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苦難

2学期が始まりしばらくした時僕はなぜかこの時珍しくいつもは行かないチャットの場所に行って様々な人たちと話していた。そこで一人の人物に会って仲良くなったのだがそれがある意味苦難という道への始まりだった。





その子の名前は「いちご」といいすぐに仲良くなれて人懐っこいような性格をしていた。仲良くなれたということもあったのとタウンの人口を少しでも増やしたいという気持ちもあったのでいちごにタウンを教えてみると見事にいちごもタウンにはまっていった。



いちご:皆さん初めまして、いちごって言います。よろしくお願いしますw

きら★:よろしくwでも俺はもこたん一筋なんでw

くろあ:お前はなに言ってんだよw

もこ:wwまぁいちごさんよろしくねw

いちご:はい、よろしくお願いしますw



そしていちごにタウンでの基本的なことを教えてあげたりしていちごはだんだんとタウンに慣れてきていた。その慣れて来た事もありいちごはタウンにリアルの友達をたくさんと連れてきていた。

そのいちごの友達とも僕やタモリは仲良くなっていった。





10月に入ると僕の中で大きな出来事がまた一つ起きた。


タウンに来てみると一通メールが来ていたの僕は読んでみることにした。

その送り主はいちごだった。


いちご:ねぇねぇ、私くろあの声聞いてみたいんだけどよかったら電話してみない?



正直このメールは迷った。別に自分自身の声がどうとかっていうことが問題じゃないんだけどこの時僕はチャットの友達とかとは電話など一度もしたことがなくてそのことで僕はそのことで迷っていた。それに正直電話番号を教えるというのはネットではどうだろうかということも思った。


だけどなぜか好奇心の方が勝ってしまい僕は返信する時の内容には「やってみよう」と書いてメールを送ってしまった。


するといちごからは「じゃあ明後日の12時くらいにw」といって電話番号と一緒にメールが返ってきた。



この後僕は相当後悔していた。なんでやってみようとか言ったんだろうと。











いちごと約束をした電話をする日。この時僕は到底一人じゃできないと思いサナトスを呼んでいた。最初はタモリにお願いしたが用事があるようなのでサナトスに頼んだ。


電話をかける時間になったので電話をかけることにした。

電話をかけていると女の声の人がでてきた。そうこの声の人がいちごだった。

妙に相手の方も緊張しているのかところどころ会話の中で噛んだりしていた。


電話の相手はいちごだけではなくいちごのリア友でタウンにいる咲月、雷香、はちみつ、スズたちであった。

緊張しすぎていることもあり大半の電話はサナトスに任せていた。



そして電話をかけて話すこと20分弱やっと電話が終わった。

このネットの友達と電話をするということはよい経験になったと思う。だがしばらくはこういうことはしないでいいと思った。

この電話事件のことは今現在でも僕は忘れていない。





夜タウンにいってみるとメールが来ていた。

いちご:今日は電話楽しかったよw今度はちゃんとくろあもたくさん話してよねw


という内容で来ていた。

僕は独り言で「今度もあるのかよ」と呟いたのだった。







ある日2窓で僕はアイコンチャットに来ていた。

来ていたとは言ってもただ入室せずに閲覧しているだけだ。


奈々:あの時は楽しかったね~

ムロウ:いや、大変だっただけだと思うぞw

疾風:奈々は本当にお気楽だなw荒らしが来ていて楽しいってなかなかないぞ

奈々:そうかなw

アルベル:でも、そこが奈々のかわいらしいところだと思うぞw

のの:そうだよwお気楽ってとこが奈々のいいとこw

奈々:えへへ~


どうやらみんなは僕が居ない間に来ていた荒らしのことについて話しているようだ。

そして奈々のいいところについて。


いつもの僕なら普通入室して話すのだが今日は入れないでいた。

それは新しい人が居るので入れないということでもなく会話に入れないからでもなく、ただ単に僕は奈々の人気の有り様を改めて実感したからだ。

そしてもうひとつ奈々のことを好きという感情があるために他の人にも嫉妬してしまっていたからだ。




結局僕はこの時アイコンチャットには入室せずタウンへと行った。


くろあ:はぁ…

タモリ:お、くろあ来てたのかw

咲月:でもくろあ明らかになんか元気なさそうだね?

はちみつ:なになに?なにかあったの?

くろあ:いや、ただ疲れてるだけ。。

タモリ:あぁなんだ。今日は部活も忙しかったからな~

めぐ:ふたりともお疲れ様ですw



さすがにこの悩みはみんなの前で言えないでいた。

というか僕が恋愛の相談という柄でもない事をしてしまうということが自分としては考えれなかった。


そんな悩みを抱えながらタウンでボーっとして過ごしているとひとつのことを思い出した。

そう、それは最近沙良さんがタウンに来ていないことだった。


沙良さんは夏休み前半に顔を1回だけ見せてそれ以来来ていないはずだ。

僕はとりあえず沙良さんにメールを出してみることにした。



くろあ:久しぶりにメール送りますw沙良さん元気ですか?最近ここに来ていないみたいだけど忙しいのかな?もしこのメールを読んでくれたら返信くれるとうれしいですwまた前みたいに一緒にタウンで話せれたらうれしいですw


僕はこのメールを沙良さんが呼んでくれることを祈って送信した。




だが、このメールは彼女には届くことがなかった。

そして沙良さんは11月前半に交流の街TOWNを去っていった。



このことは僕にとってショックが大きかった。

交流の街TOWNでの一番悲しかった出来事・・・。


タモリ:なぁくろあ、沙良さん街去ってしまったな。

くろあ:あぁ、そうだな。

いちご:ねぇ、前から思ってたんだけど沙良さんってどんな人だったの?

