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夢幻螺旋

気張らずみてください。

PIXIVと重複投稿してます。

これほどまでの恐怖を感じて僕はまだ立っていたのだ。

足は完全に朽ち岩肌の道が僕の足から血を出させようが、関係ない。

流線型の心臓が音を立てこの沈黙した界を刺激していた・・・

                   ~to be continue~


ふと息を吐き目を瞑る。

さすがにニ徹はきつい・・・そう思う暇も無いまま睡眠欲は俺の脳を支配した。


俺の意識が意識として理解したとき目の前は小学校の校門だった。

ただの小学校ではなく昔通っていた小学校。


「懐かしいな、花咲小学校」何だか口にしなくても良いのに口にしてしまった。

懐かしすぎると心も体も悠長に踊る。


校門を潜ると誰も居ないが生活観が確かにあった。


グラウンドに立てられた三つのハードル。

三つの内一つは倒れている。

失敗したのだろうか、設定が細かい。


左の体育館横にあるテニスコートにはラケットとボールが無造作に並べられていた。

俺はラケットとボールを拾い上げスカッシュをし始めた。

勿論失敗はせず、永遠と続くだろうスカッシュに別れを告げテニスコートの真後ろに位置する学校の玄関に足を運んだ。


人気の無い学校は本当に不気味そのものだ。

やけに背の低い下駄箱も意味もわからず恐くなる。

だが懐かしさと興味で俺の頭は膨れ上がっていて恐怖は一瞬で過ぎ去って行き、増長する冒険心を足の動力へと変えていた。


鬼ごっこをしていた体育館。

ぼや騒ぎを起こした理科室。

口パクで誤魔化し歌う音楽室。

仮病を見破る先生が居た保健室。

色々な思い出が蘇って来ていたが、二階の隅にある教室にはまるで見当が付かないほど思い出がなかった。

むしろ思い出に無い方がおかしいぐらいなものなのだが・・・


その教室の扉は鎖が掛けられていて更には南京錠で扉を強固に守っていた。

そんな様相の扉を見ようものなら、好奇心に胸躍らせた少年達はペンチで南京錠ごと取り外し中を見たがるに決まっている。

むしろ、やんちゃ坊主であった俺がやらない訳がない。

疑問だらけで考え耽っていると、いつの間にかその教室の前に居た。

俺が歩いたわけではない、教室から近づいてきたというか・・引き込まれていたというか・・・

言葉や文にはしにくい独特の雰囲気とまどろみの様な感覚に襲われている・・・そんな感覚。


訳はわからないが起こっている事は理解できる。

今教室に入りたがっている俺に呼応するようにそこにある扉は近づいてきた。

これが結論だ。

これ以外の何ものでもない。


”開けよう”


そう心で念じ南京錠を見るともうすでに鍵は開いていた。

異様な雰囲気なのは空気の読めない俺でもわかった。

知っている場所にある知らない場所。

世界の異物を今垣間見たような感覚である。


そんな思いで心を馳せながらも腕は脳とずれて扉の取っ手に引っ掛かっていた。


不気味な扉は妙に重かったが俺は両手に力を入れ一気に扉をスライドさせた。

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鉄が鉄を叩き擦れる音は何とも不愉快だが朝には一番の味方となる。

カーテンは暗闇好きな俺の好むUVカット使用で陽は入ってきてはいない。

小説を一気に書き上げた疲れで座ったまま寝ていたようだ。

腰と首が悲鳴を上げている。


顔を上げると大変な事態に気づき思わず静止していた。


編集社に持っていく締め切り時間は朝の10時・・・現在9時。


あと一時間で走らなければならず尚且つ首と腰は寝違いというか疲れによって鞭打たねばならない。



”いや、走ろう”



