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離れゆく心

クリスマスが終わった次の日やっと中学生生活2回目の冬休みがきた。

去年の冬休みはチャットだけで冬休みを過ごしていたが今年は交流の街タウンもあるので楽しく過ごせそうと思えるのだが今の心にひっかかっている物がついたままでは有意義に過ごせそうもない。


なんとかしてこのひっかかっている物をとりたいのだがどうすればいいのかが思いつかない。


なので僕はこの冬休みはアイコンチャットのほうを少し控えようと考えた。

チャットを行くのを少し控えたらちょっとはこのひっかかっているものも少しずつだがマシになるだろうと思った。だがこの行為ははたから見たらただ逃げているようにしか見えないかもしれない。


でも誰かにそう思われたとしても僕は今はチャットに行かないだろう。





そういうこともあり僕は冬休みはタウンの方へとばかりに行っていた。

タウンにはいつも通りのメンバーが居ていつも通りに会話をしていた。

そんな光景を見ているとなぜだかチャットを楽しくやっていた時を思い出した。



タモリ:おぅ、くろあ来てたのか

くろあ:うん。ごめん挨拶するのすっかり忘れてたw

いちご:あはは、くろあらしいねw


僕らしいか。僕らしさって一体なんなんだろう。


くろあ:いつの間にかタウンも人口増えたよね~

めぐ:そうですねw私が初めて来た時は全然いなかったのに。

タモリ:俺が来た時もあんまりいなかったよな。

咲月:そうなの!?私これぐらいの人数だと思ってたw


最初タウンに来た時は31人ぐらいしかいなかった。そしてその内約20人はただ登録して来ない人達だった。なので実質最初は10人もいなかった。だけどこの時はすでに人口は60人は越していた。


めぐ:くろあさん来たぐらいから人数も増え始めましたよねw

マリ:そうだね~。確かそのぐらいの時期からだねw

タモリ:俺もくろあにこのサイト教えてもらったしなw

マリ:なんだろう、くろあさんに人でも呼ぶ力でもあるのかな?w

くろあ:そんなのあるわけないじゃないですかw

きら★:でもお前ってなんか不思議なやつだよな~。

くろあ:不思議ってなにがだよ。

きら★:いやさ、あっちのチャットの方でもそうだけどなんかお前って独特なんだよw

くろあ:だから、なにが言いたいんだよ。。

きら★:俺もよくわからなくなってきたwとりあえずお前は不思議ちゃんなんだ!

タモリ:きら混乱するなよw

めぐ:でもくろあさんがって本当に珍しいと思います。

くろあ:めぐさんまで…。

めぐ:あ、すいません悪い意味じゃないんですよ。ただくろあさんって私がたくさんの人とチャットしてきた中でなかなか居ないタイプで珍しいってことですよwん~なんて言うのかな?私くろあさんと居ると落ち着くんですよw


くろあ:別に僕はそこらへんに居る人と変わりませんよ。。

めぐ:そんなことありませんよ。それにくろあさんと付き合っている私が言うんだから間違いありません!w


付き合っていると言ってもこのタウン内の機能のことなんだけど…。


きら★:おっ、なんかいい雰囲気だなw

タモリ:おぃ今いいところなんだからお前は出てくるなよw

くろあ:いや、別にそういうわけじゃ。

いちご:くろあとめぐさん仲いいんだね~。

めぐ:恋人ランク1位ですからねw

はちみつ:私達もがんばらなきゃね、タモリ!

タモリ:あぁ、そうだなw


この時僕とめぐさんは恋人ランクでいつの間にか1位をとっていたのだった。

それにしても僕が不思議か。それに落ち着く。まさかそんなはずもないのに…。


そんなことを考えているといつの間にかメールが届いていた。


メールの画面を開いてみるとメールを送ってきた主はめぐさんだった。

僕はそのメール内容を読んでみる事にした。

「あの、くろあさん。私くろあさんと結婚してみたいです。あ、もちろんタウンの機能ですよ!今さっきくろあさんに言ったとおりくろあさんといると落ち着くし。それにくろあさんを信頼してますから。だからよかったらお願いします。」


結婚申し込みのメールだった。そういえばラブ度がある程度たまるとタウンでは結婚できるのだった。


僕はそのメールを見て悩みもしないでメールを送り返すことにした。

「もちろんいいですよw僕もめぐさんとならやっていけるような気がします。なのでこれからは配偶者としてよろしくお願いします」


もちろん結婚OKという返事を送った。

僕はそれだけ彼女のことを信頼している。だから承諾した。

そしてこの日ついに僕はタウンで始めての配偶者を得ることとなった。



こんな感じであと何通かめぐさんとメールをしているとその途中1通きら★からメールがきた

僕はそのメールを開いてみることにした

「お前最近アイコンチャット行ってるか?」


メールの内容はアイコンチャットについてのことだった。

今はあまりアイコンチャットのことは考えたくないがそれでもメールを返信した


「最近は微妙に行くの減ってる」

とりあえずそれだけを記入した。


しばらくしているときらからメールが届いた。


「やっぱりな。俺もここ最近忙しかったから行ってなかったけど前久しぶりに行ったらお前の話題が出ててよ、奈々が最近見ないとか言ってて心配してたぞ」


奈々が僕のことを?


