい」


「いやいや、そこまで悪いし、何より明日から俺は出張だから、普通に無理だ」


ジトッとした真衣からの視線が地味に痛いが、仕方ないだろ? 出張は、前から決まってたんだから。俺だってな? 何とか少しは食べてたんだよ。本当に、肉食女子のせいだ! いくら目の前で作ってくれても、疑っちまうんだよ!

マジで疑いのない食べ物って、自分で作るか、両親に頼むか、ここで食べるか、コンビニかの選択なんだわ。あ、一人でお店……………は、うん、無いな。ナンパ女子………たまに男性、が来るからな。


「うわぁ、救いようがないわ、しゃーない、帰ってきたら、しばらく寄りなさい、おばさん達も旅行に行くらしいし」


はぁ!? 何で真衣が母親の予定を知ってるんだ?! 俺だって今日、知ったばかりだってーのに!?


「何を驚いてんのよ? さっきケーキの感想電話が来て、ついでに、あんたのことを頼まれたのよ」


母さん、俺は学生の子供か!? これでも社会人だぞ!? 自分でどうにか………、うん、無理だな。さすが俺の親。分かってらっしゃる。


「あ、由紀も夕食に来るから、文句は本人に言いなさいよ?」


おや、原因の一端は、バレていたわけか(笑) まあ、散々愚痴ったからなぁ、仕方ないか。俺に被害が出たから、真衣が動いたな? 昔から、そういうとこあるかなあ、こいつ。


「真衣~♪ 手伝いにきたよ~、これはお土産ね、皆で食べて~」


考え込んでいるうちに由希がきたようで、その手には何やら包みが。後ろからは、旦那さんと、3人の子供達。相変わらず、元気なようだな。


「いらっしゃい、由紀、恭平が話があるそうだから、少し話してきたら? 子供達はうちの子が見てるから安心して」


由紀の顔が盛大にひきつった。こいつは自覚あったのか!? なら、助けろよ!! 真衣のご厚意で、隣室の一角を借りて話し合い。


「あのー、恭平? 本当に悪かったわ、まさか、皆が悪乗りするとは思わなかったの、あんたにここまで被害が出るなんて………………」


「まあ、悪いって思ってるならいいが、いい加減、噂を消してくれよ! マジでまわりの目が怖いんだよ!」


「わ、わかったわ、責任もあるし出来る範囲は頑張って消すわ」


まあ、期待しないで待つとするか。噂も七十五日というし。そうこうするうちに、料理が出てきて、俺は久方ぶりに心行くまで、食べる事ができた。はあ、マジで真衣のご飯はおいしいな。


◇◇◇◇◇


こうして、不安な出張は始まった。

簡潔に言おう。


全 然 、 大 丈 夫 じ ゃ な か っ た ! !

 

初日から向かったご新規の会社さんは、中々大きな会社で、社長さんは尊敬できる、素晴らしい方だった。………………そこにたまたま居合わせた、社長の孫娘さえ、斜め上の行動を取らなければ、な。


「おじい様、私、あの方に一目ぼれしました!」


俺の仕事が終わり退席した直後、こう叫んだのが嫌でも聞こえた。扉の横に居たからな、俺。いやでも頭を抱えたよ! 此畜生!! 案内役の社員さんが、憐みの視線を寄越したのが、マジでつらい! 何でも、あのお嬢様の一目ぼれは、社内でもかなり有名らしい。道理で、皆さんが優しい目で見てくるはずだ。

まあ、とりあえず、他にも回る予定があったから、俺はそそくさとその会社を後にした。その後は、特に何もなく、平穏無事に仕事は終了した。

問題が起きたのは、ホテルで、だった。


「谷田様、お連れ様がお部屋でお待ちでございます」


連れ? 俺は連れは居ないはずだが? きょとんとなったぞ、この時は。何かおかしい。


「すいませんが、俺に連れは居ませんが? 何かの間違いでは?」


フロントの係りの人にそういうと、流石にフロント係も顔色を変えた。奥の人が警備員を呼びに行くのを確認しつつ。


「お通ししたのは、婚約者の方と伺いましたが………」


「俺には婚約者は居ませんが?」


今度こそ、フロント係の表情がやばいことになっている。おいおい、普通は確認するだろう!? 婚約者を名乗ったという事は、相手は女性だろうな。それもホテルに突撃するほどの根性を持つ女性-----------居たな、そういえば。気の強そうなご令嬢が。


ま さ か ! ?


