男と女の出会い
自分の事が好きか、と聞かれて即答できる人間はいるだろうか。好きと言っても何が違う、かと言って嫌いとも言えない…。そんなニンゲンが大半だろう。
私はどう言うかと言うと、「嫌い」と即答することになる。私は自分が大っ嫌いだ。何も出来ない、取り柄もない、ルックスも良くなく頭も悪い。色々なことに挑戦して中途半端で終わる、俗にいうダメ人間だ。
些細な過去によって性格が捻くれた、ゴミのような男である。
そんな男ととある女の、非日常のような物語
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その女、池田ゆりなに出会ったのは高校に入った時だ。私は中高一貫校で中学からエスカレーターで高校に来た反面、ゆりなは高校から外部受験でこの学校へ来た。
私自身その頃から性格がひん曲がっていたわけで、正直なところ興味すら持てなかった。強いて言うならSNSのタイムラインで「〇〇と遊びに行った〜☆」と言うのばかり見かけていた。なのでそいつには「リアルを充実させた私とは無縁な女子」としか思っていなかった。私自身友達がいないかと言われるといる部類に入るわけだが、昔色々あったわけで、軽い人間不信に陥っている。それもまた後日話すとしよう。
ゆりなは容姿端麗、頭脳明晰、コミュニケーション能力もあり、仲の良い友達がたくさんいる、所謂リア充。アニメとゲームが好きで性根が腐っている所謂オタクの私とは別次元の存在と思っていた。
その年の夏、私はソシャゲの水着イベントに熱を入れながら学校の「応援団旗作り係」なるものに入ったわけだが、どういうわけかその女子も一緒になって入ってきた。私も多少なりとも心得があったし、ゆりなが絵が描けるのは知っていた。だから特段興味も持たず団旗作りをスタートさせた。
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「水を含めたハケでちょっとずーつ塗っていくといい感じにグラデーションができるのよ」
ゆりなは中学の頃に美術部に所属していたらしい。私は絵の具やペンキ、ハケなんて使ったこともなかったので少し教えて貰いながら作業を進めていた。
「難しいな、どうしても滲んで線から色がはみ出る」と私が言うと、
「水気が多いから少し乾かしてから塗るといいかもしれない」とゆりなは答えた。何なんだこいつは親切の塊みたいなものなのか
何故こいつは私にこうも教えてくれるのか…
これが私とゆりな、真逆の男女の日常的で非日常のような出会いである。
眠いです
少し少なめのストーリーをちょこちょこ上げるつもりです。どうぞよろしく