プロローグ まずは『自己紹介』から
まずは俺の自己紹介から! 名前はヨシト。二十歳の大学生、どういう訳か今は異世界にいる。
中学の時は素行も悪く手が付けられないヤツで、世間様では問題児扱い。何故かと言うと無理も無いだろう、親が三度の結婚に離婚、俺は三度も名字が変わったり。母親はいわゆるバツ三、こんなにバツが付いてるのに、四度目の結婚だ!? ホント勘弁して欲しいぜ。引越しもウンザリするほどしたお陰様で友達も少ない……コレでグレないヤツがドコにいるってんだよな。
俺は新しい環境に馴染めず中学は不登校キメ込む始末さ。学校側には病気って事にしておいて、家ではダラダラしてゲームしたり、アニメ見たり、お先真っ暗な生活して高校になんて行く気はさらさら無かったが、親に受験を迫られ、たまたま受けた高校が運良く定員割れで合格出来た。
まぁ、お世辞でも頭が良い学校とは言えなかったな。入学後はクールキャラでなんとなく高校生活を過ごしていたら、あっという間に卒業シーズン到来。特に進路は決めてなかったが大学ってヤツに興味が出て来た。
俺はためしに受験してみたら、中学も真面に行ってないヤツがまたもや運良く合格、高校も無事卒業出来た。薄々気付いて来たんだが、俺はかなり強運の持ち主だと思う。
ところが、大学生活は俺の考えた様な華やかなスクールライフじゃなかったみたいだ。
相も変わらず友達の少ない俺は学業そっちのけでギャンブルに明け暮れる日々を過ごしていた。
そんなある日の事、俺はいつものようにスロットを打ちに……
その日は新台解放の日だった。朝イチで並んで初打ちでもして来ようと思い、行きつけのパチンコ店に足を運んだ。気が付けばあの台は一千回転近く回ってたっけな。軍資金が底を尽き、帰りの交通費さえコインと化し、財布が空っぽの状態、全く情け無い話しだよな。最後の砦でもあるコイツをコインに変えてダメだったら……たまにはゆっくり歩いて帰るのも悪くないと思って勝負に出たんだが、これまた運良く大当たり。ひと息着こうと自動販売機へ缶コーヒーを買いに行った。朝イチで並んでスロットを打っていたので朝コンビニで買ったタバコも残り少なかった。
ふと席に戻り気が付くと、何故か俺は何も無い静かな暗闇で缶コーヒーと空っぽの財布と残り少ないタバコを持ってポツンと座っていた……
ここから俺の不思議な異世界生活が幕を開けたって訳。