書いた小説を保存し、すぐさま印刷をクリックした。

この間10秒足らず、パジャマ(昨日着ていた私服)から掛けてあった緑と白のラグランとデニムを着る。

この間3分足らず、机に置いた財布、印刷し終わったばかりの温かい原稿を3年使っている汚いショルダーに忍ばせ家をあとにした。

この間5分足らずである。


編集社までの道は駅まで走って10分(多少の休みも入れる)。

駅から2駅過ぎて降り、そこから走って30分といった所だ。

間に合うといえば間に合うのだがゆっくり景色などを眺めながら行くのが一番の安らぎである。

過ぎ去っていくだけの景色なんて景色ではなく普遍的な映像と認識する。

俺は忙しいアクション映画よりはゆったりとした写実的映画とで言えばいいかな?。


そんなこんなで忙しい疾走散歩はあっという間に編集社の前に着いていた。


看板には青に黄色の字で「白昼社」これがこの編集社の名前である。

この白昼社で連載を始めてもう3年になるだろうか。

今から4年前、上京して書いた小説の原稿を色々な編集社に渡しまわっていた。

その中でも大層俺の原稿を気に入ってくれたのがこの白昼社である。


綺麗な青硝子の自動ドアが開くといつも綺麗な受付がいる。


「おはようございます先生」{橘 圭子}は白昼社ではマドンナと評されるのも無理はなく本当に美人だ。

何か良い言葉で形容したいのだが・・・いかんせん美人を前にするとあまり思いつかないものだ。


「おはよう」俺はいつも最初の言葉は素っ気無い感じになってしまう。


「今日も危機一髪ですね」圭子はお世辞ではなく天然で皮肉が上手いのが特徴だ。


「痛い所を突かれたね、ではまた」俺は圭子の笑顔を尻目に手を振り、受付を抜けてすぐのエレベーターへ乗り込んだ。


エレベーターには見知らぬ熟年男性が立っていた。

その男を背中に向け俺は目的地である5階のボタンを押した。


「あんた作家さんかね?」背中側から声がした。


「はい、そうですが」俺が振り向くと普通の男性だった。

齢は40ぐらいで身長は160後半、黒に赤のラインが入った毛羽立ったハットに茶色のチェスターコートを羽織、如何にもな靴を履いたどこをとっても紳士な普通の男だ。


「気をつけなよ」彼は言った。


「何にです?」俺は心底焦っていた。

見知らぬ男に話掛けられた事に焦るというよりも締め切り時間に焦っていた。


「作品は生きてるんだ、それを生かすも殺すもあんた次第ですから」紳士っていうのは皆頭の螺子が少し緩い方のか、はたまた凄い芸術家さんなのか・・・深理である。


「気をつけます」そう言うとエレベーターは5階に着いた。


「では急いでいるので、また」俺は急ぎ足で廊下に出ていった。

少し気になりエレベーターを見ると、扉が閉まりかけた時だったが彼は何かをつぶやいていた。

俺は唇心術などはできないが確かにこう聞こえたというかテレパシーのように頭に響いた気がした。


”気をつけなよ”


そんな言葉に大して考える暇はなく締め切りの時間はもうあと2分に迫っていた。

廊下を慌てて走り直角に曲がり5m先にある部屋に着くと


「またか先生・・・危機一髪だったな」笑いながら俺に問いかけたのは金も無い才も無い俺とワンツーマンで小説を教えてくれた編集社員{松元 宗次}(まつもとそうじ)だった。


「今回も何とか」俺は汗苦しい顔に笑みを浮かべ宗次さんに言った。


その言葉と共に宗次さんとデスクに着くと息を整える暇はない。


「さぁ早く続きを見せてくれよ、確か主人公が禁断の地カダスを求め針の山へ向かう所だったよな?」

宗次さんは編集者として俺を待っているのではなく作品を心底愛し続きを楽しみにしてくれる読者の一人でもあった。


原稿を宗次さんに渡し、宗次さんは原稿を手に取るとすぐさま読み始める。

読む様は今にも危機迫る表情であるのだが、この読み待ちが一番緊張させられる。

つまらないと言われたら・・・色々な不安が頭を過ぎる。

だが今回は他の事も頭を過ぎる。

それは今日の夢を思い出せない事・・・あの話だけでも小説にできる内容だったと思い悦を感じていたが、どうにも思い出せない。

あまり良い噂を聞かないが夢を日記につけるのも悪くはないかもしれない。

あまりオカルトめいたモノを信じる性質ではないし、それに何よりも小説のネタになる。


そしてもう一つはあの言葉だ。


”気をつけなよ”


