舞い降りたエンジェル
バフっと見事に永代通りに着地した先輩のパラシュートを外すのをいくるみちゃん達が手伝っている。
「待たせたわね」「先輩」「お姉さま」お姉さま!?
「っていうか、パラシュートで来る方が絶対時間かかるよね!」
「哲子はわかってないなぁ。まぁそれは置いといて」一息置いて。
「あぁ、私をめぐって二人の少女が戦うなんて我慢できない〜」「えっ」「はぁ?」別に先輩を争って戦っているはずではない、はず。
ここで、例によって先輩のケータイが鳴る。
「みかかよ。あんた哲子をなんとかなさい」
「なんとか。でも、今の哲子ちゃんに私の攻撃当たんないわよ」宇宙パワーのお陰です。
「みかか、哲子はねぇフカバスに戻りたいって言ってんのよ。あんたに家を燃やされて、なおね」
「そいつはフカガワだっ」
「苗字がね」
「それにさっき高校の塀に落書きをしたっ」落書きの画像がディスプレイに表示される。
「あぁ、これは私の指示」
「園子、きさまっ」
「いいこと、みかか。あなたが哲子をフカバスに戻すって言いさえすれば全ては丸く収まるの」
「無理な相談だな」
「いくるみ達だってそろそろバイト(仕事)に戻らないとヤバかろ?」みかかの元にキャッチが入る。
「みかかちゃ〜ん、そろそろ私達だけじゃ仕事がおいつかない、ヒィイ」バックで呼び鈴がピンポンピンポン鳴り続けている。
「まだか〜ルームサービスはまだか〜。それとマッサージもじゃ」ホテルで父ちゃんが微力ながら後方支援していた。
「くっ、長引かせすぎたようね。座ってiPhoneいじってられる楽な職場以外のいくるみ達はバイトに戻りなさい」
「は〜い」現場に残ったいくるみちゃんたちは一割ほど。
「お仕事がんばってね〜」「フカバスファイトだお〜」




