序章:終わりの箱、始まりの鍵
初めまして、人生の中で初めて書いたであろう小説を投稿させて頂きました。
なので、文章が曖昧で分かり難いイメージがちらほらとありますがご了承ください。
まだ、序章しか書けてないのですが近いうちに第一章を書き終えて乗せたいと思います。
では、どうぞです。
西暦XXX年。
いや、西暦に含んでいいのかすら危うい。
赤黒く滲んだ空、緑が枯れ荒れ果てた大地。
かつて、人類が栄えていた文明は音が鳴り響くように崩れ去った。
そんな中、少女は夢を見る。暗くより深い深淵の溝で両手に黒い箱を持ちながら嘲笑う。それはまるで起こってしまった出来事を楽しそうに、愉悦に浸りながら一粒の涙を流し込む。
その涙が箱に溶け込みより一層周りが歪み始める。
「誰か、私に教えてくれ――」
少女は独り目を瞑りながら箱をぎゅっと握りしめた。
文明が崩落してから行く度の年月が過ぎ去ったこの頃。人類が全ていなくなったかと言うとそれはまた別の話で人類はまだ生存していた。
かつて滅びた文明を復興する事は出来やしなかったが変わりに別の文明が栄え、町や村が出来始めた。
その別の文明が栄えたであろう数あるとある一つの町で店や家の中でも無くとある大通りを全身ボロボロのコートを羽織っている男性と分厚い本を両手に持った小さい少女が険しい顔をしながら話し込んでいた。
「今日こそは絶対にお迎えさせなければ…」
「それ、昨日も言ってるようですけど来ませんでしたよね? 」
「はぁ…」
男性はため息交じりに空を仰いだ。
「なぁ、白吉。この空っていつまで濁ったままなんだろうな」
「だから、私の名前はシロ吉じゃ無くてシロニクルだと何回言えば良いんですか? 」
少女、シロニクルは男性の目線に合わせるように飛んで空中に浮いた。
その光景を見た町の人達は驚いた様子も無くただただ目的地へと足を運んだり周りの人達と話したりと気にした様子は無かった。
「だから、シロニクルだと呼びづらいから白吉と呼んでんだろ?ってこれも何回言ったんだか…。あぁ、こんな時に空から急に降ってこねえかなぁ」
「そんな都合よく…いやいや、この町を導く者に何て事を」
「冗談だ冗談。けどまぁ、本当に来るのか?と言うよりも存在するのかシンボルのアリス様って奴は? 」
「はい。…と言いたいのですけどかれこれ一ヵ月来てませんよね。他の町のデータ分析したところ来てもおかしくは無いと思いますけど」
「他の町なんて行ったことねえから分からねえけど嘘ついている訳じゃ無いんだよな? 」
「はい。それに、他の国の方からもアリス様がいなければ国の物にすると言われてますよね? 」
「まぁ、そりゃあそうなんだろうけどな…。どうした物か…」
男性とシロニクルはそのまま町のはずれ、門の入り口にまで辿り着いた。
「今日もお外に探しに行くのでしょうか? 」
「まぁな。駄目元でもアリス様って奴を探さなきゃならないしな」
「でしたら私もお供します」
シロニクルと男性はそのまま町の外に出歩いた。
「白吉よ、歩くの遅くねえか? 飛ばないのか? 」
町から出て数時間が経ち枯れた草木や壊れた道路、所々に瓦礫の山が放置されている荒んだ道を歩く男性とシロニクル。その先頭を歩いている男性が後ろを振り向いた。その額には汗がにじみだして肩を上下に動かしていた。
「しょうがないじゃないですか。何時間歩いてると思っているのですか? 私はあなたよりも数倍小さいのですよ?それに、飛ぶのだって疲れるのです」
シロニクルは本を大事そうに両手で持ちながら歩いていた。
「そうか? …ってもう昼時か。早いなぁここらで休憩するか」
男性は腕時計をおもむろに見ては近くの瓦礫の山に腰を下ろした。
「4時間。4時間もこんな道を彷徨っていたのですよ! 」
シロニクルも男性の近くに辿り着くや瓦礫の上にそのまま座り込んだ。
「わりぃわりぃ。お弁当あるから許してくれ」
男性は何処にしまえる場所があるのか分からないコートの裾から二人分の弁当箱を取り出した。すると、その時――。
どいてどいてどいてどいてどいてぇえええええええええええええええ! !
上空から何やら声が轟きシロニクルは座りながら上空を見上げると遥か上空から少女が落下しながら向かってきてた。
「あ、ありがとう…? 」
突然の出来事にシロニクルの目が点となった。
「どうしたんだ白吉? 」
「いや、はい。訳の分からない事を言いますが女の子が一人落っこちてきます」
「うん。本当に訳が分からないな。お前みたいな特殊でもない限りそれは無い気がするんだが。大体、こんな何も無い所が何もかもが破壊されつくしている所に人が落ちて来るなんてあほな事、起こる訳が無いだろ? 」
「それは、そうなんですが…。しかも、このまま行くとハドワークさんにぶつかります」
「俺に? もしかしてからかってる?さっきの事をそんなに根に持ってるとは…って、どわー! 」
「あいたー! 」
「って、私までですかー! 」
そのまま、少女が男性の頭に着地もといぶつかって行き不安定な足場であった瓦礫が崩れそのまま三人とが瓦礫の中に落ちて行った。
この出会いがまさか町の運命を大きく左右する出来事になろうなんて、この時の三人は知る由もなかった。