あのおじさんは何者だったんだろうか。

疲労困憊から来る幻視だったんだろうか。

あの言葉自体は気にはならないが奇妙である事には変わりなく、心の奥底で沸々と煮え切らないままだ。


そんな考えに耽っていると宗次さんは原稿を読み終わり、机と原稿で小さくトントンと調子良くリズムを取った 。

宗次はそのまま少し下を向いた。

この一瞬の沈黙は俺の緊張感を高め額に脂汗を滲ませる。


「先生・・これ良いね」笑顔で俺の顔見て言う宗次さん。

この言葉は俺を安堵させ、知らぬ間にため息に似た息を吐いた。


「良かったです」この言葉のための苦渋を強いられた一ヶ月が遂に終わったのだ・・・嬉しくないはずはないだろう。


「ですが誤字もありますし、それにこの台詞ですが・・・」


この後、3時間程説教に似たアドバイスを頂き作品は完成した。


「それでこの作品のタイトルなんですがどうします」宗次は俺に問いかける。


「そうですね・・・」俺はまだ悩んでいた。

「SPJ」「LTH」「DARK LOAD」など俺の大好きな厨二タイトルご一行。


「ではこのタイトルは螺旋で行きましょう」宗次さんは提案した。


「・・・はい」・・・俺はセンスで勝負する前に心が螺旋を描きそのまま折られていた。

宗次さんには文学や話のセンスがあるのに何故自分で小説を書かないのだろうか。


「先生、この後はどうします?」宗次さんは話しの流れで笑みを浮かべ言う。


「小説家になるために上京してから4年間一度も帰郷していなかったので夢を叶えた良い機会だし帰ってみようかと思います」俺の親は厳しい人で俺が高校を卒業し小説家になると告げた時に喧嘩して家を出てそれっきりであった。


「いいじゃないですか、この原稿があれば一ヶ月は猶予ありますし、ゆっくりしてくださいよ」宗次さんは笑顔で言う。


「はい、ありがとうございます」俺も笑顔で返した。


「そういえばさっきエレベーターでおじさんに会ったんですけどね」実は話の内容とかよりも今はこれが最優先事項となっている。


「おじさん?どんな?」不思議そうな顔をして宗次さんは俺を見た。


「40歳ぐらいのハットとコートを着たおじさんです」あれぐらい普通の紳士わからぬはずがあるまい、普通とは時に浮くものなのだから。


「冗談も程々にしてくださいよ、ハットにコートって今まだ9月前半ですよ」笑いながら宗次さんは言った。


「それがネタでもなく、さっきあった本当の話なんですよ」俺は少しムキになった。


「信じますけど、圭子さんに聞けばわかるんじゃないですかね、入り口あそこだけですし」宗次さんは本当に頭の回転が速くて頼りになる。


「帰り聞いてみます」俺は事に進展に心底喜び、口角が緩む。


俺はその後、次の原稿の話を話し合い宗次さんと別れた。

この調子で螺旋を書けば次の話も順調に進みそうである。


また廊下を歩き同じエレベーターに入り、下の階へ。

すると、受付の圭子さんが笑顔で挨拶してくれる。


「お疲れ様です」圭子さんからの笑顔で言われる言葉はどんな困難ですら吹き飛ばす危険物。

だが誰にでも笑顔を振りまいてしまう圭子さんは魔性の女というのが適当だ。



「どうも」俺は緩みそうになる顔をきつく固め凛々しいであろう顔をした。


「聞きたい事があるんだけど、いい?」俺は言う。


「恋愛は禁止です」圭子さんは至って真面目に・・・いや真顔で俺に言ってきた。


「先行きすぎですよ圭子さん」俺は少し困ってしまっていた。


「先走っていつも怒られるんですよ」笑顔で言う彼女の顔を見た俺の頭を脳内メーカー風に表現すると、可愛い可愛い可愛い可愛い・・・だろうな。


「今日年齢40歳ぐらいで身長は俺ぐらいのハットにコートを着た人って見た?」俺は覚えている限りの容姿を言ったつもりだ。


「お客様は先生お一人ですよ」彼女の嘘を吐く理由はない故に圭子さんの笑顔に恐さを覚える。


そのままゆっくりと景色を見ながら帰るという俺の数少ない楽しみは、不可思議なおじさんのことで楽しめる状況ではなく、疲労による脱力感に襲われ、俺はとっさに見つけた喫茶店へと足を運んだ。

とっさに目に入った喫茶店は木造建ての古めかしい喫茶だが内装は非常にアメリカンでお洒落な雰囲気である。

木造建ての古さを利用し更に雑貨などを置いて如何にもな雰囲気を醸し出している。


「いらっしゃい」愛想の無い店主の態度は普通の接客業では見られないが不思議と変にも思わなかった。


「ブラック一つ下さい」俺は慣れた感じに頼んでいるがいつもはミルクに砂糖多めの甘糖である。


「はい、お待ち下さい」店主は落ち着いた様子でコーヒーを煎れ始める。



「久しぶり」後ろから声が聞こえる。

偶然こんな人が少ない場所で久しぶり出会う様な幸せな奴らもいるもんなんだな。

俺は気になり後ろを覗くと女性がこちらを向いていた。


俺か・・・だが見に覚えがない。


身長は俺と一緒か、俺より高いぐらいで腰まであるロングストレートの黒髪

茶色いテーラードジャケットに身を包んだ彼女、妖艶でこのまま目を奪われそうである。


「・・・?」俺は振り返り自分に指を指した。


「あたしだよ、覚えてないの?」こんなに綺麗なのに見に覚えがない・・・自分の脳みそを叱りたい。


「創造主は無関心なのかね・・・あんなに凄い作品を作るのにねー」彼女の皮肉なのか悪口なのか自分を褒めてるのか良くわからないトークに振り回されている。


「名前だけでも教えていただければ」俺はトークとトークの間に必死に疑問を突く。


「もういいわ、あたしは{安藤・(あんどう・めい)}よ、思い出したかしら?」安藤・明!!