きらのメールはそれだけじゃなくまだ続きがあった。

「それにお前最近なんか変だぞ」


まさかこいつに変と言われるとは思わなかった。

「その内チャットには顔出すよ。というよりお前に変って言われたくないんだけどw僕はいつも通りだよ」


数分待っているとまたきらからメールが届いた。

「ふっ、お前は俺が変態とでも言いたいのかwまぁそんなことよりお前をタウンで様子を見る限りやはりおかしいと思うぞ。今さっき挨拶版で言ったようにお前は不思議って感じがするがここ最近ではなんかそういうのが無くなってきている気がするぞ。なにかあったのか?」


「別になにもないよ。それに僕は全然今まで通りだから」

きらのメールをみて僕はそれに返信した。

返信したあとすぐに再びメールが返ってきた。

今思えばこんなに真面目にきらとメールするのは初めてかもしれない。


「そうか。それならいいんだがなwまぁ悩みとかあったらこのきら★様にいつでもメールしなさい!」


さすがにこのメールに返信をしようとは思わなかった。

それにしてもきらが僕の様子に気づいているとは思わなかった。


この状況をなんとかしたいのはわかってる。

けどこの胸にひっかかっているものをどう取ればいいかがわからなかった。







新しい1年を迎えてから少し経ったある日僕は久しぶりにアイコンチャットへと行ってみることにしてみた。

たった1週間と少しほどしか来てなかっただけなのに凄い懐かしい気がした。

だけどまだ昼間ということもあり誰も居なかった。

とりあえず僕は誰も居ないなか入室をした。


過去ログを見る限り奈々やムロウ達はどうやら昨日は楽しく会話していたようだった。

それを見るとまた胸がもやもやしてくる感じがした。

そんなことを思っているとタイミングがいいか悪いかわからないが「彼女」が入室してきた


管理人:奈々さんが入室しました

奈々:くろあ見つけたーー!!w


チャットの中だけど僕は久しぶりに奈々の声を聞いたような気がした。


くろあ:久しぶり奈々。

奈々:ほんと久しぶりだよ!今までなにしてたの、くろあ!?

くろあ:特になにもしてないよ。ただ来てなかっただけだよw

奈々:へぇ、そうなんだ~。。


なんだろういつもなら奈々とふたりきりで喋る時はテンションが上がるというかわくわくしながらやってるのに今はそういう気分になれなくてふたりきりということに焦っている。


奈々:くろあが居ない間にね新しい人たちがチャットにいっぱい来たんだよ~

くろあ:そうか。たった1週間ちょい居ないぐらいでそんなに来たのかぁ

奈々:うん、だからくろあもその子達と仲良くなれたらいいねw

くろあ:あぁそうだね

奈々:だから、くろあもチャットに来てよ。また皆でいっぱい話そうよ

くろあ:僕もそうしたいよw


僕も奈々や皆たちと話したい今までどおりたくさん彼女達と語りあいたい。

けど今の僕はそれが本当にできるのか?


奈々:ねぇ、くろあ。

くろあ:ん、何?

奈々:最近わたしのこと避けてない?


突然のことだった。奈々がまさかこんなことを言うなんて思ってもみなかった。

そもそも奈々は僕の今の状態に気付いているのか?


くろあ:なんだよ急にw別に僕は奈々のこと避けてないよ。

僕がキーボードをうっているとき微かに手が震えていた。それほど僕は動揺しているのだった。


奈々:嘘だよ。だってくろあの様子見ればすぐにわかるよ。ねぇどうしてなの?

くろあ:ちょっと待ってよ。だから僕は別に避けてないって。それになんだよ僕の様子って…

奈々:明らかにおかしいんだもん。いつものくろあなら私と喋ってる時楽しそうにしてくれてるのに今のくろあと喋っててもそんなの全然伝わってこないんだもん!それにくろあはただ来てなかったって言ってたけどそれは違うでしょ?


なんで奈々には僕の全てがわかっているんだろうか。

パソコン画面に映っている奈々のアイコンと発言を見ているとキーボードがうてなくて何も言えない状態になっていた。


奈々:ねぇ一体どうしたのくろあ?私なにかした?教えてよ!私が悪いことしたなら謝るからさ!!


ただチャットで更新している画面を僕はただ呆然と見ているだけだった。

何も言えない。彼女に本当の事が…


奈々:お願いだから、もう一度私と…皆と一緒にチャットしようよ!


もうここまで来ると何も言えなかった。というよりここから出たかったが出るに出れない状況だったんだ


管理人:疾風さんが入室しました

この険悪なムードの中で疾風が入室してきた。


疾風:おい、お前らどうしたんだ!?


僕は他のチャットメンバーには迷惑をかけられないということで僕は焦りついにマウスを動かしキーボードをうった。

くろあ:ごめん今の僕じゃなにも言えないから…。

奈々:ちょっと待ってよくろあ!!

管理人:くろあさんが退室しました。


最後に奈々に名前を呼ばれたが僕はそれと同時ぐらいに退室を押してチャットルームから出て行った。





いや、この状況から逃げ出したんだ。



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