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東陽町の名は世界に轟く

 開けて翌日、宇宙くんの宇宙への帰還をみんなで見送りに東陽公園にやって来た。

 「ありがとう、宇宙くん。あなたの宇宙パワーのおかげでフカバスに戻れたよっ」

 「ううん、君の力だよ哲子。頑張ったね」

 「頑張ったよ」自然と笑みもこぼれる。

 「宇宙ちゃん、これ宇宙船の中で食べてね」お母さんが大量の東陽ライスを手渡すと宇宙人は大喜び。よく飽きないな。

 「哲子。君の母上は何を渡したの?」

 「東陽ライスですよみかかさん。みかかさんも食べます?」

 「ひぃい。哲子ちゃんがいじめるよぅ」といくるみちゃんの影に隠れてしまう。こわくないよ〜。微妙にやりづらいのだが、数週間もすれば本当に元通りの関係に戻るだろう。そう願いたい。


 「哲子のおかげでようやく宇宙に帰ることが出来ます。哲子ありがとう」キスは遠慮して私は宇宙くんと握手する。

 「哲子は彼に一体何をしたんだ?」

 「小銭を渡したらしい」

 「なんだ、私に行ってくれたら大枚を」

 「お札じゃ駄目なんだよ〜」「ね〜」

 「君たちが喧嘩をすると街の人達が迷惑するから程々に。それではさようなら、君たちのことは忘れない」そう言うと宇宙船(滑り台)の中に入り、宇宙船が輝くとあっという間に空の彼方に消えた。

 「行っちゃったな」「ですね」

 滑り台があった場所には大穴が残された。

 「何かで塞がないと」「あぶないですよね」取り敢えずは立入禁止の策を設置してフカバスの面々と哲子の両親は東陽公園を後にした。

 

 後日談。地球から脱出した宇宙くんは地球を紹介する本を執筆。その本では東陽町が地球の首都として紹介され、東陽ライスも宇宙的珍味として紹介されていたのだが、その本が宇宙的にミドルヒットを記録した。

 その結果、東陽町が地球で最も有名な街になったのだが、残念ながらその事をフカバスのメンツは知らない。また、東陽ライスを求めて宇宙人がお忍びで東陽町にやってくるようになった為、東陽町には東陽ライスを出す店が増えた。東陽ライスのお店の多くはフカバスの直営だったのでフカバスの財政は大いに潤ったという。

 東陽ライスは地球人には受け入れがたい食べ物であるため、流石にこれは宇宙人が大量に東陽ライスを食べに来ているとフカバスの面々も理解し宇宙くんもまた東陽ライスを食べに地球にやってくるのではと期待した。

 宇宙人専門に店を出すのも見栄えが悪いので、だって、ランチタイムにガラガラとか結構悲しいよ?地球人の常識に合わせた東陽ライス2も販売したがこれは地球人にも宇宙人にも好評とはいかなかった。


 「今回の騒動は一体何だったんでしょう、先輩」

 「あんたの苗字が明らかになったんじゃないの」

 「私の登場も忘れないで下さいよ」と江東子。

 「この子次からも出てくるんですか?」「痛っ」江東子が哲子の足を踏みつけた。

 「出ますよ〜皆さん私の歌を聞いてくださ〜い」

 江東子が東陽小学校の体育館のステージで東陽マーチを熱唱した。うん、たしかに歌は上手い。哲子は東陽町駅の発車メロディが東陽マーチだったら良かったのにと思った。


おしまい

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