それは小学校の事である。


明は男子の中でも人気の高いマドンナ的存在であった。

だが性格は非常に粗暴で度々口喧嘩や手も出るような喧嘩になっていた。

勿論先に手を出すのはいつも明からで、小学校のときのあだ名は鬼女だったくらいで。


「そう怒るなよ、今思い出したよ・・つーか何年ぶりだよ」俺がこう言うのも無理はなく明は小学3年の時に他校に転校していた。


「普通は覚えてるって・・・創造主になってる気分は?」明らしい欲の出た良い返しだ。


「小説家ね!んー・・・どうだろうな」俺は聞かれても良くわからなかった。

どうフリーターになった気分は?とか聞かれてもわからないように小説家であろうとわからないものだ。


「相変わらずナヨナヨしてるわね」的確に心を抉る言葉を打ってくる。


「悪かったな・・でお前は今何してるの?」俺はテンプレのような言葉を聞く。


「は!?あんた、それも忘れてるわけ?」明は驚いている。


「いやー顔忘れてたぐらいだからな・・・」一体この問答はなんなんだろうか、まるであっちの都合で繰り広げられる舞踏会のようじゃないか。


「ほんとに最低ね、あんた」おまけに苦い言葉を加えて。


「さっき会ったばっかりでわかるわけねえだろ」俺は少し苛立っていた。


「あんたに話す事なんて何もない、これからは他人よ」彼女は突然振り返り喫茶店の会計を始めた。


「おい」俺は明の腕を掴むと、彼女が少しだが涙ぐんでいた。

その顔は今まで見たことも無いほどに可憐な美しさを帯びていた。


彼女は無言でそのまま喫茶店を後にした。


今すぐ追いかける程トレンディドラマの見すぎでもなく、俺はただ立ち尽くすのみであった。

意味不明、荒唐無稽、合縁奇縁。

神は俺にネタを提供してくれているつもりなのだろうか・・・ネタの前に心が痛む。


「お客さん、どうぞ」店主は明との口喧嘩には無関心でただ頼んだコーヒーとショートケーキを俺の前に置いた。


「ケーキ・・頼んでないですが」俺は困り顔で言う。


「サービスです」店主はそう言いながら俺にウインクをし豆のチェック業務に入った。

店主は機械的でポーカーフェイスだが有機質特有の優しさを見せる。


今度から必ずここに寄ろうと心に誓うのだった。



家に帰る前に俺は駅に行き、実家へ帰る為の電車の切符を買った。

その駅はいつもの駅のはずなのだが、どうにも人が少ない気がする。

気がするではなく、明らかに少ないというか誰も居ない。

まるで世界が俺を取り残したように周りは静寂に包まれていた。

駅の構内は何かがあって逃げた様子も無いし、というかむしろ何も無く今作られたばかりのような、そんな清潔さを超えたものだった。

綺麗好きである俺としては嫌いでは無いが気味が悪い。

何も無い駅の構内で一際目立っていたものが俺の前方にある。

それはあの扉だった。

思い出せなかった今日の夢、花咲小学校にあったあの扉だった。

頑丈な鎖に守られたあの扉。

あの奇妙な扉は駅構内に忽然と現れていた。


「なんなんだ、これは?」俺は構内で一人にも関わらず思わず口にしてしまう。


そういえば前の夢の時もそうだった・・・あの扉の中を見れては居ない。


見るのが二回目ともなると恐怖と好奇心が五分五分になっていた。


開けようと手を延ばすとそれを止めるように声がする。


「気をつけなよ」


あの声だ・・・締め切り間近白昼社のエレベーター内で出会った、あの彼の声だ。

後ろを振り向くとあの時と同じ服装の彼がそこに居た。


「ここは隙間のようなもの、君はわかっているはずだ」彼は俺に言うのだが塵ほども理解できやしない。


「まだ理解できてないか・・・君はirhgog()')&'(&(%')~=fkjjfg_」

____________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________


重い瞼を開けるとうるさいアラームが延々と俺の耳を劈く。

手をゆっくりスマートフォンに延ばし、アラーム停止を押しているつもりなのだが、タッチされている様子はなくただただ無常にも電子音は耳を劈く。


そんなこんなで10分間のスヌーズに耐えて、俺は体を起こした。

どうやら昨夜の徹夜が効いたようで駅から帰ってすぐに寝てしまったらしい、頭がぼんやりとしながらも帰郷への切符を買っていた事は幸運であった。