「ちょっと、確認したいところがありますので、部屋に行くのは少々待って頂けますか?」


受付の人と、警備の人に了承を取り、俺は愛用のスマホでとある方へ電話をかける。

結果から言えば、予想は当たりで、その方が”お迎え”に来てくれるそうだ。いや~、土産話が出来てしまった。あの二人なら、嬉々として色々と活用しそうだな。俺のエピソードを添えて。仲良しのメル友さんも何か書いてくれたりして。

何て馬鹿な考えをしつつ、皆で部屋へ行く。扉を開けると、案の定、中にはあの会社の社長の孫であり、名も知らぬお嬢様(笑) 満面の笑みでお出迎えをして下さった。それはいいとしても。

せめて、普通の格好でいてくれよ!! なんで無駄に色気満々の下着姿なんだよ!?


「おかえりなさい! 待ってましたのよ!」


いやいや、待ってたも何も、俺は貴方とは知り合いですら無いし、もう滅茶苦茶だろ。マジで俺の女運は悪すぎやしないだろうか? 後ろに控えているホテルマンさんと、警備員さんの視線が居たたまれない! 哀れみ一択とか、俺が何をした! 畜生目が!

が、ここには、この方の身内がいらっしゃってまして。


「こらっ!! お前は何てことをやらかしてるんだ!?」

 

大変ご立腹の社長さん。穏和な顔立ちなのに、青筋が出てるって、お? マジギレしてないだろうか? まあ、今後を考えたら頭が痛いもんな。マジギレも仕方ないだろ。


「えっ!? 何で御じい様がここに!?」


ぎょっとしてますがね?


「お前が勝手にこの部屋に来てると、連絡があったからだ! さっさと服を着なさい! 何だ、その恥ずかしい姿は!」


結局、彼女は御じい様に連れられて、帰宅をした。散々粘っていったがな。だが、一番腹が立つのは!!


「わたしの下着姿に立たないなんて、あんたは不能ヤロウよっ! 信じらんない!」


帰り際に言ったこの言葉。一言余計じゃ!! 小娘相手に欲情するかっ! 寝言は寝てから言えっ!!


◇◇◇◇◇


無事に出張も終わり、会社に顔を出した後、俺は真っ直ぐに家へ向かい、荷物を置いて、お土産を持ち、真衣の家へ向かった。勿論、今回の愚痴を聞いてもらうために、決まってるだろう!


「こんちはー、真衣、愚痴を聞いてくれっ!」


開口一番、俺が言った事に、やっぱりな顔をした真衣。さすが、何かあると感じていたらしい。いやはや、流石、親友(笑) 上がって開口一番、愚痴を言いまくった。勿論、大爆笑してくれたよ!! だよな! 非常識娘に同情なんていらん!!


「凄い子に当たったものね、よし、この話、メル友に書いてもらおう! 今度、BL系の話を書くって言ってたから、喜ぶわ~♪」


こうして何故か、俺の自爆体験や、今回の話も混ぜた、BL系話が出来ることとなった。

題名は『掘りましょう♪』だそうだ…………ブルッ。

先に言わせてくれ!


俺はノーマルだぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!











お読みいただき、ありがとうございます。そして、読了お疲れさまでした。

いつもよりも長くなってしまいました(;一_一)

さらには、忙しくて書く時間がなかなか取れない。でも、時間を見つけて、また執筆したいと思います。

また、宜しくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] うわあっ! ふつうなら、「ヤッホー」ってなるシチュエーションなのに、かなり酷い! 泣けてきますな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