戦闘開始
その夜、深川ファミリーと宇宙くんは東陽高校の校門前に集合した。その後の話し合いで、作戦のメインは哲子が一人で担当。父ちゃんは陽動として再びホテルにチェックイン。母ちゃんは学校に居残りバックアップ。宇宙人は直接地球人の闘争に関与出来ないということらしかった。ただ、宇宙パワーは貸してもらえた。
「それじゃぁ、準備はオッケー?」
「頼んだぞ哲子」頷く私。
「哲子ちゃんの希望が叶うと良いわね」お母さんにギュッとハグされる。
「なるべく被害は出さないようにね」
「頑張ってみる」
宇宙くんは投げキッスをしてきた。
「じゃぁ、やっちゃうよ」
私はスプレー缶を上下にカッチカチと振り、白い東陽高校の塀に黒いスプレーで”フカガワ高校”とでっかく落書きをした。書き終わるいや否や辺りにけたたましくサイレン音が鳴り響く。そして、近隣の店からいくるみちゃん達が一斉に飛び出してこっちに向かって走って来る。その数は数十人、いや百人は居るかもしれない。多勢に無勢である。
ここで、私は宇宙パワーを発動させる。その名もいくるみ無双。このチートは一人で沢山のいくるみをちぎっては投げちぎっては投げ出来る。ゲームの要領で私がいくるみちゃんに攻撃をしたり挨拶をしたりウィンクしたりため息を付いたりするだけでいくるみちゃんは吹き飛ばされていく。もっとも、吹き飛んだいくるみちゃんがビルのガラスや壁にぶつかり、地上に落ちてくるとまるで寝起きのように立ち上がり、ややすると元通りに走って私の所にやってくるのではあるが。
「わしも、ホテルに行くぞ」手を振って見送る母ちゃん。
「宇宙ちゃんはどうする?東陽ライスを食べますか?」宇宙船に帰ってことの行く末を特等席から見守るつもりであったが東陽ライスの誘惑には勝てず、母ちゃんと一緒に校内に入って行った。