起きたのは午前9時、電車は午後3時15分発で時間がある。

とりあえず風呂に入り身を清めよう。

シャワーを頭から浴びて考える。

夢を見ていた気がするが、全く思い出せない。

何か凄く畏怖するような夢だったような気がする。


風呂から出て、歯を磨き朝の疲れ瞼を癒す珈琲珠玉の一杯を味わう。

珈琲は勿論値段高めのインスタントであるはずなのだが、明らかに風味がいつもより良い気がする。

インスタントコーヒーの瓶を見ると、いつものラベルではなくあの喫茶店の名前が刻まれていた。

あの主人の好意なのか、それとも徹夜疲れから覚えていないだけなのか・・・もはや朧げで霞に包まれた森の中を漂う事に等しい。

思い出というのも一緒なのかもしれない。

昨日十数年ぶりに会った明の事も記憶として保持できていなかったと言える。


記憶というのはいつでも引き出せる知識だと俺は認識している。


つまり思い出となったというのは忘れているに程近く、何かのきっかけが無ければ引き出すことも出来ない。



小学校一年の頃だった。

俺は明と喧嘩をした。

今考えればくだらない口喧嘩。

床を掃除する際、箒かモップかで意見が分かれ衝突した。

子供の感性は素晴らしい。

箒かモップか、こんなくだらない事で口だけではなく手も出てしまうのだから。


この思い出は明に会った事で知識に昇華したものだ。


人間の記憶というのは保持する事が素晴らしいのではなく、消えていく事の方が素晴らしいと思う。

喜びも悲しみも恋も愛も何もかもいつかは思い出となって霧の向こうへ行ってしまう。


だからこそ行かなくてはならない故郷へ、花咲町へ。


俺は電車が来るまでの時間のほとんどを散歩に浪費した。

駅までの通り道には大きな川沿いの遊歩道がある。

この道が俺の一番のお気に入りだった。

お気に入りの理由はただ一つで様々な人間模様を観賞できるからである。


ただ川を鑑賞し黄昏る者、川で水切りを楽しむ者、男女で談笑しながら笑いあう者、はたまた男女で涙しながら話し合う者、人間の模様は無限。

俺がこの一生で見れる模様は有限であろうが通らなかった日に何か起きたかもしれないと思うと、この道を外せなくなっていた。

これが生活習慣というやつなんだろう。


だが今日は何かが違っていた。

台風が来ようが地震があろうが必ず人間が居た。

この川沿いの遊歩道に今日は人が居ない。

ありえない現象であった。

俺が上京してから一度もこんな景色は見たことがない。

それに先ほどまで青く澄み切った空も一瞬にして灰に染まっていた。


「はまっているね」


後ろからの声を聞くと全てを思い出していた。

小学校での奇妙な夢、白昼社での出来事、そして駅で遭遇し変な所で切れた夢。


「君はまたはまっている・・・泥沼だよ」彼は言う。


「泥沼?また夢の続きなのか?」俺は問う。


「・・・まだ気付いてないのかい?」彼は小さなため息をして俺に言う。


「何に気付いてるって言うんだよ」俺は少し高ぶった怒りを鎮め言う。


「・・・戻るなら辞めた方が良い、どうせ戻っても同じ事だ」


「なんなんだよ、お前ちゃんr#$%&'(UIJKL+`OIJVFD%&UJ\\\___________________」



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ふと目が覚めると電車の中の隅の席であった。

散歩して時間ぎりぎり電車に飛び乗りいつの間にか寝ていたらしい、寝ていたはずなのに何だか疲れが押し寄せて来ていた。


電車の車輪の音は心地良いがこの揺れは少し神経質な俺には充分に疲れる要因であった。

車掌さんが切符を拝見にして来ている事に気付く。

持ってきていた汚いショルダーバックから切符を取り出すと、切符が二つあることに気付く。


一つはさっき買ったばかりの様な綺麗な切符と古めかしい黄ばんだ切符の二枚であった。

一枚しか買ってないのは明らかで、古めかしい切符が異様なのだとすぐに理解した。

前使ったといえば、4年前上京して以来使ってなどいない。


あの時どうしていたか何て覚えているはずもなく、きっと上京した時からショルダーバックに入れっぱなしだったんだなっと理解する事に。


「切符拝見します」!?俺はあまりの驚きに言葉を失った。

この男の顔は白昼社で会ったコートのおじさんにそっくりなのだ。