ファイナルアサシン:確かくろあと仲良かったよな。

くろあ:うん。沙良さんはほんとにいい人だったよ。


もう沙良さんと一生会うことができないと思うだけで胸が痛くなった。

そしてそれと同時に大切な人が居なくなるという事がここまで辛い事だとは思わなかったので精神的にダメージがかなりきてしまった。

確か大切な人が居なくなるというこういう感情は1度どこかであったような気がする。


くろあ:ごめん、そろそろ落ちるよ

タモリ:今日は早いんだな。

ファイナルアサシン:まぁ元気出せよくろあ。

くろあ:わかってる。じゃあまたね。



今日のところは落ちることにした。

今日このままやっていても会話にも入れないしタウンでもやりたいことができないと思う。









こうしてしばらく僕はタウンに対してもやる気が出ないでいた。



最近は奈々への感情、沙良さんがいなくなるという出来事で僕はこの時が一番精神的にぼろぼろだったと思う。





タウンへ行くと沙良さんが居なくなって僕が元気がなくなっていることに気づいてかタモリ、ファイナルアサシン、ろすけさん、めぐさんなどからメールが何通か来ていた。

このメールを見てさすがにこれ以上皆に迷惑をかけらないと思って僕は少しずつでもやる気を取り戻そうとした。



確かに僕にとって沙良さんはTOWN内では一番大切な人でありこれからもずっと一緒にTOWNをやっていきたい人だと思っていた。

でも彼女は居なくなったんだ。

だからこそその現実を受け入れようと思った。

タウンにはまだ僕を思っている友人達がいるその事を忘れちゃいけないんだ。

それにもしかしたら彼女はまた戻ってくるかもしれない。

だから待っていよう。いつまでも…。











そして沙良さんが居なくなってしばらく経った。

雪が降り始めてきた12月。


くろあ:もう1年かぁ。。

奈々:いきなりどうしたのくろあ?w


今日はアイコンチャットを集中してやっていた。


くろあ:いや、アイコンチャットに来てもう一年経ったんだなって思ってさ。


そう、去年の今日僕が初めてチャットに来た日だった。そしてもう1年が経ったんだ。


奈々:私は来月あたりで1年かなwでも早いね、そんなに経つんだ。

ムロウ:そうだな。こうして俺達は歳を重ねていくのだ

疾風:ムロウおじさんくさいぞwでも確かに早いな。。

マジック:俺は最近来たばかりだからな~

くろあ:なんかこのチャット来て色々あったなって考えてしまうなw

奈々:あ、わかるよ~。わたしも考えるとき結構あるもんw


たった1年だけど本当に色々あったと思う。

1年前の今日はチャットのこと全然知らなかったんだもんな。

でもチャットのことをむらぁに教えてもらって、そこから楽しくなってきたんだよな~。

今思ったらむらぁに感謝しないとな。今では全然会わないけど…。



奈々:う~ん、私このチャットに来てよかったな~

ムロウ:なんだよ急にw

奈々:だって、ここに来てなかったら皆に会うこともなかったし~。だから来てよかったのw

疾風:確かになw俺もここに来てよかったぜ。奈々みたいな楽しいやつがいるとは思ってもなかったけどww

マジック:俺も俺もw

ムロウ:まぁ俺も奈々みたいな最高なやつに会えて最高だぜ!!


このチャットのログを見ていてまた僕は胸がもやもやしてきた。


奈々:くろあはどうなの?

くろあ:あぁ。僕も皆に出会えてよかったよ


皆みたいに奈々に出会えて嬉しかったみたいなことは正直に言えなかった。

そして自分が正直に彼女に思いを言えないことに次第に腹が立ってきた


結局その後もこんな気持ちのままチャットをしていたのだが全然皆と話しているときに会話にも入れずなにを話していたかすら思い出せないでいた。







それから少し経ったある日僕はパソコンもつけずに部屋であることを考えていた。

奈々との距離感のことだ。


奈々に対して僕は友情以上の感情を持っている。だけど奈々は僕に対してはそういう感情を持っていないと思う。

そのこともあり僕のなかではチャットでもあったなにかもやもやした感情も生まれてきた。

他人への嫉妬、そして自分に自信を持てないこと。


ここ最近は明らかにチャットをしていて奈々が複数の相手と仲良く喋っていてそれを見ているとなんだかムカムカしてくる。

僕も奈々に喋りかけようとしているがこのムカムカしている状態で本当にうまく喋れるかどうかが心配で結局は喋れないという結果だ。


このことがあり奈々との距離が離れていってるのかもしれない。





いや、もともと奈々と僕とでは人としての差がありすぎのかもしれない。


チャットでは誰とでもすぐ仲良くなれてなにがあってもいつも笑っていて、そしてチャットでは皆のアイドルの奈々。それに対して僕はチャットでは一応名前は知られているがそこまで目立つわけでもなく新しい人が来ても仲良くなるまでには時間がかかってしまう。

こんなに違いがあるとさすがに彼女と釣り合うわけがないと思ってしまう。



それよりこんな事を考えてしまっている時点でダメなのかもしれない。



ふと僕はあることを思い出した。

沙良さんが居なくなった時同時に大切な何かを失った事を。

僕はそのことがようやく思い出せたのだ。






今こんな僕を見たらあいつはどんなことを思うだろうか…。





どんなことを言ってくれるだろうか…。







むらぁにもう一度会いたい。




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