「あの・・・お客さん切符」彼は言う。

言われている自分は訳が分からず、切符を無言で提出した。

車掌の彼は眉間にシワを寄せて言う。


「これ期限切れてますよ」驚きから押し寄せる焦りで黄ばんだ切符を渡したのかい、車掌の彼がこちらに返して来た切符を見るが、確かに駅で買った綺麗な切符だった。


「これならって・・・駄目ですよね?」少し冗談交じりで黄ばんだ切符を出すと、車掌の彼は顔色を変え。


「・・・少々お待ち下さいませ」そう言って急ぎ足で先頭の方に走って行ってしまった。


完全にやってしまったと自分の行動を呪った。

完全に無賃乗車だと思われたんだ・・・きっとそうだ。


待機する事5分、車掌の彼が来て言う。


「こちらにどうぞ」その作法は宛らホテルマンの様で何だか奇妙な雰囲気だった。

この状況にさぞ周りの人を驚かしてしまっていると思うのだが、周りはやけに普通だった。

まるで自分だけがこの世界から疎外されているようだ、誰も我関せずな世の中ではあるのだけど。


車掌に着いて行ってもう何車両過ぎたんだろうか・・・もうすでにこの電車を過ぎている気さえする。

俺も電車の車両の数などはすでにただの思い出として処理されているのだが、恐らく8はあったと思う。


だがすでに8は過ぎた。


それは俺の記憶が間違っている事を証明していた。

だが一つが解決するとまた新たな問題が生まれる。

問題その1はまるでほかの人間には興味無いかの様に楽しそうな顔をしている乗客達・・・だが楽しそうな顔を浮かべているだけで制止していた。

問題その2は電車なのに全くの揺れを感じない、まるで止まっているかのような揺れの無さ。

窓を見ると景色は流れているのだが、良く見ると同じ風景がパノラマスクリーンの様に延々と流れているだけであった。

つまり今俺はとても意味不明な出来事に巻き込まれているのだ。

今俺が視認している世界は俺が知っているまともな世界ではないということだ。

どこから崩れた?どこからだ・・・俺は考えたがどうにも記憶が曖昧・・・・・いや鮮烈に残った記憶と薄い記憶の差がありすぎる。

三日前に食べた物は確かに薄くもなるはずだがそんなものではなく重要な事まで薄くなっている。


珈琲を買ったか否か、駅に行ったか否か、こんな重要な事を覚えてないはずはない。

確かに自分の疲れはあったろう・・・だが覚えていないという事は無い。

たった三日で思い出になるなどありえない。


そうこうしている内に電車の先頭に着いた。

恐らく俺はもう既に電車を飛び越えて進んでいるだろう。

結果13車両通った。

もう驚かない・・・ここは俺の知っている世界ではない。


先頭と思われる車両を開けるとそこは豪華な飾りの趣味の悪い部屋だった。

むき出しになった鉄部分は全て金色で飾られ、真ん中にあるソファーは赤に染めたなめし皮、まるで古い城の様な感覚だ。

窓の外は見えない。

正確に言うと窓は硝子で出来ているのだが景色は今まで見たことないほど黒く何も見えない。

真の黒色はこんなにも恐いものなのかと心底思う。


「あなた様とお逢いできるとは私も運が良い」


窓から目をソファーの方向に向けると人が座っていた。

つい2秒前には誰も座っていなかったソファーにだ。


「驚いていらっしゃる・・・飲み込まれているようですね」


そう言って立ち上がったその男は予想通り、あの男だった。

黒に赤のラインが入った毛羽立ったハットに茶色のチェスターコートを羽織、如何にもな靴を履いたどこをとっても紳士で異常な男。


顔を見たその瞬間、あの消えていた出来事がよみがえる。


「またお前か・・・何なんだ一体」俺は完全に狂ってる。


「またとは何だ?よく見ろ、初めましてだ」彼は言う。

確かに口調やしぐさが僅かだが違う。


「正確に言えば同じではあるがな、まぁ双子みたいなものだ」口調は非常に自信に満ち溢れたナルシスト。


「ここを認識できているという事はあなた様はまだ気づいていないみたいだね」彼は高飛車な態度で言う。


「意味がわからない、何が気づいてないと?」俺は優しく柔らかに言った。

こいつは何をしでかすかわからない。


「自分で気づいてこそ知識に成り得るものだ、考えてもみろ何も知らない馬鹿な男に神の教えを説いた所で理解できやしない、もう既にその事が罪とも知らずただただのうのうと生きてる輩たちに教える義理なんてないさ」彼は続ける。


「ただあなた様は違うよ、特別でスペシャルだ」意味が重なってるが変なツッコミは辞めておく。


「俺からの忠告だが・・・文を見るな映像で捕らえろ」彼は言う。


「意味が和からなって一13)==~JIOUijgpriojrpo03ir9\^4!"$)($=Jllllllllllllll」


___________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________?


「次は花咲駅ー花咲駅ー」


車掌さんのボイス付目覚まし時計で俺は目を覚ました。

神経質な俺は電車では30分も寝れないと思っていたが疲れが溜まっていれば人間どんな所でも寝れるという事か。

花咲駅に着き電車のドアが開く。


無償に深呼吸をしたくなる。

これはため息ではない。


何も変わっていない・・・花咲町だ。


寂れた駅すら少し良くも感じる。

降りた者は高校生かお年寄りばかり、そんな全ての事が故郷に帰って来たのだと思わせてくれる判断材料となっていた。

駅の出口で切符を渡し、俺は花咲町へ足を付けた。


時計は午後の5時を指していた。

寝ている間に結構な時間が経っていたらしい。


家まではここから、25分ぐらいを徒歩で行けばいい。

夕暮れが俺の背中を押すように出始めたころ、俺は駅から歩き出した。

歩くこと45分とは早いもので懐かしい景色と共にすぐに過ぎ去っていった。


昔良く集まり遊んだ花咲公園は大きな公園で銀行強盗がお金を隠したとかいう都市伝説があった公園だ。

子供の時はアスレとか言ってた気もする。

呼び名は不思議なもので先輩から引き継がれているため、名前の由来は全くの不明とは中々興味深い。


昔良く通った駄菓子屋のあった場所は綺麗にリフォームされている。

ここの駄菓子屋のババアがうるさくてな、良く計算を間違えてて怒ってたな。


ドーム型の滑り台があった小さな公園付近は少し大きな大手チェーンスーパーが店を構えていた。

ここでは良く、おにごっこをしていたものだ。

ドームをどう使うかが鬼に捕まらないキーポイントになっていた。

ドーム型の滑り台にはトンネルがあり、良く中で挟まれ鬼に捕まっていたのを思い出す。

この4年で大きく変わってしまった。

たった4年と思っていたのだが、大きな変化を齎していた。

俺が変わっているという事はこの町もまた変わっているという事なのだろうか。


25分で着く筈が結局懐かしさに身を任せ足は色々な所へ赴きを置き、気づけば17時45分、いつのまにか45分も散歩をしてしまっていた。

だがそれも終わり。

もうすでに俺の実家の軒先が見えていた。

少し辺りは暗がりで何件かの家からは電気の温かい光が寂れた道路を街灯より先に照らしていた。


俺の家は築30年で少し古いはずだが外見は凄く綺麗だ。

白の外壁に煉瓦の玄関・・・リフォームでもしたんだろうか、昔とは違う。


家の玄関に着き、玄関のドアを開ける。

今日は完全にサプライズで来ている。

そもそも、小説家になると言って飛び出しておいて、連絡をするのも・・とも思うのだ。


玄関のドアを開けると懐かしい匂いが俺の鼻を刺激した。

これは母の自慢である、オムライスの匂いだ。

チキンライスのケチャップと卵の香ばしい匂いが妙に懐かしく、自分の嗅覚の能力を疑う程に強く刺激されている。


玄関を抜けすぐ左にリビングへ入るドアがある。

俺は靴を脱ぎリビングへのドアを静かに開けると、とんでもなく不可思議な映像が俺の視界に入り込んできていた。



”他人”



リビングに居た家族達は全くの”他人”

父母娘で構成された、他人の家族が夕食をとっている・・・

俺の家で!?


これは何かの間違いだ・・・


「すいません、家を間違えまして」


俺は謝罪をするが、家族は俺など全く見えていないように振舞っていた。


「あのー」


俺が見えていない。

声をかけようと、ご飯が置かれた机に乗りサタデーナイトフィーバーばりのダンスを魅せた所で何も関与できない。


俺はこの世界に関与出来ない?

















"やっと気付きましたか"












まばたきをした次の瞬間・・・俺はただ真っ白な場所に立っていた。





「あなた様はここには関与できない、いやここがあなた様に関与できないのです」



そんな言葉を言うのは見るたびに忘れ、見るたびに思い出すあの男だった。



「ここは不完全な世界なの我々のせいでもあるのですが、構築途中で出来た世界とでも言えばわかりやすいですかな?」






「・・・・・・・・・・・・・、・・・・・・・・!」





「ではお教えしましょう、あなたはこの世界で名前を誰からも呼ばれていないのではありませんか?」





「・・・・・・!・・、・・・・・・・・・・・・・!」





「そうです、あなた様はそもそもこの世界には居ない人物、もしくは主人公なのですよ」




「・・・・・・・・」




「そう言うのも無理はありません、ここは不完全に終わった世界なのです、だからこそ私が存在できるわけですがね」



「・・・・・・・?」



「私はあなた様の化身とも言うべき存在です、むしろこの世界そのものとも言えるでしょう」



「!?・・・・・・・」



「私も詳しい事はわかりませんが、あなた様と私は色々な世界を跨いでいるとしか」



「・・・・・・・・」



「私はあなたから生まれたもの・・・私が分かる範囲はあなたの分かる範囲でもあります」


「そ・・、・・・・・だ」


「思い出しましたか・・・ですがどうしてこうなったのかはわかりません」


「・憶?そ・・・」


「思い出。そう思い出です」


「思い出・ぇ」俺は笑っていた。


「この世界は奇跡的にあなたの思い出が作品になった場所という事です」

「何千何百と色々な作品を作りその世界を跨いで来て、自身の記憶を思い出すのはこれが初めてです」




「きっかけが大切って事だな・・・そしてまたいつかは跨ぐのだろう?」



「いつか・・・というのは言葉がおかしい、この世界では5時間程しかもちません、それは前の世界のあなたの記憶を引き継いだ私が調べましたので」



「5時間?今日を合わせれば2日は経っているはずなんだが」


「登場人物の時間間隔は設定に忠実という事ですね、私の設定は作品の垣根を越えた、つまりはあなたの深層意識とも言えるかもしれませんね」






「って事はあと少しで、跨がなければならないというわけだな」






「そういう事になりますね、まぁしかし次の世界はかなりハードになりますね」





「皮肉は良い、俺が考えたものにライトなものはない」




「わかってますよ、私はあなたなのですから」



「次に会うときはお前は婆かもしれないな」


「あなたがそう望むなら、そうなるでしょう」


「じゃあ、またな」

「ええ、また後ほど」


真っ白な空間の中にはあの扉があった。

南京錠とチェーンで巻かれた扉が・・・色は赤くなっているが間違いなく夢の扉だった。


鎖は俺を誘うかのように外れ  扉はいつのまにか目の前にあった。


俺は扉を開け159ajmwqajtmad.

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「あんたもあれを求めてるのかい?」商店の店主は僕に話かける。


「みんなあれを求めてここを通るんだよ・・・悪い事は言わねえ・・やめときな」店主は言う。


「あの岩山が?」僕が言うと店主は眉間に皺を寄せた。


「ああ、そうさあれが狂気の山脈さ、針が如く渇望者の足を破壊する・・・針の山とも言われてるよ」店主は被せ気味に言う。


俺はありったけの水と食料を買い無言で出ようとすると店主は言う。


「やめときなよ、いつかは辞めた事すら思い出になって笑い話にだってなるもんなのさ」店主は真面目な顔で言う。


「世話になった」僕はそう言い店を出た。

俺は店主の顔を見なかった。

その顔を見たら、僕は少し立ち止まってしまうような気もしたから。


僕はこの狂気の山脈を超えあるという、カダスの元へ行く。


山を登るというよりは崖をよじ登るという方がしっくり来るだろうか。

一体どれだけの時間をよじ登ったのだろうか・・・下を見ると地面が白い霧で見えなくなっていた。

だがあと少しで終わりだ、もう頂上だ。

俺は最後の力を振り絞り崖を登った。

掌や足の爪が禿げ赤く染まり、両手を使う事すら叶わず乾いた唇は水を訴えている。

狂気の山脈とは良く言ったものだ、常人でも狂人になれるだろう。

頂上に手をやり、無い爪で岩を掻く痛みなど当に消えている。

だが頂上の景色はまさに狂気の山脈にふさわしいものだった。

聞いても信じやしないんだろうが



”頂上は明らかに高くなっている”



僕が頂上だと思っていた場所は山の中腹に位置していた。

僕が狂ってるのか?何度目を背け何度見ても、現実は何も変わらない。

狂ってる・・・登る前は確かにここが頂上だったのだ。


”否”


これほどまでの恐怖を感じて僕はまだ立っていたのだ。

足は完全に朽ち岩肌の道が僕の足から血を出させようが、関係ない。

流線型の心臓が音を立てこの沈黙した界を刺激していた・・・

                   ~to be continue~

如何でしたでしょうか?笑

久しぶりに完結できたので嬉しいです。

シリーズとは言いますが短編集だと思っていただければと。

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